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2話 鈍感大王なんだから
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「規制される前はテレビゲームのない生活なんて無理だと思ったけど、意外と慣れるものだね」
達観したような台詞を呟いた裕介の隣で、七海が苦笑する。
「テレビゲームはなくなったけど、ゲーム自体は残ってるじゃない。裕介も遊んでるやつ」
それこそが、大手玩具メーカーが企画し、現在も政府が支援中のボードゲームの英雄だった。
「大人も子供も夢中よね。ほら、今朝もやってる」
七海が指差したのは、全国展開しているコンビニの駐車場だった。駐車スペースの一角を区切り、そこをプレイルームにしている。
英雄はメーカーの承認を受けた審判がいなければ、対戦プレイができない決まりになっている。細かな隠しルールが存在し、それらを判定する必要があるためだ。
他にもプレイ中の虐めを防ぐ目的もある。部屋に閉じこもらせず、コミュニケーション能力を向上させるために対面でのゲームを推奨したのに、虐めを誘発する結果になっては関係者の面子が丸潰れになる。
そこで目をつけたのは各県の至るところに出店しているコンビニだ。
メーカーの研修を受け承認を得た人間を社員として雇えば、国から補助金が出される。雇用促進にも繋がり、今では他の職業訓練同様に職業安定所からも紹介されるくらいだ。
利用者がいなければコンビニ勤務を行うが、基本的には審判業務が優先される。人気が増すに連れてコンビニが雇う人間も増加するので、現在のところは双方が得をする状態になっている。
加えてゲーム目的に集まる子供たちや大人が、プレイ中や観戦のために飲み物やお菓子、さらにはお弁当を買ったりもするのでますますコンビニ各社は英雄というボードゲームを全面的に支援するようになった。
現在は各店ごとのイベントや特典なんかで、利用者集めを競っている。
裕介が住む町は大きな市から離れた県境で、広さはあれどさほど発展していない区の中に存在する。
特徴は温泉が多い土地柄で、様々な旅館やホテルが立ち並ぶ、いわば温泉街である。観光地として区全体はほどほどに有名だが、だからといって政令指定都市並みに発展しているとは限らない。
温泉街としてのイメージを損なわないためかどうかはわからないが、とても緑が豊か――言ってしまえば田舎なのだった。
見かけたコンビニがこの町で唯一であり、あとは老婆がやっているような昔からの個人商店しかない。
したがって英雄をプレイしたい人間は、どうしても一箇所に集まることになる。おかげでそのコンビニは大繁盛。見るたびに社員が増えているのは、気のせいではないはずだ。実際に現在審判中の若い女性店員も初めて見る顔だった。
「本当によくやるわよね」
昔からゲームにさほど興味のない七海は、たまに裕介が頼んで一緒にプレイする時以外、テレビゲームのコントローラーを触る機会すらなかった。おかげで規制が行われた現在でも、以前と何ら変わりのない生活を送れている。
「……裕介も、そろそろ卒業したら?」
その声には呆れよりも、心配そうな響きが含まれていた。幼馴染だけに、裕介の現状をよく知っているのだ。
気を遣いながらも、幼馴染である裕介の苦境を救いたいと、意を決したように七海が続けて口を開く。
「裕介、虐められてるんでしょ? おばさまたちはまだ知らないみたいだけど、学校ではわりと有名じゃない」
裕介は無言で俯く。実際にその通りだった。
自己主張を滅多にしない裕介は、所属する教室内でもあまり目立たない。虐められるというよりは、いないものとして扱われている感が強い。それは小学生時代から変わらないので、今さらどうとも思わない。七海の指摘は英雄をプレイ中の話だ。
やたらと裕介を目の敵にして絡んでくる兄妹がいる。虐めは厳禁で審判は監視者でもあるため、過度な威嚇をしたりはしない。ただ圧倒的戦力で勝敗を決するだけだ。もちろん敗北するのは裕介である。
勝者は敗者からポイントを奪えるので、強者はより強くなり、弱者はいつまでも搾取される。メーカー側もその辺には配慮しており、毎月自動的に登録者へポイントを支給している。弱くとも時間が経過すれば自動的にレベルアップできる仕組みだ。
本来なら裕介も勝負を挑まれた時点で逃げればいいのだが、強く言われると断り切れない性格が災いした。結果として毎日のように放課後はコンビニへ寄り、ボコボコにされるためだけにゲームをするはめになっている。七海はそれを危惧しているのだ。
「そう思う時もあるけどね。やっぱり僕はゲームが好きなんだ。ゲームのない生活は考えられないよ」
弱々しい笑顔を見せる裕介を目の当たりにして、頭痛がするとばかりに七海はこめかみを軽く押さえた。
「裕介は昔からゲームバカだったものね。放っておくと、一緒に遊ぼうと約束した私を放置して何時間もやってたし」
「しょ、小学校低学年の話を持ち出さないでよ」
「事実でしょ。だからテレビゲームが規制された時の落ち込み様は凄かったものね。引きこもりになるんじゃないかって、おばさまと一緒に本気で心配したくらいよ」
「はは。それを言われると……でも、そうなってたかもしれない。七海が気を遣って僕を色々連れ回してくれなければね。ありがとう」
裕介からすれば素直にお礼を言っただけなのだが、感謝を込めた視線を向けられた七海は、火がついたみたいに一瞬で顔を赤くした。
「か、勘違いしないでよね。あれは私の荷物持ちに付き合わせただけなんだから。ま、まあ、勝手に感謝してくれるのを止めたりはしないけど」
照れているのか、語尾の方がぼそぼそと聞こえ辛くなっていった。頬を朱に染めたままの七海に、裕介は口元を緩める。
「七海も変わらないよね。同い年なのにお姉さんぶったりするところとか。そういうのを姉御肌っていうんだろうね。あと照れ屋なところ」
「裕介が頼りないせいでしょ。だから私は不足部分を補おうとして、こういう性格になったのよ」
裕介は小首を傾げる。
「どうして僕の足りないところを埋めようとしたの? テレビゲーム規制の時もそうだけど、七海はいつも側にいてくれるし」
落ち着きを取り戻しつつあった七海の顔色が、その一言で秋の紅葉を連想させるほど赤くなった。
「相変わらず、鈍感大王なんだから」
聞き取れないほどの小さな声。何か言ったと尋ねる裕介に、七海は怒ったような口調で知らないと返した。
裕介は早足になった七海を追いかけ、小走りで隣に並んだ彼女の顔を見る。口を真一文字に結んで、視線を合わせようとしない。こうなると厄介なのは、幼馴染なのでよくわかっていた。
答えを貰ってないからといって、下手に先ほどの質問を繰り返すと逆鱗に触れる。全身が地雷スイッチと化したような雰囲気が今の七海にはある。
小さい頃は気が付かずによく噴火させてしまったが、成長するに連れて見極めと対処法を会得できた。このようなケースでは放置しておくのが一番だった。
七海は根に持つタイプではないので、少しすればすぐに本来の彼女に戻る。裕介はそれを黙って待てばいい。
無言になった七海の隣を歩きながら、だいぶ後ろになったコンビニの駐車場の様子を確認する。そこではまだ二十代から三十代と思われる男性二人が、真剣な顔つきで互いに持つカードをボード上で戦わせていた。
達観したような台詞を呟いた裕介の隣で、七海が苦笑する。
「テレビゲームはなくなったけど、ゲーム自体は残ってるじゃない。裕介も遊んでるやつ」
それこそが、大手玩具メーカーが企画し、現在も政府が支援中のボードゲームの英雄だった。
「大人も子供も夢中よね。ほら、今朝もやってる」
七海が指差したのは、全国展開しているコンビニの駐車場だった。駐車スペースの一角を区切り、そこをプレイルームにしている。
英雄はメーカーの承認を受けた審判がいなければ、対戦プレイができない決まりになっている。細かな隠しルールが存在し、それらを判定する必要があるためだ。
他にもプレイ中の虐めを防ぐ目的もある。部屋に閉じこもらせず、コミュニケーション能力を向上させるために対面でのゲームを推奨したのに、虐めを誘発する結果になっては関係者の面子が丸潰れになる。
そこで目をつけたのは各県の至るところに出店しているコンビニだ。
メーカーの研修を受け承認を得た人間を社員として雇えば、国から補助金が出される。雇用促進にも繋がり、今では他の職業訓練同様に職業安定所からも紹介されるくらいだ。
利用者がいなければコンビニ勤務を行うが、基本的には審判業務が優先される。人気が増すに連れてコンビニが雇う人間も増加するので、現在のところは双方が得をする状態になっている。
加えてゲーム目的に集まる子供たちや大人が、プレイ中や観戦のために飲み物やお菓子、さらにはお弁当を買ったりもするのでますますコンビニ各社は英雄というボードゲームを全面的に支援するようになった。
現在は各店ごとのイベントや特典なんかで、利用者集めを競っている。
裕介が住む町は大きな市から離れた県境で、広さはあれどさほど発展していない区の中に存在する。
特徴は温泉が多い土地柄で、様々な旅館やホテルが立ち並ぶ、いわば温泉街である。観光地として区全体はほどほどに有名だが、だからといって政令指定都市並みに発展しているとは限らない。
温泉街としてのイメージを損なわないためかどうかはわからないが、とても緑が豊か――言ってしまえば田舎なのだった。
見かけたコンビニがこの町で唯一であり、あとは老婆がやっているような昔からの個人商店しかない。
したがって英雄をプレイしたい人間は、どうしても一箇所に集まることになる。おかげでそのコンビニは大繁盛。見るたびに社員が増えているのは、気のせいではないはずだ。実際に現在審判中の若い女性店員も初めて見る顔だった。
「本当によくやるわよね」
昔からゲームにさほど興味のない七海は、たまに裕介が頼んで一緒にプレイする時以外、テレビゲームのコントローラーを触る機会すらなかった。おかげで規制が行われた現在でも、以前と何ら変わりのない生活を送れている。
「……裕介も、そろそろ卒業したら?」
その声には呆れよりも、心配そうな響きが含まれていた。幼馴染だけに、裕介の現状をよく知っているのだ。
気を遣いながらも、幼馴染である裕介の苦境を救いたいと、意を決したように七海が続けて口を開く。
「裕介、虐められてるんでしょ? おばさまたちはまだ知らないみたいだけど、学校ではわりと有名じゃない」
裕介は無言で俯く。実際にその通りだった。
自己主張を滅多にしない裕介は、所属する教室内でもあまり目立たない。虐められるというよりは、いないものとして扱われている感が強い。それは小学生時代から変わらないので、今さらどうとも思わない。七海の指摘は英雄をプレイ中の話だ。
やたらと裕介を目の敵にして絡んでくる兄妹がいる。虐めは厳禁で審判は監視者でもあるため、過度な威嚇をしたりはしない。ただ圧倒的戦力で勝敗を決するだけだ。もちろん敗北するのは裕介である。
勝者は敗者からポイントを奪えるので、強者はより強くなり、弱者はいつまでも搾取される。メーカー側もその辺には配慮しており、毎月自動的に登録者へポイントを支給している。弱くとも時間が経過すれば自動的にレベルアップできる仕組みだ。
本来なら裕介も勝負を挑まれた時点で逃げればいいのだが、強く言われると断り切れない性格が災いした。結果として毎日のように放課後はコンビニへ寄り、ボコボコにされるためだけにゲームをするはめになっている。七海はそれを危惧しているのだ。
「そう思う時もあるけどね。やっぱり僕はゲームが好きなんだ。ゲームのない生活は考えられないよ」
弱々しい笑顔を見せる裕介を目の当たりにして、頭痛がするとばかりに七海はこめかみを軽く押さえた。
「裕介は昔からゲームバカだったものね。放っておくと、一緒に遊ぼうと約束した私を放置して何時間もやってたし」
「しょ、小学校低学年の話を持ち出さないでよ」
「事実でしょ。だからテレビゲームが規制された時の落ち込み様は凄かったものね。引きこもりになるんじゃないかって、おばさまと一緒に本気で心配したくらいよ」
「はは。それを言われると……でも、そうなってたかもしれない。七海が気を遣って僕を色々連れ回してくれなければね。ありがとう」
裕介からすれば素直にお礼を言っただけなのだが、感謝を込めた視線を向けられた七海は、火がついたみたいに一瞬で顔を赤くした。
「か、勘違いしないでよね。あれは私の荷物持ちに付き合わせただけなんだから。ま、まあ、勝手に感謝してくれるのを止めたりはしないけど」
照れているのか、語尾の方がぼそぼそと聞こえ辛くなっていった。頬を朱に染めたままの七海に、裕介は口元を緩める。
「七海も変わらないよね。同い年なのにお姉さんぶったりするところとか。そういうのを姉御肌っていうんだろうね。あと照れ屋なところ」
「裕介が頼りないせいでしょ。だから私は不足部分を補おうとして、こういう性格になったのよ」
裕介は小首を傾げる。
「どうして僕の足りないところを埋めようとしたの? テレビゲーム規制の時もそうだけど、七海はいつも側にいてくれるし」
落ち着きを取り戻しつつあった七海の顔色が、その一言で秋の紅葉を連想させるほど赤くなった。
「相変わらず、鈍感大王なんだから」
聞き取れないほどの小さな声。何か言ったと尋ねる裕介に、七海は怒ったような口調で知らないと返した。
裕介は早足になった七海を追いかけ、小走りで隣に並んだ彼女の顔を見る。口を真一文字に結んで、視線を合わせようとしない。こうなると厄介なのは、幼馴染なのでよくわかっていた。
答えを貰ってないからといって、下手に先ほどの質問を繰り返すと逆鱗に触れる。全身が地雷スイッチと化したような雰囲気が今の七海にはある。
小さい頃は気が付かずによく噴火させてしまったが、成長するに連れて見極めと対処法を会得できた。このようなケースでは放置しておくのが一番だった。
七海は根に持つタイプではないので、少しすればすぐに本来の彼女に戻る。裕介はそれを黙って待てばいい。
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