不思議な夢を見ました〜未来が怖いので王子から逃げようと思ったのですが…

レイティア

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運命は変わる

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パーティーももう終わるでしょうという頃、私は突然フィス様に腰を抱き寄せられました

右手にはジュースの入ったグラスを持っていたので、左側とはいえフィス様にかかっていないか焦ってしまいました

何より何故いきなり?

と思いましたが、理由はすぐに分かりました

私の隣から、ドサッ‼︎という音がしたからです

そちらに目を向けると、そこにはニーイア様が倒れ込み、涙ぐんで私を見上げていました

そして

「ひどいです!何もしてないのに突き飛ばすなんて…‼︎」

と、いつものようにいきなり叫び出されました

いえ、あの突き飛ばすのは不可能かと…

そう言おうとしたのですが、それより早くフィス様が口を開かれました

「へぇ、メリィが君を突き飛ばしたと?」

とてもニコニコしているのですが、何故かその背後にはブリザードの幻影が見えるのは何故でしょう

「そうです‼︎」

我が意を得たり、と言わんばかりにおっしゃるニーイア様

ニーイア様にはこのブリザードが見えていないのでしょうか?

周りはパーティーの参加者の方々に囲われ、皆さん顔が青ざめているのでこの幻覚は私だけではないと思うのですが

周囲に視線を巡らせ、ニーイア様に視線を戻した時、たった一瞬でしたのに、いつの間にか立ち上がったニーイア様は、胸の前でまるで胸を強調するように手を握り、目を潤ませています

私はサッと自分の胸元を見て、少し悲しくなりました…

…私も…あれくらい…


「右手にはグラスを持って、左は私が抱き寄せて密着してたのにかい?
どうやって君を突き飛ばしたんだろうね?」
「え?そ、それは…」

ニコニコするフィス様にニーイア様はたじろぎます

私はそれよりも自身の大きさに泣きたくなってきました

私は大きいとはいけませんが、ちゃんとありますけどね?

『まな板』と呼ばれるものではありませんよ⁈

本当ですからね⁇


「リリン・ニーイア、君は随分と私の愛しいメリィに濡れ着を着せてくれたね?
色々調べさせてもらったよ?」
「っ!」

もうフィス様のお顔に笑みはありません

ニーイア様も苦々しく私を睨んでいます


ここで冒頭に戻ったわけですが…

本当、何故こうなったのでしょう…⁇

フィス様が少女の腰を抱き、1人の令嬢を睨みつける

それは夢で見た『乙女ゲーム』なるものと同じです

ですが…何故抱かれているのは『悪役令嬢』である私、メイリーン・ウィルズで、睨まれているのは『ヒロイン』のはずのリリン・ニーイア様なのでしょうか?

断罪されるのは私のはずでは…⁇


そもそも断罪すら起きないと思っていたのですが…
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