妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

文字の大きさ
12 / 133
1章:異世界転生とゴブリンの群れ

10:夢ではない夢

しおりを挟む
 たしか俺はティナに抱き着かれながら宿の部屋で寝ていたはずだ。今の俺の後ろには誰もいない。
 なぜこうなった。

 俺がいまいる場所はオルディナの町の風景とは程遠かった。
 赤い空、黒い雲、地面はごつごつした岩場。

 とりあえず、あたりを見渡した後。俺は自分の置かれている状況を確かめる。
 ちゃんとコートを身に着けており腰にはちゃんと天叢雲剣があった。
 そして俺の目の前にはこんなへんてこな状況を説明してくれそうな女の子がそこにいた。
 見覚えはない、はずなのにどこか懐かしい。そしてこの娘はこの状況に何かしら関係があるそう思ってしまった。

 その少女は、こちらを見てニヤニヤしている。どうやら、てんぱってる俺を見て楽しんでるみたいだ。
 その子はこの場に似合わない綺麗なピンク髪のツインテール、背は俺よりずいぶんと低い、そんな普通の女の子……なわけがなかった。その少女には普通、人にはついていないものがあった。

「角だ」
「これがそんなに珍しい?」

 首を傾げ、右手で角を触りながら聞いてくる。どうやら俺は声に出して言っていたみたいだ。
 そりゃ珍しいさ、だってそんなもの人についてるの見たことないし。

「君は異世界人だし、しょうがないか」

 あれ?俺今声に出したか?

「だしてないけど?」

 その少女は何当たり前のことをみたいな表情でこちらを見てくる。

「君はこの状況を理解できてはいないみたいだね」
「まぁな、原因はお前なんだろ?」
「そうだね、ボクのせいだよ」

 ニコニコしながら答えてくれる。
 やはりこの少女がこの状況の原因らしい。だからと言って今の俺には、何もできないけど。相手は明らかに俺より強い。それはわかる。

「しょうがない、今の状況をこのボクが適当に説明してあげよう!」

 適当かよ!ちゃんと説明してくれ。
 こころの中で突っ込むとニヤニヤしながら今の状況を説明してくれる。あの神とか、伯爵がニヤニヤするとイライラするけど、かわいい少女がそれをすると、ただ可愛いだけだった。

 俺の心を読んだのか、ちょっと驚いた反応を見せ、少し頬を赤くし、またニヤニヤ顔に戻ると説明を始めた。

「君はまだ寝ていて、夢を見せている感じかな? まぁ、夢であって夢ではないんだけど。まぁそれはいい。それでいま、ここにはボクと君しかいない。今回は君に忠告というか危険が迫ってることを教えに来たって感じだね。まぁ仮にもあの神に呼ばれたんだし大丈夫だとは思うけど。」

 ここは夢?しかも危険が迫ってる?あの神というのは混合神のことか?

「まぁそうだよ」

 案の定俺の心を読み応える。
 そして俺は当然の疑問を口にする。あの神のことを知っていて、明らかに俺より強いこの子が俺を呼び忠告なんてものをするのか。

「お前は一体……」
 なぜあの神のことまで知っている。なんで俺に忠告なんてものをする?

最後まで言葉に出なかった俺の言葉は、こころの中で発せられる。

「んーそうだねボクは君の中にいるってことぐらいかな? 今言えるのは、なぜ神のことを知っているのかについてだけどそれはボクも君の中で聞いていたからだよ? なぜ忠告するのかというと、ボクが君に死なれると困るからだよ」

 俺の中にいる?しかもこの世界に呼ばれる前神と会っているときからだと。そして俺が死ぬと困ること?
 俺の頭の中は混乱状態だ。だがそんなことを知らないとでもいうようなタイミングで、少女が口を開く。

「おっと、そろそろ君が目覚めるよ」

 現実の方で俺が目覚めるそうだ。こんな変なところからやっと出られる。

「変なとことはひどいな、でもまぁ、君はまたここに来るよ」
「できれば来たくないな、でも最後にどうせなら名前を知りたい」

 最後に質問を飛ばす。
 彼女はにっこり振り返りながら。そして俺を挑発するかのように言う。

「今の君には教えられないなぁーもっとボクにふさわしい人になってから聞きなよ」

 その言葉を最後に俺の意識は途切れた。
しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...