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婚約者〜ローレンフィス
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私はレンディス王国第二王子、ローレンフィス・グロード・レンディス
私には2歳年下の婚約者がいる
黒い髪に赤い瞳をしたまだ幼い少女
名はメイリーン・ヴィルズ
彼女は父上が決めた婚約者だ
ただそれだけだった
変わったのは何の変哲もないある日の事だった
いつもはよく王宮へ来ていた彼女はある日を境に週に一度の決められた日以外来なくなった
会っても、前のようには笑わなくなった
「どうしたんだい?」
そう聞いても彼女はどこか悲し気に
「…いえ、なんでもありません…」
そう言って微笑んだ
その笑みは以前の子供らしい笑みなどではない、憂いを帯びたような笑みだった
調べさせても、なんの手掛かりもなく、ただ高熱で寝込んでから彼女は変わったようだった
私は彼女の、メリィの以前のような笑みを見たいと思うようになった
彼女の好きな薔薇園に連れて行きお茶をしたり、少し遠出だが、愛馬のロンテーヌに乗せ、私のお気に入りの景色を見せた
とても綺麗な景色にきっと彼女も笑ってくれる
そう思ったのだ
だが、彼女は以前のように笑うどころか、より憂いを帯びるようになった
どうすれば彼女は笑うようになるだろうか?
何を憂いているのか、どうしたら教えてくれるのだろうか?
私にできる事はあるのだろうか?
そう思うけれど、無理に聞こうとは思わない
時にそれはより人を傷つけるだけだ
ならば私は彼女が自ずから語ってくれる事を待とう
私には2歳年下の婚約者がいる
黒い髪に赤い瞳をしたまだ幼い少女
名はメイリーン・ヴィルズ
彼女は父上が決めた婚約者だ
ただそれだけだった
変わったのは何の変哲もないある日の事だった
いつもはよく王宮へ来ていた彼女はある日を境に週に一度の決められた日以外来なくなった
会っても、前のようには笑わなくなった
「どうしたんだい?」
そう聞いても彼女はどこか悲し気に
「…いえ、なんでもありません…」
そう言って微笑んだ
その笑みは以前の子供らしい笑みなどではない、憂いを帯びたような笑みだった
調べさせても、なんの手掛かりもなく、ただ高熱で寝込んでから彼女は変わったようだった
私は彼女の、メリィの以前のような笑みを見たいと思うようになった
彼女の好きな薔薇園に連れて行きお茶をしたり、少し遠出だが、愛馬のロンテーヌに乗せ、私のお気に入りの景色を見せた
とても綺麗な景色にきっと彼女も笑ってくれる
そう思ったのだ
だが、彼女は以前のように笑うどころか、より憂いを帯びるようになった
どうすれば彼女は笑うようになるだろうか?
何を憂いているのか、どうしたら教えてくれるのだろうか?
私にできる事はあるのだろうか?
そう思うけれど、無理に聞こうとは思わない
時にそれはより人を傷つけるだけだ
ならば私は彼女が自ずから語ってくれる事を待とう
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