小話

レイティア

文字の大きさ
1 / 3

細波家 壱

しおりを挟む
「由輝?」
「…ぇ…」

学校からの帰り道、恋人と友人2人と歩いていたところ、聞き覚えのある声に振り返ると、そこには母がいた

母は俺と手を繋ぐ恋人、佐藤 竜郎の顔を見た後、困ったように

「…今、帰り?
こんにちは、由輝春の母です」

前半は俺に、後半は竜郎達に向けて言った

「あ、こんにちは
深田っていいます」
「こんにちは…猫山です」
「はじめまして、佐藤です」

佐藤達も軽く頭を下げて挨拶を返す

「由輝春と仲良くしてくれてありがとね
由輝春、お母さん先に帰ってるけど、気をつけて帰ってくるのよ
それじゃあ、皆んなも気をつけてね」

竜郎を気にしながら母さんは帰って行った
母さんが俺を由輝春と呼ぶのは、真剣な時か、怒っている時だ

「…」
「だ、大丈夫?ユキちゃん」

いつもはおちゃらけた感じの深田が、気遣わしげに言う
猫山も心配そうに見てくるし、竜郎は握った手に優しく力を入れる

「…大丈夫だ…うん、大丈夫…」
「ユキ君、ずっと一緒」
「俺もだ」
「僕も」
「…フッ…うん」

俺は皆んなの言葉に力を抜いて笑ってみせた
ちゃんと、話をしないとな




家を前に、俺は深呼吸をした

元々家は別に仲が悪いわけじゃない
むしろ、両親は子煩悩な方で、すごく大切にしてくれてる
ただ…俺が…男を好きだと自覚した時、2人にどう接していいのか分からなくなっただけ
自分はおかしいんだと思ってしまった
自分が恥ずかしくて、勝手に避けていた

でも、竜郎を好きになって、俺からの好意に気づいても気持ち悪がらずに、それどころか、竜郎は俺を好きだと告白してくれた
「好き」って言ってくれた竜郎の為にも、ちゃんと母さん達とも話そうと思った

認められないかもしれない、気持ち悪がられるかもしれない
けど、大好きな竜郎を、大事な両親に認めて欲しいって思ってしまったから

だから、ちゃんと向き合おう
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

『定時後の偶然が多すぎる』

こさ
BL
定時後に残業をするたび、 なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。 仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。 必要以上に踏み込まず、距離を保つ人―― それが、彼の上司だった。 ただの偶然。 そう思っていたはずなのに、 声をかけられる回数が増え、 視線が重なる時間が長くなっていく。 「無理はするな」 それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、 彼自身はまだ知らない。 これは、 気づかないふりをする上司と、 勘違いだと思い込もうとする部下が、 少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。 静かで、逃げ場のない溺愛が、 定時後から始まる。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

熱中症

こじらせた処女
BL
会社で熱中症になってしまった木野瀬 遼(きのせ りょう)(26)は、同居人で恋人でもある八瀬希一(やせ きいち)(29)に迎えに来てもらおうと電話するが…?

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

処理中です...