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決意と揺らぎ…そして
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どうすればいいのだろう…
私は何日も何日も考え…家を出ていくことにしました
それでも…時折馬車から見る街で、5歳の子供が生きていけるはずない事はわかります
だから、学園に入る前に家を出よう
それまでは沢山勉強をして、一人で生きていくんだ‼︎
そう決めました
それからは早かったです
週に一度、決まった日の王宮へ行く日以外は書庫に籠り、家庭教師がついてからも、空いた時間は書庫で知識を貯めていました
王宮へ行き、フィス様とお会いしても、前のように喜べません
いつも、あの言葉が蘇り、フィス様のこの優しさも、全て失うのだ…そう、考えてしまうのです
「どうしたんだい?」
優しく聞いてくださるフィス様に、私は全てを話してしまいたくなります
「…いえ、なんでもありません…」
けれど、言えませんでした
私はフィス様のお顔を見れず、膝に置いた自身の手を見つめました
ある時、フィス様が私を前に乗せ、遠出に連れて行ってくださいました
フィス様の愛馬、ロンテーヌはとても艶やかな美しい白馬です
気性も穏やかで、私にも甘えてくれました
とても可愛らしいと思いました
とても楽しくて、初めての馬上での美しい景色と爽やかな風、とても感動しました
けれど…やはりあの夢の言葉がよぎり、スッと頭が冷めるのです
フィス様の優しさも、この温かい腕も、こんな穏やかな時間も、いつかは『ヒロイン』のものになってしまうのだと
なのに…不毛だとわかっているのに…私はフィス様をお慕いしてしまったのです…
この先にあるのは断罪、決してお側にある事は叶わない
そう、わかっているはずなのに…私は馬鹿です
その先に断罪であってもいい、少しでも長くお側にありたい
むしろ、こんな気持ちを抱え生きていくくらいならば、フィス様に断罪された方がマシだと
そう思ってしまったのです…
そして馬鹿な私は、その先に断罪があると分かりながら、13の春、学園へ入学しました
私は何日も何日も考え…家を出ていくことにしました
それでも…時折馬車から見る街で、5歳の子供が生きていけるはずない事はわかります
だから、学園に入る前に家を出よう
それまでは沢山勉強をして、一人で生きていくんだ‼︎
そう決めました
それからは早かったです
週に一度、決まった日の王宮へ行く日以外は書庫に籠り、家庭教師がついてからも、空いた時間は書庫で知識を貯めていました
王宮へ行き、フィス様とお会いしても、前のように喜べません
いつも、あの言葉が蘇り、フィス様のこの優しさも、全て失うのだ…そう、考えてしまうのです
「どうしたんだい?」
優しく聞いてくださるフィス様に、私は全てを話してしまいたくなります
「…いえ、なんでもありません…」
けれど、言えませんでした
私はフィス様のお顔を見れず、膝に置いた自身の手を見つめました
ある時、フィス様が私を前に乗せ、遠出に連れて行ってくださいました
フィス様の愛馬、ロンテーヌはとても艶やかな美しい白馬です
気性も穏やかで、私にも甘えてくれました
とても可愛らしいと思いました
とても楽しくて、初めての馬上での美しい景色と爽やかな風、とても感動しました
けれど…やはりあの夢の言葉がよぎり、スッと頭が冷めるのです
フィス様の優しさも、この温かい腕も、こんな穏やかな時間も、いつかは『ヒロイン』のものになってしまうのだと
なのに…不毛だとわかっているのに…私はフィス様をお慕いしてしまったのです…
この先にあるのは断罪、決してお側にある事は叶わない
そう、わかっているはずなのに…私は馬鹿です
その先に断罪であってもいい、少しでも長くお側にありたい
むしろ、こんな気持ちを抱え生きていくくらいならば、フィス様に断罪された方がマシだと
そう思ってしまったのです…
そして馬鹿な私は、その先に断罪があると分かりながら、13の春、学園へ入学しました
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