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さらに孫たちの学生時代編
高校最後のインターハイにかける朱華の想い、穂月はしっかりとマウンドを守り通しました
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高校生になった実感を堪能する前に部活の問題だったり、テストだったりをこなしているうちに季節はどんどん進んで行く。
ようやく昔からの仲間が全員揃ったと思っても、すぐに3年の朱華にとっては高校最後の夏がやってくる。予選前から気合入りまくりで、横目で見ていた穂月は反射的に「おー」と声を出してしまう。
「あーちゃんは大学でもソフトボールをすると言ってたけど、高校の夏はなんだかこれまでと違うとも言ってたの」
一緒に投球練習中だった悠里が、こっそりと穂月にそんな話をしてくれた。
「それなら頑張って、あーちゃんを本選まで連れてかないとね」
高校生になって少しは身長が伸びたものの、やはり仲間内では1番小柄な悠里にウインクしてから、希が構えているキャッチャーミットへボールを投げ込んだ。
「はわわ、凄くいい音なの。いつ聞いても惚れ惚れするの」
「ゆーちゃんのも素敵だよ」
「ほっちゃんに褒められるとやる気がでるの。でも自分のことは理解してるの。さっちゃんのミットを響かせるような直球は投げられないの」
それでもナチュラルに変化するボールは悠里の武器で、本人もそうと自覚して打者を翻弄していた。
「今日も良い調子にゆらゆらしてるの。ゆーちゃんも全力であーちゃんのお手伝いをするの」
「あーちゃんとは全国制覇したことないもんね」
「言われてみればそうね」
悠里の目を見て会話していたので、背後から近寄ってきた朱華に気付けなかった。だからといって怒られるでもなく、私語を窘められたりもしない。
「小、中と全国には出てるんだけどね。まーたんとも同じなのよね?」
「中学校の時は県予選で負けちゃったけど」
「ああ……あの時は凄かったわ。ほっちゃんたちに情けない姿を見せるわけにはいかないからって、負けた日の夜に私の家に来て――」
「――オイオイオイ! 監督が呼んでるぜ、キャプテン。早く行かないとな!」
どこで話を聞いていたのか、転がるような勢いで陽向がブルペンに乱入してきた。
「その焦り方からして嘘ね。一時的に私がいなくなった間に、ほっちゃんたちに話を聞かないように頼むんでしょうけど、浅はかにも程があるわ」
「そうかもしれねえけど、内緒の話をさらっと暴露しようとするあーちゃんのせいだろ!」
「いいじゃない。内緒の話を教えたって」
「んなわけあるかあああ!」
「まーたんの反応だけで、どういう話かの予測はついたので大丈夫です」
控え捕手として悠里のボールを受けていた沙耶が、マスクを額に上げる。すさかず陽光に眼鏡が反射し、漫画みたいに目を光らせたようになる。
「どんな話?」
好奇心を旺盛にさせた穂月に教えてくれたのは、沙耶ではなく悠里だった。
「要するに、あーちゃんの家でまーたんが号泣事件を起こしたの」
「おー」
「まーたんは甘えん坊さんでもあるので、ここぞとばかりにあーちゃんに慰めてもらいたかったんですね」
沙耶の補足が的を射ていたのか、瞬時に陽向の顔面が熱を持ったみたいだった。当人は手振りも交えて慌てて否定しようとするも、その前に朱華が爆弾を投下する。
「膝枕してあげたら、太腿に顔を埋めて泣き出した挙句、最後には眠っちゃってね。でも寝顔は子供みたいで可愛らしくて――」
「――そんな事実はねえだろうが! せいぜい頭を撫ででもらったくらいで――ハッ!?」
「騒がしいので様子を見に来てみれば、壮絶な自爆の場面に遭遇してしまいましたわ」
凛にまで隠していた黒歴史を知られ、陽向はグラウンド中に「うわあああ」という叫びを木霊させた。
*
インターハイ予選の主戦はまだ1年生の穂月だった。自らの打力を優先させたいと、朱華が監督の美由紀に申し出たのが一因だ。
中学でも全国制覇したエースの穂月と2番手の悠里が入部したことが大きく、何かあった場合には朱華もマウンドに立つという形でチームが作られた。
1番は長打があって足も速い3塁手の陽向。2番は選球眼がチーム随一で小技も上手い1塁手の沙耶。3番にやる気さえ出させられれば最強打者で捕手の希が入り、4番は遊撃の朱華が務める。5番にはDPで打撃の鬼の凛が、そして6番が長打は陽向ほどではないものの、コンタクト率は朱華にも匹敵する穂月が入った。もっとも先発時にはFPになるので打線から外れるのだが。
穂月がいない時の6番から9番は3年生だ。去年まで朱華の控えだった投手もいるので、打力がさほどでもないチームが相手の場合はその部員が先発することもある。その際に穂月が入る守備位置は2塁だった。
「フッフッフ、ついにきたわ。菜月ちゃん以来の強いチームで挑めるインターハイ予選が! 選手層もかなり厚くなってるし、隙も死角もないわ!」
「結婚とはてんで無縁な美由紀先生みたいに鉄壁――ひはいの、ひはいの」
ベンチ前で円陣を組ませていた美由紀は、慣れた様子で悠里のぷにぷにほっぺを引っ張りながらダンとグラウンドを強く踏んだ。
「今年こそは本選に行くのよ! 年々部費を減らそうとするセクハラ教頭に目にもの見せてやるのよ!」
「セクハラって、しちゃだめなやつだよね?」
「その通りよ、穂月ちゃん。あんのクソ教頭、事あるごとに人に見合い話を持ってくんのよ!」
「ボランティア精神が溢れてるというより、もはや聖者なの。BBAのくせに選り好みをしてる方が――ひひゃいの、ひひゃいの」
「んなこと言ったって、ハゲ散らかしてる田舎のおっさん紹介されてどうしろってのよ!」
「四捨五入したら五十になるBBAがぜいた――ぶほお」
「とうとうボディブローが入りましたわね……」
「あそこまでして煽る意味があるのか疑問です……」
みぞおちを押さえて転げまわる悠里を心配しつつも、凛と沙耶が溜息をついた。
*
試合前にアホなやりとりこそあったものの、南高校はどのチームにとっても難しい初戦をコールドゲームで圧勝。穂月も調整に近い登板程度で、予選は悠里と3年生の投手が中心となって勝ち進んだ。
特に自身を4番手だと認識していた3年生投手は予期せぬ出番の多さに発奮し、3年間でもっとも充実してると胸を張るのも頷けるほど頼りになった。
そして見事に本選出場を決めると、そのバトンは穂月に手渡された。
「私はしっかり役目を果たしたわ。あとはお願いね、エース」
「任されたからには全力で頑張る! ゆーちゃんが!!」
「はわあ!? 突然の無茶ぶりにゆーちゃんのポンポンが太鼓みたいにドンドコ鳴り出したの!」
「滅多にないほっちゃんさんのジョークだけに、毒舌女王が派手にテンパってますわね」
仲間たちと普段と変わらないやりとりをすれば、緊張もどこかへ飛んでいく。小学、中学と全国大会を制した穂月の名前は1年時にしてすでに全国区で注目も高かった。
「今日の試合では高木が先発するみたいですね」
「予選ではかなり温存してたみたいだからな」
「東北の南高校といえば知る人ぞ知る強豪ですが、母親と叔母が当時全国大会で活躍した投手と捕手らしいですよ」
「ということはソフトボールのサラブレッドだな、将来が楽しみだ」
などと関係者から堂々と噂される始末。周囲の盛り上がりをよそに、状況をよくわかってない穂月は「おー」と言うだけだったが。
*
小学生から中学生になった時ほど上級生との力の差は感じず、特に凛が他チームの度肝を抜く本塁打を連発した。おかげで必要以上に意識されることになったが、その分だけ朱華のマークが薄くなり、南高校にとっては好結果をもたらした。
「去年までと違って打撃だけに集中できるから、本当に助かるわ」
「あはは、くすぐったいよ」
柔らかく肩を揉む朱華の手から、穂月は身を捩って逃げる。
「お礼はいいけど、あーちゃんは本当に投げなくていいの?」
目立ちたがり屋で仕切りたがり屋でもある朱華は、母親の影響でソフトボールを始めるなり、当然のように投手を志願した。なのにせっかくのインターハイの舞台だというのに、まだ1度もマウンドに立ってないのだ。
「もちろんよ。確かにピッチャーするのは好きだけど、それ以上にほっちゃんたちと全国制覇がしたいの。私は大学でも続けるつもりだけど、他の皆はそうとも限らないもの。だとしたらこれが最後のチャンスになる」
入学したあとで穂月がソフトボール部ではなく、演劇部を選んだことからも余計にその思いを強くしたらしかった。
「私の我儘でほっちゃんたちを縛り付けるのは嫌なの――と言いながら、だいぶ引っ張り回してきたけどね」
「特にまーたんを?」
「あれはいいの」
「聞こえてんぞ、あれ呼ばわりすんな!」
珍しく陽向にヘッドロックをかけられても、朱華はあまり抵抗せずに笑っている。初めてのインターハイを心から楽しんでるのがわかる。
「まーたんがいて、ほっちゃんがいて、のぞちゃんがいて、ゆーちゃんがいて、さっちゃんがいて、りんりんがいて。小学校の時から一緒にソフトボールをしてくれた仲間もいて。私は今、インターハイ決勝の舞台にいる。それが何より嬉しいの。だからこのまま優勝してしまいましょう!」
「あいだほっ!」
*
一進一退の攻防の明暗を分けたのは何だったのか。どのチームも必死に練習して挑み続けた頂点を掴んだのは、マウンドで両手を高々と掲げる穂月が所属する南高校だった。
爆発するような歓声。抱き合う観客の中には、わざわざ自費で応援にかけつけてくれた演劇部の3年生の姿もあった。
真っ先に穂月に抱き着いたのは、言葉にならないほど号泣する朱華だった。
ようやく昔からの仲間が全員揃ったと思っても、すぐに3年の朱華にとっては高校最後の夏がやってくる。予選前から気合入りまくりで、横目で見ていた穂月は反射的に「おー」と声を出してしまう。
「あーちゃんは大学でもソフトボールをすると言ってたけど、高校の夏はなんだかこれまでと違うとも言ってたの」
一緒に投球練習中だった悠里が、こっそりと穂月にそんな話をしてくれた。
「それなら頑張って、あーちゃんを本選まで連れてかないとね」
高校生になって少しは身長が伸びたものの、やはり仲間内では1番小柄な悠里にウインクしてから、希が構えているキャッチャーミットへボールを投げ込んだ。
「はわわ、凄くいい音なの。いつ聞いても惚れ惚れするの」
「ゆーちゃんのも素敵だよ」
「ほっちゃんに褒められるとやる気がでるの。でも自分のことは理解してるの。さっちゃんのミットを響かせるような直球は投げられないの」
それでもナチュラルに変化するボールは悠里の武器で、本人もそうと自覚して打者を翻弄していた。
「今日も良い調子にゆらゆらしてるの。ゆーちゃんも全力であーちゃんのお手伝いをするの」
「あーちゃんとは全国制覇したことないもんね」
「言われてみればそうね」
悠里の目を見て会話していたので、背後から近寄ってきた朱華に気付けなかった。だからといって怒られるでもなく、私語を窘められたりもしない。
「小、中と全国には出てるんだけどね。まーたんとも同じなのよね?」
「中学校の時は県予選で負けちゃったけど」
「ああ……あの時は凄かったわ。ほっちゃんたちに情けない姿を見せるわけにはいかないからって、負けた日の夜に私の家に来て――」
「――オイオイオイ! 監督が呼んでるぜ、キャプテン。早く行かないとな!」
どこで話を聞いていたのか、転がるような勢いで陽向がブルペンに乱入してきた。
「その焦り方からして嘘ね。一時的に私がいなくなった間に、ほっちゃんたちに話を聞かないように頼むんでしょうけど、浅はかにも程があるわ」
「そうかもしれねえけど、内緒の話をさらっと暴露しようとするあーちゃんのせいだろ!」
「いいじゃない。内緒の話を教えたって」
「んなわけあるかあああ!」
「まーたんの反応だけで、どういう話かの予測はついたので大丈夫です」
控え捕手として悠里のボールを受けていた沙耶が、マスクを額に上げる。すさかず陽光に眼鏡が反射し、漫画みたいに目を光らせたようになる。
「どんな話?」
好奇心を旺盛にさせた穂月に教えてくれたのは、沙耶ではなく悠里だった。
「要するに、あーちゃんの家でまーたんが号泣事件を起こしたの」
「おー」
「まーたんは甘えん坊さんでもあるので、ここぞとばかりにあーちゃんに慰めてもらいたかったんですね」
沙耶の補足が的を射ていたのか、瞬時に陽向の顔面が熱を持ったみたいだった。当人は手振りも交えて慌てて否定しようとするも、その前に朱華が爆弾を投下する。
「膝枕してあげたら、太腿に顔を埋めて泣き出した挙句、最後には眠っちゃってね。でも寝顔は子供みたいで可愛らしくて――」
「――そんな事実はねえだろうが! せいぜい頭を撫ででもらったくらいで――ハッ!?」
「騒がしいので様子を見に来てみれば、壮絶な自爆の場面に遭遇してしまいましたわ」
凛にまで隠していた黒歴史を知られ、陽向はグラウンド中に「うわあああ」という叫びを木霊させた。
*
インターハイ予選の主戦はまだ1年生の穂月だった。自らの打力を優先させたいと、朱華が監督の美由紀に申し出たのが一因だ。
中学でも全国制覇したエースの穂月と2番手の悠里が入部したことが大きく、何かあった場合には朱華もマウンドに立つという形でチームが作られた。
1番は長打があって足も速い3塁手の陽向。2番は選球眼がチーム随一で小技も上手い1塁手の沙耶。3番にやる気さえ出させられれば最強打者で捕手の希が入り、4番は遊撃の朱華が務める。5番にはDPで打撃の鬼の凛が、そして6番が長打は陽向ほどではないものの、コンタクト率は朱華にも匹敵する穂月が入った。もっとも先発時にはFPになるので打線から外れるのだが。
穂月がいない時の6番から9番は3年生だ。去年まで朱華の控えだった投手もいるので、打力がさほどでもないチームが相手の場合はその部員が先発することもある。その際に穂月が入る守備位置は2塁だった。
「フッフッフ、ついにきたわ。菜月ちゃん以来の強いチームで挑めるインターハイ予選が! 選手層もかなり厚くなってるし、隙も死角もないわ!」
「結婚とはてんで無縁な美由紀先生みたいに鉄壁――ひはいの、ひはいの」
ベンチ前で円陣を組ませていた美由紀は、慣れた様子で悠里のぷにぷにほっぺを引っ張りながらダンとグラウンドを強く踏んだ。
「今年こそは本選に行くのよ! 年々部費を減らそうとするセクハラ教頭に目にもの見せてやるのよ!」
「セクハラって、しちゃだめなやつだよね?」
「その通りよ、穂月ちゃん。あんのクソ教頭、事あるごとに人に見合い話を持ってくんのよ!」
「ボランティア精神が溢れてるというより、もはや聖者なの。BBAのくせに選り好みをしてる方が――ひひゃいの、ひひゃいの」
「んなこと言ったって、ハゲ散らかしてる田舎のおっさん紹介されてどうしろってのよ!」
「四捨五入したら五十になるBBAがぜいた――ぶほお」
「とうとうボディブローが入りましたわね……」
「あそこまでして煽る意味があるのか疑問です……」
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そして見事に本選出場を決めると、そのバトンは穂月に手渡された。
「私はしっかり役目を果たしたわ。あとはお願いね、エース」
「任されたからには全力で頑張る! ゆーちゃんが!!」
「はわあ!? 突然の無茶ぶりにゆーちゃんのポンポンが太鼓みたいにドンドコ鳴り出したの!」
「滅多にないほっちゃんさんのジョークだけに、毒舌女王が派手にテンパってますわね」
仲間たちと普段と変わらないやりとりをすれば、緊張もどこかへ飛んでいく。小学、中学と全国大会を制した穂月の名前は1年時にしてすでに全国区で注目も高かった。
「今日の試合では高木が先発するみたいですね」
「予選ではかなり温存してたみたいだからな」
「東北の南高校といえば知る人ぞ知る強豪ですが、母親と叔母が当時全国大会で活躍した投手と捕手らしいですよ」
「ということはソフトボールのサラブレッドだな、将来が楽しみだ」
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「去年までと違って打撃だけに集中できるから、本当に助かるわ」
「あはは、くすぐったいよ」
柔らかく肩を揉む朱華の手から、穂月は身を捩って逃げる。
「お礼はいいけど、あーちゃんは本当に投げなくていいの?」
目立ちたがり屋で仕切りたがり屋でもある朱華は、母親の影響でソフトボールを始めるなり、当然のように投手を志願した。なのにせっかくのインターハイの舞台だというのに、まだ1度もマウンドに立ってないのだ。
「もちろんよ。確かにピッチャーするのは好きだけど、それ以上にほっちゃんたちと全国制覇がしたいの。私は大学でも続けるつもりだけど、他の皆はそうとも限らないもの。だとしたらこれが最後のチャンスになる」
入学したあとで穂月がソフトボール部ではなく、演劇部を選んだことからも余計にその思いを強くしたらしかった。
「私の我儘でほっちゃんたちを縛り付けるのは嫌なの――と言いながら、だいぶ引っ張り回してきたけどね」
「特にまーたんを?」
「あれはいいの」
「聞こえてんぞ、あれ呼ばわりすんな!」
珍しく陽向にヘッドロックをかけられても、朱華はあまり抵抗せずに笑っている。初めてのインターハイを心から楽しんでるのがわかる。
「まーたんがいて、ほっちゃんがいて、のぞちゃんがいて、ゆーちゃんがいて、さっちゃんがいて、りんりんがいて。小学校の時から一緒にソフトボールをしてくれた仲間もいて。私は今、インターハイ決勝の舞台にいる。それが何より嬉しいの。だからこのまま優勝してしまいましょう!」
「あいだほっ!」
*
一進一退の攻防の明暗を分けたのは何だったのか。どのチームも必死に練習して挑み続けた頂点を掴んだのは、マウンドで両手を高々と掲げる穂月が所属する南高校だった。
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