死に戻り悪役令息は二人の恋を応援…するはずだった…。

ましろ

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一章

叔父さん

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「てか、俺のこと忘れてない!?完全に2人の世界に入ってるんですけど!?」

急に叔父が叫んだ。

(声が大きい。)

気に入った相手に優しいとよく言われるーと同時に、嫌っている相手には〃無〃だということもよく言われる。

「トワ様~!そろそろあいつの所に行かないと駄目じゃないですかぁ~?

ちょっと面倒です…。

リュカ様、僕、ノアって言うんですけど、もう僕と一緒に働きませんかぁ?」

「そもそも、何で殿下のところへ行くの?トワちゃんが行きたいなら良いけど…。リュカ、ノアちゃんと働きたい。

ノアちゃんの話してる感じではリュカ、〃あいつ〃?の所で働かないと行けない感じだよね?嫌だなぁ。」

何だか2人とも殿下に会いたくないと顔に出ている。

「トワちゃん…叔父さんのことは置いて殿下のとこに行っておいでよ。あ、俺は絶対に行かないからな!」

何で皆殿下に会いたくないんだろうか…?

叔父さんやノアはともかく、リュカに至ってはまだ会ったこともないというのに。

「叔父さんの言う通りにします。別に叔父さんに言われたからするわけじゃないですよ!僕が殿下に会いたいだけなんですから!」

「ツンデレか?でも相変わらず殿下に対してはデレっデレだな…。

ーまぁ、トワちゃんに殺されてもおかしくないぐらい酷いことをしたんだ。会話してくれるだけありがたいよ。」

酷いことーそれは、虐待されていたことに気付いていたが、無視していたことだ。 加担はしなかった。

「恨む」というよりは、「怖い」という感情の方が大きい。

ー気付いたら手足が震えていた。

(とにかく早くこの場から去りたい)

「……ノア、リュカ、行こう。」

「トワちゃん!」

2人の手を引いて、その場を去ろう…とした瞬間、叔父に腕を掴まれた。
動揺を相手に悟られないようにして振り返る。

「…な、何ですか?」

「トワちゃん。本当にごめん。謝ったところで許されるものじゃないってことは分かってる。」

そう言い、掴んだ腕を離す。

「………………」

「本当にごめん。その子を見たとき、トワちゃんと重ねてたんだ。今度こそは助けてあげたいって、見捨てたくない、って思って。」

叔父は目の前で泣きながら土下座をした。

「本当にごめん。ごめん。謝っても許されないことだと分かっている、だが、この気持ちだけは伝えたかった。」



「許されないと分かっているなら謝罪されても迷惑です。それに、リュカのことを助けようと思った?リュカは何度も嫌だって言った。…寝言は寝て言って。」 

リュカがぴしゃり、と冷たく言い放った。 

ごめん、そう言い叔父さんはリュカの方を向き土下座をし直した。 


ーが、リュカはそれを冷たい目で見下ろす。

「鬱陶しい。申し訳ないって思ってるなら視界から消えて。」 

叔父さんはさらに、ごめん、と一言言い残しこの場を去った。










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