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第参拾九話
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羽が沢山舞っている。これは御主人の『眠り羽』っす。妖怪相手には意味は無いっすけど、人間の氷柱さんは一瞬で寝ちゃうっす。
あっしはすぐに氷柱さんを探して走った。
「氷柱さん!!氷柱さん何処っすか!?」
叫んで探していると肩に痛みが走って足を縺れさせて、盛大に転んで何回転もして転がってしまった。
「あいてててて……………」
あっしは痛みの走った右肩を見ると、其処には深々と羽が刺さっていた。
恐る恐る後ろを見ると、其処には案の定鬼の形相の御主人があっしを見下ろしながら立っていた。やっぱり相当御立腹っすね。
「御主人何の用っすか?」
「あんた、あたしに嘘の情報を渡したわね。」
「っと、どう言う意味っすか?」
まさか。
「鶴が暁光様の想い人って、嘘だったのね。」
やっぱりその事っすよね、如何して見破られたのかはこの際置いておいて、御主人が眠り羽を使った理由がよく分かったっす。
御主人は本気で氷柱さんを逃がさないつもりっす。だから人間である氷柱さんを確実に捕まえる為に眠らせたんっす。
あっしはすぐに立ち上がって羽を引き抜いてすぐ近くに投げ捨てた。
「御主人、悪いんっすけどあっしは今回の事は氷柱さんの味方っす。何があっても御主人に本当に情報を売るつもりなんて最初っから無かったっす。」
「なっ!!!」
御主人は相当頭に来たらしく、あっしを睨み付けた。その直後あちこちから羽が飛んで来てあっしの体に突き刺さった。
「いっ!!!」
周辺に血が飛び散ると、あっしはすぐに走ってその場を逃げた。
結構な距離走ってあっしは羽を引き抜いて傷を治した。はぁ、痛かったっす。
また突然羽が突き刺さった。それも今度は足に。
すぐに鳥になって飛んで行こうとしたけど、翼に羽が幾つも突き刺さって飛び立つ事が出来なかった。
追って来た御主人に追い付かれると、あっしは御主人に掴まれた。
「さぁ雀、あんたあたしに逆らったんだからお仕置きしないと駄目よね。」
(ヤバいっす!!!)
御主人はあっしを掴む手に力を入れると、あっしはすぐに暴れた。だけど御主人が離してくれる訳が無く、このままじゃ潰される。それを覚悟したその瞬間だったっす。
「雀を離さぬか。」
何か弾く様な、パァンって音が聞こえると、気が付いた時にはあっしの体は宙に浮いていた。
怪我し過ぎて飛べないから、床に落下すると思った時、誰かの手にそっと乗せられた。
「雀、大丈夫かえ?」
(姉さん!!)
本当に何て最高な時に来てくれるんっすか。格好良過ぎるっすよ。
人の姿になったけど傷だらけなせいで倒れそうになった。だけど姉さんが支えてくれた。
「姉さん、ありがとうございますっす。」
「良いのじゃ。それよりそろそろあやつが来るのう。」
それは一体誰の事なのか聞こうとした瞬間、熱を感じる間も無く建物が焼失した。
あっしはすぐに氷柱さんを探して走った。
「氷柱さん!!氷柱さん何処っすか!?」
叫んで探していると肩に痛みが走って足を縺れさせて、盛大に転んで何回転もして転がってしまった。
「あいてててて……………」
あっしは痛みの走った右肩を見ると、其処には深々と羽が刺さっていた。
恐る恐る後ろを見ると、其処には案の定鬼の形相の御主人があっしを見下ろしながら立っていた。やっぱり相当御立腹っすね。
「御主人何の用っすか?」
「あんた、あたしに嘘の情報を渡したわね。」
「っと、どう言う意味っすか?」
まさか。
「鶴が暁光様の想い人って、嘘だったのね。」
やっぱりその事っすよね、如何して見破られたのかはこの際置いておいて、御主人が眠り羽を使った理由がよく分かったっす。
御主人は本気で氷柱さんを逃がさないつもりっす。だから人間である氷柱さんを確実に捕まえる為に眠らせたんっす。
あっしはすぐに立ち上がって羽を引き抜いてすぐ近くに投げ捨てた。
「御主人、悪いんっすけどあっしは今回の事は氷柱さんの味方っす。何があっても御主人に本当に情報を売るつもりなんて最初っから無かったっす。」
「なっ!!!」
御主人は相当頭に来たらしく、あっしを睨み付けた。その直後あちこちから羽が飛んで来てあっしの体に突き刺さった。
「いっ!!!」
周辺に血が飛び散ると、あっしはすぐに走ってその場を逃げた。
結構な距離走ってあっしは羽を引き抜いて傷を治した。はぁ、痛かったっす。
また突然羽が突き刺さった。それも今度は足に。
すぐに鳥になって飛んで行こうとしたけど、翼に羽が幾つも突き刺さって飛び立つ事が出来なかった。
追って来た御主人に追い付かれると、あっしは御主人に掴まれた。
「さぁ雀、あんたあたしに逆らったんだからお仕置きしないと駄目よね。」
(ヤバいっす!!!)
御主人はあっしを掴む手に力を入れると、あっしはすぐに暴れた。だけど御主人が離してくれる訳が無く、このままじゃ潰される。それを覚悟したその瞬間だったっす。
「雀を離さぬか。」
何か弾く様な、パァンって音が聞こえると、気が付いた時にはあっしの体は宙に浮いていた。
怪我し過ぎて飛べないから、床に落下すると思った時、誰かの手にそっと乗せられた。
「雀、大丈夫かえ?」
(姉さん!!)
本当に何て最高な時に来てくれるんっすか。格好良過ぎるっすよ。
人の姿になったけど傷だらけなせいで倒れそうになった。だけど姉さんが支えてくれた。
「姉さん、ありがとうございますっす。」
「良いのじゃ。それよりそろそろあやつが来るのう。」
それは一体誰の事なのか聞こうとした瞬間、熱を感じる間も無く建物が焼失した。
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