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ヤンチャと策士は紙一重?
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しおりを挟む「ランチ、何食べよっかな」
「確か百合子さん、パンケーキが食べたいって言ってなかった?」
「うん、そうなんだけど……インスタを見てたら、期間限定プレートっていうのがあるらしくてね。それもすごく美味しそうだったから、迷ってて」
「へぇ、どんなやつ?」
「これなんだけどね……」
スマホを取り出して、これからお邪魔する予定のカフェのアカウントを開く。黒瀬くんに見えるように画面を近づければ、前方から、何だかガラの悪そうな男の子たちが歩いてくるのが見えた。
「きゃはは、マジかよ!」
年は二十代前半といったところだろうか。皆が金色だったり赤や紫色だったりと派手な髪色をしていて、合わせて服装も派手で個性的な装いをしている。
一番前を歩いている子なんて、遠目から見ても分かるくらいに鼻にたくさんのピアスをつけている。あんなに穴を開けて、痛くはないんだろうか。あれが今流行りのオシャレってやつなのかな……?
下品な笑い声を上げている鼻ピアスの男の子が、自身の隣を歩く友人らしき子から、私たちの方に顔を向けようとしているのが分かった。私は目が合わないようにと先に逸らして、スマホの画面に視線を落とす。
「確かに、このプレートも美味しそうだね」
「でしょ? サラダにライスにハンバーグに、色々のってるんだよ」
「それに量が多いから、これなら満足できそう」
「確かに……黒瀬くんいっぱい食べるもんね」
「じゃあ、俺がこれ頼むからさ、百合子さんはパンケーキにすればいいんじゃない? 少しずつ分けて食べようよ」
「……黒瀬くん、ナイスアイディア」
「だろ?」
得意げに笑う黒瀬くんに、私はグッとサムズアップする。
「それに百合子さん、少食だからね。プレート頼んでも、全部食べきれないんじゃない?」
「そっ、そんなことはないから! ……多分」
「ふーん、そう?」
「……分かってて言わないでよ。意地悪」
「ふはっ、ごめんごめん」
そんなことを話しながら歩いていれば、前方に見えていた男の子たちとの距離はあっという間に縮まっていた。私と黒瀬くんが右端に寄っているのに対して、男の子たちは気にもせずに何人かで横並びに歩いている。
すれ違い様、鼻ピアスの男の子の肩が、黒瀬くんの肩にぶつかった。――ように見えたけど、黒瀬くんは僅かに身体を逸らしてぶつかるのを避けていたらしい。さすがの瞬発力だ。
そのまま二人で談笑しながら歩いていれば、背後から声を掛けられる。多分、先ほど先頭にいた鼻ピアスの男の子だ。
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