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細波家 弐
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ガチャ
「た、ただいま」
心臓がバクバクいう
喉がカラカラだ
「…おかえり、由輝春
…由輝春、少しお母さんとお話ししない?」
母さんは玄関まで来て、困ったような顔で言った
「…うん」
話すって決めたのに、いざ目の前にすると、なんて言えばいいのか分からない
「…」
「…」
ダイニングテーブルで向かいあい、お互い沈黙の時間がどれほどすぎたか、先に口を開いたのは母さんだった
「お友達、皆んないい子そうだったね」
「…うん、自慢の友達だよ」
「そう…あなたがそんなふうに言うなんて、初めてね
きっととてもいい子達なのね」
「うん、すごく…大事な友達」
「……あの、手を繋いでた子も、友達?」
ドクン
母さんの言葉に心臓が跳ねる
でも、言うんだ
「…う、ううん…あの人は…こい、びと…だよ…」
喉がカラカラだ
こんなにドキドキしたのは、初めてかもしれない
「…そう」
母さんは悲しそうに目を伏せた
「ぁ…」
胸がぎゅぅっと掴まれたかと思った
何か言わないと…そう思うのに、声が出ない
覚悟していたけど、苦しかった
俺は唇をかみ俯いた
「…」
「…」
またも沈黙を破ったの母さんだった
「ねぇ、由輝春…正直に答えて欲しいの
由輝春は…男の子が好きなの?それとも、心が女の子なの?」
「…おれ、は…男が、好きだよ
でも、心も…男だよ…」
母さんが何を思ってこんな質問をするのかわからなかった
ただ、俺は母さんを、裏切ってしまったと思った
悲しませてしまっていると
でも、母さんは
「そう…よかったぁ」
安心したようにそう言って微笑んだ
「え?」
俺は何が何だかよく分からず、ニコニコしている母さんの顔を見た
「…よかったって…どういうこと?」
「…お母さん、小さい頃は男の子の好きそうなかっこいい服ばかり着せていたでしょ?
もしかして、ずっと我慢させて、苦しめてたんじゃないかって
でも、そうじゃないならよかった」
「…」
「…ねぇ、由輝。今、幸せ?」
「…ゔん…」
俺は母さんの言葉に堪えきれず涙をこぼした
母さんは俺の頭を撫でながら「よかった」と微笑んでいた
しばらくして、ようやく涙が止まると、母さんが濡れたタオルを渡してくれた
母さんはさっきと打って変わって、ウキウキした表情だ
「?」
俺はそんな母さんの様子に首を傾げながら、冷めたお茶を口にした、その時
「ねぇ、恋人君とはどこで出会ったの?」
「ぶっ‼︎」
突然の質問に吹き出した
それからは根掘り葉掘り聞かれた
どうやら、子供と恋バナをするのが夢だったらしい
でもまぁ、母さんとこんな話をするのはめちゃくちゃ恥ずかしいけど…なんだか、あったかい気持ちになった
「た、ただいま」
心臓がバクバクいう
喉がカラカラだ
「…おかえり、由輝春
…由輝春、少しお母さんとお話ししない?」
母さんは玄関まで来て、困ったような顔で言った
「…うん」
話すって決めたのに、いざ目の前にすると、なんて言えばいいのか分からない
「…」
「…」
ダイニングテーブルで向かいあい、お互い沈黙の時間がどれほどすぎたか、先に口を開いたのは母さんだった
「お友達、皆んないい子そうだったね」
「…うん、自慢の友達だよ」
「そう…あなたがそんなふうに言うなんて、初めてね
きっととてもいい子達なのね」
「うん、すごく…大事な友達」
「……あの、手を繋いでた子も、友達?」
ドクン
母さんの言葉に心臓が跳ねる
でも、言うんだ
「…う、ううん…あの人は…こい、びと…だよ…」
喉がカラカラだ
こんなにドキドキしたのは、初めてかもしれない
「…そう」
母さんは悲しそうに目を伏せた
「ぁ…」
胸がぎゅぅっと掴まれたかと思った
何か言わないと…そう思うのに、声が出ない
覚悟していたけど、苦しかった
俺は唇をかみ俯いた
「…」
「…」
またも沈黙を破ったの母さんだった
「ねぇ、由輝春…正直に答えて欲しいの
由輝春は…男の子が好きなの?それとも、心が女の子なの?」
「…おれ、は…男が、好きだよ
でも、心も…男だよ…」
母さんが何を思ってこんな質問をするのかわからなかった
ただ、俺は母さんを、裏切ってしまったと思った
悲しませてしまっていると
でも、母さんは
「そう…よかったぁ」
安心したようにそう言って微笑んだ
「え?」
俺は何が何だかよく分からず、ニコニコしている母さんの顔を見た
「…よかったって…どういうこと?」
「…お母さん、小さい頃は男の子の好きそうなかっこいい服ばかり着せていたでしょ?
もしかして、ずっと我慢させて、苦しめてたんじゃないかって
でも、そうじゃないならよかった」
「…」
「…ねぇ、由輝。今、幸せ?」
「…ゔん…」
俺は母さんの言葉に堪えきれず涙をこぼした
母さんは俺の頭を撫でながら「よかった」と微笑んでいた
しばらくして、ようやく涙が止まると、母さんが濡れたタオルを渡してくれた
母さんはさっきと打って変わって、ウキウキした表情だ
「?」
俺はそんな母さんの様子に首を傾げながら、冷めたお茶を口にした、その時
「ねぇ、恋人君とはどこで出会ったの?」
「ぶっ‼︎」
突然の質問に吹き出した
それからは根掘り葉掘り聞かれた
どうやら、子供と恋バナをするのが夢だったらしい
でもまぁ、母さんとこんな話をするのはめちゃくちゃ恥ずかしいけど…なんだか、あったかい気持ちになった
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