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第15話 誇り高きどらごんが、ハンバーグに倒されかけたのです
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ドラゴンは強大な魔獣として知られる。英雄譚でも、よく語られる存在だ。悪役だったり正義の味方だったり、役割は様々だが。
どちらにせよ、カイルは会ったことがないので想像するしかない。
「それはナナちゃんを見てるからじゃない?」
「そうかもしれないな。さて、俺はハンバーグと野菜炒め、それにライスを頼む」
ライスというのは東の国から入るようになってきた食材で、独特の食感を好むカイルみたいな人間も多少なりとも存在する。
ハンバーグはステーキを毎日食べられるような貴族と違い、さほど裕福でなくとも肉料理を腹いっぱい食べられるようにと考案されたメニューだ。規則曰く下々の料理らしいが、カイルはその下々なので注文を躊躇しなかった。
「私はパンね。サラダにスープ、ベーコンとエッグも。あとはデザートにアップルパイ」
注文を待っているウエイトレスに、すらすらと料理名を告げるカイルやサレッタと違い、ナナはまだ悩んでいる。
「むふー。ナナは……ええと……ううんと……」
「お肉が好きだと言ってたし、ハンバーグにしたら? それも二つ!」
「それがいいのです。そうするのです!」
サレッタの提案を、ナナが二つ返事で受け入れる。
注文を終えるとウエイトレスが下がる。料理を待つ間、ナナは常にうきうきしっぱなしだ。
「人間の料理は楽しみなのです。どらごんらしく、ナナが食らい尽くしてやるのです」
「そうだな。ナナのおかげで金銭的には余裕がある。満足するまで食べていいぞ」
「ぐごー、なのです!」
ナナが喜んでいると、早速ハンバーグが出された。白いお皿の上に乗った肉汁たっぷりのハンバーグが、デミグラスソースをお供に香ばしいにおいを放つ。
鼻孔をくすぐる肉の香りに食欲が誘われ、ナナだけでなくカイルも空腹を我慢できなくなる。大抵の朝は安いパンに、具材が詰め込まれたスープで終わる。食費が安く済んで、それなりに栄養が取れるからだ。
ハンバーグなんて、多少は高額な依頼を達成できた時のご褒美だ。安い食堂限定で。それでも、初めてハンバーグを食べた時は感動で泣きそうになった。こんなにも美味しい料理がこの世にあったなんて、と。それ以来、すっかりカイルの好物だ。
今日初めて食べるナナも当時のカイルほどでなくとも、喜んでくれればいい。少しお高い店に連れてきたかいもあるというものだ。
「いただきます、なのです!」
すぐにでも食べたがるナナだったが、フォークとナイフを上手く使えない。泣きそうになるナナを見かねたサレッタが、それこそ母親のようにハンバーグをナイフで切り分ける。食べやすいサイズになった頃には、ナナもなんとかフォークを握れるようになっていた。
グーで掴むような感じで持ったフォークをハンバーグの一切れに突き刺す。感動の面持ちで見つめたあと、思い切ってナナが口内へ運ぶ。
「むふーっ! お、美味しいのですっ! た、たまらないのです!」
ひと口でハンバーグを気に入ったらしいナナが、かきこむように切られたハンバーグを口内へ放り込んでいく。幸せそうな笑顔を見ているだけで、なんだかカイルも嬉しくなるから不思議だった。
ハムスターのように頬を膨らませ、ひたすら食べるナナのために、サレッタが二つ目のハンバーグも切り分ける。
「ハンバーグを気に入ってくれたのはいいが、きちんと横の人参やキャベツも食べるんだぞ」
「ふぬっ!? こ、この赤いやつも食べるのです? なんだか毒々しいのです。食べたら駄目と、本能が全力で叫んでいるのです」
「気のせいだから早く食え。じゃないと、二個目のハンバーグは食べられないぞ。人間の世界では、食べ物は残したら駄目という決まりがあるんだ」
もちろん大嘘である。こうでも言っておかないと、好物しか食べなくなるような気がした。
「むー。人間世界はとてつもなく厳しいのです。これは最大の試練なのです」
泣きそうになりながらも、ナナは切られた人参のひと欠片をフォークで刺す。生ではなく、甘い味付けもされているので、なんとか食べられるはずだ。
カイルがじっと見ていると、やや顔をしかめながらも、ナナはもしゃもしゃと食べだした。苦手そうな雰囲気が漂ってくる。恐らくでしかないが、この分ではピーマンなども嫌いそうだった。
なんとか人参とキャベツを食べたナナは、次の皿を標的にする。すでに母親代わりのサレッタが、綺麗にハンバーグを切り分けていた。
すぐにでもハンバーグにがっつくかと思いきや、意外にもナナは人参やキャベツを先に食べ始めた。
「こいつらを倒してしまえば、あとは味方だけなのです。ナナの底力を見せてやるのです」
いつの間にやら敵にされたキャベツや人参がかわいそうに思えるが、ナナの中では憎い仇みたいになっているのだろう。子供の頃から好き嫌いがなかったカイルにしてみれば、不思議な光景でもある。
だからといって執拗に叱りつけたりはしない。ただ、小さいうちに何でも食べられるようになっておくのは大切だと、カイルは感じていた。サレッタに言うと、間違いなく良い父親になるなどとからかわれるだろうが。
皿に残ったのがハンバーグだけになると、ナナは瞳を輝かせて極上の笑顔を披露した。口と皿の上を行き来するフォークの速度と勢いに、思わずカイルは苦笑する。
「ナナちゃん、美味しい?」
答えのわかりきっている質問だが、あまりにも幸せそうなので聞かずにはいられなかったのだろう。ナナに引っ張られて笑顔になっているサレッタが尋ねた。
「美味しいのです! どらごんに相応しい食事なのです。むぐぐっ!」
「あっ、急いで食べすぎよ。ほら、お水を飲んで」
サレッタが持ったコップに口をつける形で、ナナが中身の水を飲み干す。食道でつっかえていたハンバーグを胃袋へ流し込むと、安堵したように大きく息を吐いた。
「誇り高きどらごんが、ハンバーグに倒されかけたのです。もう許せないのです。全滅させるのです」
要するに、残さず食べるという意味だろう。再び勢いよくハンバーグを食べ始め、あっという間に二皿を完食する。
見た目は可愛らしい少女でも、胃袋はドラゴン並みなのかもしれない。かなりの出費を覚悟したカイルだったが、唐突にナナは椅子の背もたれに体を預けて、両手でお腹を撫で始めた。その姿はラッコを連想させる。
「ぷふー。満足したのです」
明らかに満腹っぽいナナを見て、カイルは思う。里でひとりだけ丸ごとの食事を与えられなかったのは虐められていたわけでなく、単純に食べきれないからだったのではないかと。
昨夜に着ぐるみを摘んでみた時も、ドラゴンの鱗の硬さみたいなのは感じられなかった。今回の胃袋の件も含めて考えると、火は吐けても中身は普通の少女のような気がする。
どうして火が吐けるのかはいまだに不明だが、質問したところで答えはわかりきっている。ドラゴンだからだ。言いたくないのか、純粋にそうなのか。どちらかはわからないが、今のところはそれで納得するしかない。
満足そうにしているナナの側で、カイルとサレッタも食事をする。ナナはもう食べられないと言っているが、ふと気になったのでカイルはハンバーグを刺した自分のフォークを伸ばしてみた。
接近するハンバーグの気配を感じたのか、恐るべき速度でナナの口が開く。躊躇いなくカイルのハンバーグを咥え、フォークから器用に抜き取る。
「……満足したんじゃなかったのか?」
尋ねたカイルに、ナナは当たり前のように言う。
「デザートは別腹なのです」
「デザートって……まあ、いい。とにかく、ハンバーグを気に入ってくれたみたいでよかったよ」
「大好物になったのです。お腹が空いたら、また食べに来るのです!」
「そうだな。この店は結構高そうだから、毎回来るんだとしたら、仕事をたくさんして稼がないとな」
「ナナに任せるのです! ハンバーグのために、カイルの仕事を手伝ってやるのです!」
ナナが右手でどんと胸を叩き、頼ってもいいぞアピールをする。
微笑ましく思いながら、カイルは「頼むぜ」と告げた。
カイルとサレッタも食事を終え、代金を支払うと外へ出る。
行きつけの道具屋で回復用ポーションの補充をし、店をあとにすると昼近くになっていた。
せっかくだからと、サレッタが屋台通りへ行きたがった。ナナと一緒に行こうと約束していたからだ。反対する理由はないカイルも従い、三人で屋台通りへ歩いた。
各屋台から立ち上る美味しそうなにおいに、ナナが瞳を輝かせる。
「お、おおお……凄いのです。なんだか、たくさんあるのです!」
「ナナちゃんなら喜んでくれると思ったわ。屋台通りは意外と人が多いから、はぐれないようにおかーさんと手を繋ごうね」
「うん、なのです!」
にこにこと屋台を見て回るナナとサレッタをすぐ後ろで見守っていると、唐突にカイルは誰かに声をかけられた。
振り返ると、声の主と思われる恰幅のいい男がカイルに歩み寄ってきた。鼻の下だけに髭を豊かに蓄えているのが特徴的だ。身なりはよく、貴族と見間違うばかりの服装をしている。
宝石のちりばめられた指輪を指の一本一本にはめ、わざと見えるように口髭をいじる。眼鏡はしておらず、丸みを帯びた顔は目だけでなく各パーツが小さく感じられる。整っている顔立ちではないが、不細工とまでは言い切れない。
常に人のよさそうな笑みを浮かべているが、カイルを値踏みするように見てくる両目は笑っていない。年齢は四十代後半といったところだろうか。貴族とは対面した経験がないので断言できないが、上流階級の気品らしさみたいなのは感じられなかった。
どちらにせよ、カイルは会ったことがないので想像するしかない。
「それはナナちゃんを見てるからじゃない?」
「そうかもしれないな。さて、俺はハンバーグと野菜炒め、それにライスを頼む」
ライスというのは東の国から入るようになってきた食材で、独特の食感を好むカイルみたいな人間も多少なりとも存在する。
ハンバーグはステーキを毎日食べられるような貴族と違い、さほど裕福でなくとも肉料理を腹いっぱい食べられるようにと考案されたメニューだ。規則曰く下々の料理らしいが、カイルはその下々なので注文を躊躇しなかった。
「私はパンね。サラダにスープ、ベーコンとエッグも。あとはデザートにアップルパイ」
注文を待っているウエイトレスに、すらすらと料理名を告げるカイルやサレッタと違い、ナナはまだ悩んでいる。
「むふー。ナナは……ええと……ううんと……」
「お肉が好きだと言ってたし、ハンバーグにしたら? それも二つ!」
「それがいいのです。そうするのです!」
サレッタの提案を、ナナが二つ返事で受け入れる。
注文を終えるとウエイトレスが下がる。料理を待つ間、ナナは常にうきうきしっぱなしだ。
「人間の料理は楽しみなのです。どらごんらしく、ナナが食らい尽くしてやるのです」
「そうだな。ナナのおかげで金銭的には余裕がある。満足するまで食べていいぞ」
「ぐごー、なのです!」
ナナが喜んでいると、早速ハンバーグが出された。白いお皿の上に乗った肉汁たっぷりのハンバーグが、デミグラスソースをお供に香ばしいにおいを放つ。
鼻孔をくすぐる肉の香りに食欲が誘われ、ナナだけでなくカイルも空腹を我慢できなくなる。大抵の朝は安いパンに、具材が詰め込まれたスープで終わる。食費が安く済んで、それなりに栄養が取れるからだ。
ハンバーグなんて、多少は高額な依頼を達成できた時のご褒美だ。安い食堂限定で。それでも、初めてハンバーグを食べた時は感動で泣きそうになった。こんなにも美味しい料理がこの世にあったなんて、と。それ以来、すっかりカイルの好物だ。
今日初めて食べるナナも当時のカイルほどでなくとも、喜んでくれればいい。少しお高い店に連れてきたかいもあるというものだ。
「いただきます、なのです!」
すぐにでも食べたがるナナだったが、フォークとナイフを上手く使えない。泣きそうになるナナを見かねたサレッタが、それこそ母親のようにハンバーグをナイフで切り分ける。食べやすいサイズになった頃には、ナナもなんとかフォークを握れるようになっていた。
グーで掴むような感じで持ったフォークをハンバーグの一切れに突き刺す。感動の面持ちで見つめたあと、思い切ってナナが口内へ運ぶ。
「むふーっ! お、美味しいのですっ! た、たまらないのです!」
ひと口でハンバーグを気に入ったらしいナナが、かきこむように切られたハンバーグを口内へ放り込んでいく。幸せそうな笑顔を見ているだけで、なんだかカイルも嬉しくなるから不思議だった。
ハムスターのように頬を膨らませ、ひたすら食べるナナのために、サレッタが二つ目のハンバーグも切り分ける。
「ハンバーグを気に入ってくれたのはいいが、きちんと横の人参やキャベツも食べるんだぞ」
「ふぬっ!? こ、この赤いやつも食べるのです? なんだか毒々しいのです。食べたら駄目と、本能が全力で叫んでいるのです」
「気のせいだから早く食え。じゃないと、二個目のハンバーグは食べられないぞ。人間の世界では、食べ物は残したら駄目という決まりがあるんだ」
もちろん大嘘である。こうでも言っておかないと、好物しか食べなくなるような気がした。
「むー。人間世界はとてつもなく厳しいのです。これは最大の試練なのです」
泣きそうになりながらも、ナナは切られた人参のひと欠片をフォークで刺す。生ではなく、甘い味付けもされているので、なんとか食べられるはずだ。
カイルがじっと見ていると、やや顔をしかめながらも、ナナはもしゃもしゃと食べだした。苦手そうな雰囲気が漂ってくる。恐らくでしかないが、この分ではピーマンなども嫌いそうだった。
なんとか人参とキャベツを食べたナナは、次の皿を標的にする。すでに母親代わりのサレッタが、綺麗にハンバーグを切り分けていた。
すぐにでもハンバーグにがっつくかと思いきや、意外にもナナは人参やキャベツを先に食べ始めた。
「こいつらを倒してしまえば、あとは味方だけなのです。ナナの底力を見せてやるのです」
いつの間にやら敵にされたキャベツや人参がかわいそうに思えるが、ナナの中では憎い仇みたいになっているのだろう。子供の頃から好き嫌いがなかったカイルにしてみれば、不思議な光景でもある。
だからといって執拗に叱りつけたりはしない。ただ、小さいうちに何でも食べられるようになっておくのは大切だと、カイルは感じていた。サレッタに言うと、間違いなく良い父親になるなどとからかわれるだろうが。
皿に残ったのがハンバーグだけになると、ナナは瞳を輝かせて極上の笑顔を披露した。口と皿の上を行き来するフォークの速度と勢いに、思わずカイルは苦笑する。
「ナナちゃん、美味しい?」
答えのわかりきっている質問だが、あまりにも幸せそうなので聞かずにはいられなかったのだろう。ナナに引っ張られて笑顔になっているサレッタが尋ねた。
「美味しいのです! どらごんに相応しい食事なのです。むぐぐっ!」
「あっ、急いで食べすぎよ。ほら、お水を飲んで」
サレッタが持ったコップに口をつける形で、ナナが中身の水を飲み干す。食道でつっかえていたハンバーグを胃袋へ流し込むと、安堵したように大きく息を吐いた。
「誇り高きどらごんが、ハンバーグに倒されかけたのです。もう許せないのです。全滅させるのです」
要するに、残さず食べるという意味だろう。再び勢いよくハンバーグを食べ始め、あっという間に二皿を完食する。
見た目は可愛らしい少女でも、胃袋はドラゴン並みなのかもしれない。かなりの出費を覚悟したカイルだったが、唐突にナナは椅子の背もたれに体を預けて、両手でお腹を撫で始めた。その姿はラッコを連想させる。
「ぷふー。満足したのです」
明らかに満腹っぽいナナを見て、カイルは思う。里でひとりだけ丸ごとの食事を与えられなかったのは虐められていたわけでなく、単純に食べきれないからだったのではないかと。
昨夜に着ぐるみを摘んでみた時も、ドラゴンの鱗の硬さみたいなのは感じられなかった。今回の胃袋の件も含めて考えると、火は吐けても中身は普通の少女のような気がする。
どうして火が吐けるのかはいまだに不明だが、質問したところで答えはわかりきっている。ドラゴンだからだ。言いたくないのか、純粋にそうなのか。どちらかはわからないが、今のところはそれで納得するしかない。
満足そうにしているナナの側で、カイルとサレッタも食事をする。ナナはもう食べられないと言っているが、ふと気になったのでカイルはハンバーグを刺した自分のフォークを伸ばしてみた。
接近するハンバーグの気配を感じたのか、恐るべき速度でナナの口が開く。躊躇いなくカイルのハンバーグを咥え、フォークから器用に抜き取る。
「……満足したんじゃなかったのか?」
尋ねたカイルに、ナナは当たり前のように言う。
「デザートは別腹なのです」
「デザートって……まあ、いい。とにかく、ハンバーグを気に入ってくれたみたいでよかったよ」
「大好物になったのです。お腹が空いたら、また食べに来るのです!」
「そうだな。この店は結構高そうだから、毎回来るんだとしたら、仕事をたくさんして稼がないとな」
「ナナに任せるのです! ハンバーグのために、カイルの仕事を手伝ってやるのです!」
ナナが右手でどんと胸を叩き、頼ってもいいぞアピールをする。
微笑ましく思いながら、カイルは「頼むぜ」と告げた。
カイルとサレッタも食事を終え、代金を支払うと外へ出る。
行きつけの道具屋で回復用ポーションの補充をし、店をあとにすると昼近くになっていた。
せっかくだからと、サレッタが屋台通りへ行きたがった。ナナと一緒に行こうと約束していたからだ。反対する理由はないカイルも従い、三人で屋台通りへ歩いた。
各屋台から立ち上る美味しそうなにおいに、ナナが瞳を輝かせる。
「お、おおお……凄いのです。なんだか、たくさんあるのです!」
「ナナちゃんなら喜んでくれると思ったわ。屋台通りは意外と人が多いから、はぐれないようにおかーさんと手を繋ごうね」
「うん、なのです!」
にこにこと屋台を見て回るナナとサレッタをすぐ後ろで見守っていると、唐突にカイルは誰かに声をかけられた。
振り返ると、声の主と思われる恰幅のいい男がカイルに歩み寄ってきた。鼻の下だけに髭を豊かに蓄えているのが特徴的だ。身なりはよく、貴族と見間違うばかりの服装をしている。
宝石のちりばめられた指輪を指の一本一本にはめ、わざと見えるように口髭をいじる。眼鏡はしておらず、丸みを帯びた顔は目だけでなく各パーツが小さく感じられる。整っている顔立ちではないが、不細工とまでは言い切れない。
常に人のよさそうな笑みを浮かべているが、カイルを値踏みするように見てくる両目は笑っていない。年齢は四十代後半といったところだろうか。貴族とは対面した経験がないので断言できないが、上流階級の気品らしさみたいなのは感じられなかった。
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