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一章 目覚めた死神姫
episode16 意外な対面
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あれから3日経ったが、白雪はまだ目覚めていない。
身体強化をしなければ本来身体の弱い白雪は、骨が何本も折れるような怪我をすれば、普通は死んでいる。(人間ならとっくに死んでいる。レオンは除く)
だが、吸血鬼の真祖(純血の吸血鬼)である白雪は、飲んだ血から多少の力を摂取することができ、回復力が上がっていた事によって事なきを得た。最近に飲んだノヴァの血が作用したようだった。
そうして、怪我はノヴァの治癒魔法で完全に治った白雪だったが、魔力枯渇の症状や、身体的な体力面が回復しておらず、まだ寝込んでいる。
そんな白雪を見ながら、白い肌に完璧に整った容貌は、まるで人形のようで、本当は死んでいないかと不安になっていたレオン。
あれから3日間、レオンがやらなければいけない執務をいつもより半分の時間で終わらせ、毎日通っていた。
ー次の日ー
「……ぅ……ん…」
ゆっくりと、銀色の長いまつ毛に象られた目を開く。体調不良のせいで、元々白いのに、さらに白くなった白雪の肌と深紅の目のコントラストは、芸術品のようだ。
「……ここは…」
ゆっくりと上体を起こし、きょろきょろと周りを確認する。
(そうだ。私、あの変な人にやられて…。魔力枯渇になったんでした…。魔力は回復してるけど、身体強化を解いて戦っちゃったから…身体がすごく重い)
持ち上げた手は、力があまり入らず、ふるふると震える。その様子に眉を顰めた白雪は、足を布団から出すと、ベッドから床へ降ろす。
白雪の着ているのは、膝上までで、レースやリボンがふんだんに使われた真っ白なネグリジェだ。銀髪に白い肌をしている白雪が、唯一色を持つのは目だけで、朝日が当たって髪が光を反射する様は本当に美しい。
「……あれからどうなったのか、聞かないとですね…」
消えた生徒達や、自分たちに偽物の生命の目録を渡した人物や、あの黒い男。聞きたいことが山ほどある白雪は、床に足をつけると、置いてあった白いパンプスを履いて、部屋のドアを開けた。
「ここは……お城…」
隣にあるレオンの部屋からは気配が感じられず、仕方なく廊下を歩き出す。まだ足元が覚束ず、フラフラとしてしまうので、壁に手をつけながら歩く。
(城に人が多すぎてどれがレオンか分からないですね…)
「はぁ……」
疲れてきた白雪は、一旦止まって大勢を立て直すと、ちょうど近づいてくる気配に聞いてみようと思った。
向こう側から歩いてきたのは、ガタイのいい、赤色の髪をしたレオンと同い年くらいの青年。
「あのぉ…」
「ん?」
おずおずと声をかけると、青年は白雪を見たが、固まってしまった。
「お前…、白?」
「?って、もしかして…。エルドさん…?」
3人目の英雄、《豪傑の覇者》の2つ名を持つ、ドワーフ エルド・ライアン。
(そっか。寿命が長いドワーフでも、20歳までは成長するんでしたっけ。道理で変わっていて分からないはずですね)
5年前、白雪が最後に見たエルドは、背も今ほど高くなく、白雪より少し大きいかぐらいだったが、今では白雪より頭1個半分ほどでかい。
「……変わりましたねぇ…」
「お前も変わったな…」
と、完全に胸を凝視して言うエルド。実は5年前の白雪はまだ発展途上だったため、ほとんどなかった。
「どこ見て言ってんですか………。そうだ、レオンがどこにいるのか、知りませんか?」
「レオン?ああ、あいつなら鍛錬場で兵と一緒に訓練してるはずだ」
「そう、ですか…。では」
ぺこりと頭を下げて壁伝いに鍛錬場へ向かおうとする白雪に、エルドが慌てて駆け寄る。
「その格好でか…?」
「着替えるのも面倒ですので」
「…はぁ。わぁったよ。連れてってやる。そんなフラフラしてたら放っとけねぇっての!」
「ひゃっ!!」
ガシガシと頭をかいたエルドは、下からフワリと白雪を持ち上げると、自分の広い肩の上に置いた。
「……ありがとうございます」
「おう」
そのまま、1階の城の裏手にある兵たちの鍛錬場へ向かう。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
お気に入り登録してくれた方が当初思っていたより沢山!!
ありがとうございます!
身体強化をしなければ本来身体の弱い白雪は、骨が何本も折れるような怪我をすれば、普通は死んでいる。(人間ならとっくに死んでいる。レオンは除く)
だが、吸血鬼の真祖(純血の吸血鬼)である白雪は、飲んだ血から多少の力を摂取することができ、回復力が上がっていた事によって事なきを得た。最近に飲んだノヴァの血が作用したようだった。
そうして、怪我はノヴァの治癒魔法で完全に治った白雪だったが、魔力枯渇の症状や、身体的な体力面が回復しておらず、まだ寝込んでいる。
そんな白雪を見ながら、白い肌に完璧に整った容貌は、まるで人形のようで、本当は死んでいないかと不安になっていたレオン。
あれから3日間、レオンがやらなければいけない執務をいつもより半分の時間で終わらせ、毎日通っていた。
ー次の日ー
「……ぅ……ん…」
ゆっくりと、銀色の長いまつ毛に象られた目を開く。体調不良のせいで、元々白いのに、さらに白くなった白雪の肌と深紅の目のコントラストは、芸術品のようだ。
「……ここは…」
ゆっくりと上体を起こし、きょろきょろと周りを確認する。
(そうだ。私、あの変な人にやられて…。魔力枯渇になったんでした…。魔力は回復してるけど、身体強化を解いて戦っちゃったから…身体がすごく重い)
持ち上げた手は、力があまり入らず、ふるふると震える。その様子に眉を顰めた白雪は、足を布団から出すと、ベッドから床へ降ろす。
白雪の着ているのは、膝上までで、レースやリボンがふんだんに使われた真っ白なネグリジェだ。銀髪に白い肌をしている白雪が、唯一色を持つのは目だけで、朝日が当たって髪が光を反射する様は本当に美しい。
「……あれからどうなったのか、聞かないとですね…」
消えた生徒達や、自分たちに偽物の生命の目録を渡した人物や、あの黒い男。聞きたいことが山ほどある白雪は、床に足をつけると、置いてあった白いパンプスを履いて、部屋のドアを開けた。
「ここは……お城…」
隣にあるレオンの部屋からは気配が感じられず、仕方なく廊下を歩き出す。まだ足元が覚束ず、フラフラとしてしまうので、壁に手をつけながら歩く。
(城に人が多すぎてどれがレオンか分からないですね…)
「はぁ……」
疲れてきた白雪は、一旦止まって大勢を立て直すと、ちょうど近づいてくる気配に聞いてみようと思った。
向こう側から歩いてきたのは、ガタイのいい、赤色の髪をしたレオンと同い年くらいの青年。
「あのぉ…」
「ん?」
おずおずと声をかけると、青年は白雪を見たが、固まってしまった。
「お前…、白?」
「?って、もしかして…。エルドさん…?」
3人目の英雄、《豪傑の覇者》の2つ名を持つ、ドワーフ エルド・ライアン。
(そっか。寿命が長いドワーフでも、20歳までは成長するんでしたっけ。道理で変わっていて分からないはずですね)
5年前、白雪が最後に見たエルドは、背も今ほど高くなく、白雪より少し大きいかぐらいだったが、今では白雪より頭1個半分ほどでかい。
「……変わりましたねぇ…」
「お前も変わったな…」
と、完全に胸を凝視して言うエルド。実は5年前の白雪はまだ発展途上だったため、ほとんどなかった。
「どこ見て言ってんですか………。そうだ、レオンがどこにいるのか、知りませんか?」
「レオン?ああ、あいつなら鍛錬場で兵と一緒に訓練してるはずだ」
「そう、ですか…。では」
ぺこりと頭を下げて壁伝いに鍛錬場へ向かおうとする白雪に、エルドが慌てて駆け寄る。
「その格好でか…?」
「着替えるのも面倒ですので」
「…はぁ。わぁったよ。連れてってやる。そんなフラフラしてたら放っとけねぇっての!」
「ひゃっ!!」
ガシガシと頭をかいたエルドは、下からフワリと白雪を持ち上げると、自分の広い肩の上に置いた。
「……ありがとうございます」
「おう」
そのまま、1階の城の裏手にある兵たちの鍛錬場へ向かう。
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