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一章 目覚めた死神姫
episode1 始まり
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パンパンと、火花の散る音。夜空に打ち上がる花火を見上げる少女。
「美味しい…。このお祭りの食べ物は格別ですねぇ~」
もぐもぐと屋台の食べ物を頬張る少女。深く被ったフードは、真昼なら不審がる人もいたかもしれないが、今日は、5英雄の誕生を祝う祭りであり、誰もが高ぶった面持ちで、そんな些細なことに気づかない。
「全く。人間共は愚かですね。国の上層に都合よく隠されている姫様を置いて、5英雄などと祭り上げるとは」
少女、吸血姫 白雪・A・アストレアの隣で心底恨みがましそうに殺気を漏れさす彼女の従者、ゼロ。
「ま、まぁまぁ…。ゼロ、殺気が出てますよ~?」
慌てて従者を宥める白雪だが、ゼロは不満顔だ。
「そろそろ帰りましょうか。紫苑達も待ってるでしょうし」
これ以上いたら何人か犠牲になりそうですし…。
「畏まりました」
ゼロはスっと礼をすると、そっと白雪の手を握って暗い路地裏に入っていった。
先程まで身近だった祭りの喧騒が遠い。
「ねえ、何故手を握るのですか?」
「姫様に危険が及んではいけないので」
不満そうに尋ねる白雪に飄々と答えるゼロ。
「私、こう見えて結構強いんですよ~?知ってますよね…?まあ、ゼロには適いませんけど……」
「はい、承知しておりますが、心配なものは心配なのです。せめて片手で俺に勝てるぐらいでないと安心はできませんね」
「それって何百年かかるんですか……」
そう言って諦めるように大人しく手を引かれる白雪。
「では、姫様しっかり捕まっていてくださいね」
フワリと白雪の身体が浮いて、すっぽりとゼロの腕の中に収まる。ーー所謂お姫様抱っこと言うやつだ。
すると、ゼロの背中から白い翼がばさりと現れ、そのまま空中に浮かび夜空にあがっていく。
「私だって飛べるのに…」
ボソリと呟いた白雪の言葉は誰に発したものでもなかったが、それは、耳ざとくもゼロに聞こえてしまったようで。
「姫様に危険が及んではいけないので」
先ほどと同じ言葉を返した。
「またそれですか」
むぅと、口を尖らせる白雪。その様子に微笑ましげな表情を浮かべるゼロには気づかないが。
......................................................
星々がきらめく夜空に浮かぶ巨大な孤島。〝空中庭園〟そこには、吸血姫の少女と、その少女を神と等しく、いやむしろ神より上として、慕う人外の者達が住んでいる。
彼女、白雪は、魔王討伐から5年、魔王の最後に放った魔法から仲間の英雄達を守るため矢面に立ち、大量に魔力を消耗し、深い眠りについていたが、一週間前、やっと目が覚めたのだった。
ゼロは、空中庭園の真ん中にそびえ立つ居城〝白夜城〟の前に降りると、そっと白雪を地に下ろす。
「お帰りなさいませ、姫様。ですが、私としては、目覚めたばかりですので、もっとゆっくりしてて欲しいのです」
そう言って降り立った白雪を出迎えたのは、背中にゼロと同じ白い羽を持つこれまたゼロと同じ熾天使の紫苑だ。緑髪に、黄緑色の目の美人で、ニコリと微笑む姿は女神のように美しい。
と、白雪は思っているが、実はそういう本人も無自覚だが、パサリと下ろしたフードから零れた緩くウェーブがかった銀髪は、月夜に輝いて美しく、大きな赤い目に、一つ一つのパーツが整い、それが完璧なバランスで並んでいる、紛うことなき美少女である。
「うう…そうなんですけど、やっぱり5年も経つと人間国が気になるというか…」
その隣に立つゼロもやはり美青年で、淡い水色の髪に、碧色の瞳で、通りかかった女性達は一人残らず振り向く。
「まあ、致し方ないですね。あ、それと……姫様にお客様がいらっしゃってします」
お客様、と言う割には嫌そうに語る紫苑に疑問を抱きつつ、白雪は応接室に向かった。
応接室の扉を開けた先にいたのは、ソファーに座った人間が治める大国、リーリア王国の王太子、《氷結の王子》の2つ名を持つ、
レオンハルト・エル・リーリアだった。金髪青眼で、いかにも王子様という容貌の美男子だ。しかし、やはり5年経ったのだろう。少年だった彼は青年になっていた。
「やあ、白雪ちゃん。……あんまり?変わらないね。やっと目覚めたとノヴァに聞いてね。早速来たよ」
「あなたはものすごく変わりましたねぇ…。それに、どうして祭りの張本人がこんなところにいるんですか…」
ヒラヒラと手を振ってくるレオンハルトに、呆れを多分に含ませたため息をつく白雪。
「それが、そんなことに構っていられないほどまずい事態でね」
まずい事態、という言葉に、まさか魔王が復活でもするのかと言いたげな白雪。立ちながら話しているのは、早く話を終わらせたいという意思表示なのだが、レオンハルトは、そんなこと全く気にもとめない。
そしてレオンハルトが述べたのはそんなことではなかった。
「実は明日から学園に通わせられるんだ…」
「は?」
「だから、学園に行かないといけないんだよ」
「それがどうかしたんですか?」
学園に通わないといけないことがなにがまずい事なんだろうかと若干いらだちを見せる白雪。
(からかってるんですかね?)
「ごめんごめん。別に、からかってる訳じゃないんだよ?あと、学園に通わないといけないのは、僕だけじゃなくて、白雪ちゃんもね。と言うか、巻き込まれたのは僕の方かなぁ」
「私?何故ですか??」
意味不明です。と顔にでる白雪。
「どうやら、今までお偉いさん達が必死に隠していた白雪ちゃんの存在が、どこからかは分からないけど漏れちゃったみたいでね。魔王を倒した英雄の1人を吸血鬼だからって理由で隠してたなんて知られちゃったら、国民から反発が出るのは想像出来るからね。
しかも、ほかの英雄を庇って魔法の直撃を受け、眠り続ける白雪ちゃんの話を聞いて、これ幸いと隠そうとしたからね。リーリア王国の学園に僕と一緒に通うことで、仲良いアピールと、学園という檻を使って白雪ちゃんを監視しようって名目さ。ああ、でも、学園を卒業するまで発表はしないみたい。因みに、今までは、白雪ちゃんは、事実通り魔王の魔法で眠りについていたって発表されるみたいだね」
長々と懇切丁寧に一部始終を語るレオンの話に、ゼロは憤慨し、紫苑はニコニコと笑いながら目が笑っていない。当の本人である白雪は、呆れ顔だ。
そのお偉いさんの1人である貴方が何を言っているのやら…。それに…
「そんなこと何故私が快く受け入れなければいけないのです?眠っていたというのは本当ですが、都合よく飼い慣らそうだなんて、馬鹿にするにもほどがありますねぇ。レオンがいなかったら、王国ごと灰に帰したのに…」
ポツリと呟いた最後の言葉はレオンは聞かなかったことにしたようだ。
「まあまあ、悪いことばかりでもないんだよ?僕と学園に通ってくれるなら、もれなく国一番の権力者(国王は除く)の新鮮な血が飲めたりするよ」
「つまり王族の血…ごくり」
先程まで絶対嫌だという感じだった白雪が一転して乗り気になる。
「因みに誰の血ですか?」
「それはもちろん僕だね。姉上達は他国に嫁いでいないし。国の体面を守るためとはいえ、僕は売られた気分だよ…」
はあ、と演技っぽく、(実際演技だろう)大袈裟に顔に手を当てるレオン。その仕草に白雪は内心イラッときたが、人間国の1番の大国であるリーリア王国の王太子の血は確かに気になった。
「え~。でも、別にそんなに面倒なことしなくても、血は取ろうと思えば取れるんですけどねぇ」
考え込む振りをしてからチラリとレオンを見やると、苦笑いを浮かべていた。
「まあ、戦闘になると面倒くさいのでやりませんが…。でも、あなた以外に王子はいないんですか?」
「いないことはないけど…。同じ学園に通うのは、僕と第二王子と、第三王子だけだし、魔力は俺が一番多いから、僕が一番美味しいと思ってるけど…」
吸血鬼にとっての血の味は、血を持つ者が口にしているものや、魔力の質や量で決まる。
「多いからって魔力の質が私に合わなかったら意味無いんですよ。一応聞いておきますけど、第二王子と第三王子は味見したらダメなんですか?」
「まあ、駄目なことはないと思うけどね…」
レオンは、なにか言いたそうにしていたが、それに白雪は気づかない。
「いつからです?」
「え?」
「だから、学園に通う日ですよ」
何やら考え事をしてたのか、反応が遅れるレオン。
「あ、ああ。できるだけ早くがいいかな」
「そうですか。なら今から行きましょう」
黒いゴスロリドレスをくるりと翻して、扉から出ていく白雪の後ろ姿を呆然と眺めていた。
「姫様!本当に行くのですか?!」
その背中をゼロが慌てて、紫苑が粛々と追いかけて行った。
「美味しい…。このお祭りの食べ物は格別ですねぇ~」
もぐもぐと屋台の食べ物を頬張る少女。深く被ったフードは、真昼なら不審がる人もいたかもしれないが、今日は、5英雄の誕生を祝う祭りであり、誰もが高ぶった面持ちで、そんな些細なことに気づかない。
「全く。人間共は愚かですね。国の上層に都合よく隠されている姫様を置いて、5英雄などと祭り上げるとは」
少女、吸血姫 白雪・A・アストレアの隣で心底恨みがましそうに殺気を漏れさす彼女の従者、ゼロ。
「ま、まぁまぁ…。ゼロ、殺気が出てますよ~?」
慌てて従者を宥める白雪だが、ゼロは不満顔だ。
「そろそろ帰りましょうか。紫苑達も待ってるでしょうし」
これ以上いたら何人か犠牲になりそうですし…。
「畏まりました」
ゼロはスっと礼をすると、そっと白雪の手を握って暗い路地裏に入っていった。
先程まで身近だった祭りの喧騒が遠い。
「ねえ、何故手を握るのですか?」
「姫様に危険が及んではいけないので」
不満そうに尋ねる白雪に飄々と答えるゼロ。
「私、こう見えて結構強いんですよ~?知ってますよね…?まあ、ゼロには適いませんけど……」
「はい、承知しておりますが、心配なものは心配なのです。せめて片手で俺に勝てるぐらいでないと安心はできませんね」
「それって何百年かかるんですか……」
そう言って諦めるように大人しく手を引かれる白雪。
「では、姫様しっかり捕まっていてくださいね」
フワリと白雪の身体が浮いて、すっぽりとゼロの腕の中に収まる。ーー所謂お姫様抱っこと言うやつだ。
すると、ゼロの背中から白い翼がばさりと現れ、そのまま空中に浮かび夜空にあがっていく。
「私だって飛べるのに…」
ボソリと呟いた白雪の言葉は誰に発したものでもなかったが、それは、耳ざとくもゼロに聞こえてしまったようで。
「姫様に危険が及んではいけないので」
先ほどと同じ言葉を返した。
「またそれですか」
むぅと、口を尖らせる白雪。その様子に微笑ましげな表情を浮かべるゼロには気づかないが。
......................................................
星々がきらめく夜空に浮かぶ巨大な孤島。〝空中庭園〟そこには、吸血姫の少女と、その少女を神と等しく、いやむしろ神より上として、慕う人外の者達が住んでいる。
彼女、白雪は、魔王討伐から5年、魔王の最後に放った魔法から仲間の英雄達を守るため矢面に立ち、大量に魔力を消耗し、深い眠りについていたが、一週間前、やっと目が覚めたのだった。
ゼロは、空中庭園の真ん中にそびえ立つ居城〝白夜城〟の前に降りると、そっと白雪を地に下ろす。
「お帰りなさいませ、姫様。ですが、私としては、目覚めたばかりですので、もっとゆっくりしてて欲しいのです」
そう言って降り立った白雪を出迎えたのは、背中にゼロと同じ白い羽を持つこれまたゼロと同じ熾天使の紫苑だ。緑髪に、黄緑色の目の美人で、ニコリと微笑む姿は女神のように美しい。
と、白雪は思っているが、実はそういう本人も無自覚だが、パサリと下ろしたフードから零れた緩くウェーブがかった銀髪は、月夜に輝いて美しく、大きな赤い目に、一つ一つのパーツが整い、それが完璧なバランスで並んでいる、紛うことなき美少女である。
「うう…そうなんですけど、やっぱり5年も経つと人間国が気になるというか…」
その隣に立つゼロもやはり美青年で、淡い水色の髪に、碧色の瞳で、通りかかった女性達は一人残らず振り向く。
「まあ、致し方ないですね。あ、それと……姫様にお客様がいらっしゃってします」
お客様、と言う割には嫌そうに語る紫苑に疑問を抱きつつ、白雪は応接室に向かった。
応接室の扉を開けた先にいたのは、ソファーに座った人間が治める大国、リーリア王国の王太子、《氷結の王子》の2つ名を持つ、
レオンハルト・エル・リーリアだった。金髪青眼で、いかにも王子様という容貌の美男子だ。しかし、やはり5年経ったのだろう。少年だった彼は青年になっていた。
「やあ、白雪ちゃん。……あんまり?変わらないね。やっと目覚めたとノヴァに聞いてね。早速来たよ」
「あなたはものすごく変わりましたねぇ…。それに、どうして祭りの張本人がこんなところにいるんですか…」
ヒラヒラと手を振ってくるレオンハルトに、呆れを多分に含ませたため息をつく白雪。
「それが、そんなことに構っていられないほどまずい事態でね」
まずい事態、という言葉に、まさか魔王が復活でもするのかと言いたげな白雪。立ちながら話しているのは、早く話を終わらせたいという意思表示なのだが、レオンハルトは、そんなこと全く気にもとめない。
そしてレオンハルトが述べたのはそんなことではなかった。
「実は明日から学園に通わせられるんだ…」
「は?」
「だから、学園に行かないといけないんだよ」
「それがどうかしたんですか?」
学園に通わないといけないことがなにがまずい事なんだろうかと若干いらだちを見せる白雪。
(からかってるんですかね?)
「ごめんごめん。別に、からかってる訳じゃないんだよ?あと、学園に通わないといけないのは、僕だけじゃなくて、白雪ちゃんもね。と言うか、巻き込まれたのは僕の方かなぁ」
「私?何故ですか??」
意味不明です。と顔にでる白雪。
「どうやら、今までお偉いさん達が必死に隠していた白雪ちゃんの存在が、どこからかは分からないけど漏れちゃったみたいでね。魔王を倒した英雄の1人を吸血鬼だからって理由で隠してたなんて知られちゃったら、国民から反発が出るのは想像出来るからね。
しかも、ほかの英雄を庇って魔法の直撃を受け、眠り続ける白雪ちゃんの話を聞いて、これ幸いと隠そうとしたからね。リーリア王国の学園に僕と一緒に通うことで、仲良いアピールと、学園という檻を使って白雪ちゃんを監視しようって名目さ。ああ、でも、学園を卒業するまで発表はしないみたい。因みに、今までは、白雪ちゃんは、事実通り魔王の魔法で眠りについていたって発表されるみたいだね」
長々と懇切丁寧に一部始終を語るレオンの話に、ゼロは憤慨し、紫苑はニコニコと笑いながら目が笑っていない。当の本人である白雪は、呆れ顔だ。
そのお偉いさんの1人である貴方が何を言っているのやら…。それに…
「そんなこと何故私が快く受け入れなければいけないのです?眠っていたというのは本当ですが、都合よく飼い慣らそうだなんて、馬鹿にするにもほどがありますねぇ。レオンがいなかったら、王国ごと灰に帰したのに…」
ポツリと呟いた最後の言葉はレオンは聞かなかったことにしたようだ。
「まあまあ、悪いことばかりでもないんだよ?僕と学園に通ってくれるなら、もれなく国一番の権力者(国王は除く)の新鮮な血が飲めたりするよ」
「つまり王族の血…ごくり」
先程まで絶対嫌だという感じだった白雪が一転して乗り気になる。
「因みに誰の血ですか?」
「それはもちろん僕だね。姉上達は他国に嫁いでいないし。国の体面を守るためとはいえ、僕は売られた気分だよ…」
はあ、と演技っぽく、(実際演技だろう)大袈裟に顔に手を当てるレオン。その仕草に白雪は内心イラッときたが、人間国の1番の大国であるリーリア王国の王太子の血は確かに気になった。
「え~。でも、別にそんなに面倒なことしなくても、血は取ろうと思えば取れるんですけどねぇ」
考え込む振りをしてからチラリとレオンを見やると、苦笑いを浮かべていた。
「まあ、戦闘になると面倒くさいのでやりませんが…。でも、あなた以外に王子はいないんですか?」
「いないことはないけど…。同じ学園に通うのは、僕と第二王子と、第三王子だけだし、魔力は俺が一番多いから、僕が一番美味しいと思ってるけど…」
吸血鬼にとっての血の味は、血を持つ者が口にしているものや、魔力の質や量で決まる。
「多いからって魔力の質が私に合わなかったら意味無いんですよ。一応聞いておきますけど、第二王子と第三王子は味見したらダメなんですか?」
「まあ、駄目なことはないと思うけどね…」
レオンは、なにか言いたそうにしていたが、それに白雪は気づかない。
「いつからです?」
「え?」
「だから、学園に通う日ですよ」
何やら考え事をしてたのか、反応が遅れるレオン。
「あ、ああ。できるだけ早くがいいかな」
「そうですか。なら今から行きましょう」
黒いゴスロリドレスをくるりと翻して、扉から出ていく白雪の後ろ姿を呆然と眺めていた。
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