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9話 だったら、頑張るしかないでしょ
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断る理由はないので、素直に感謝する。審判の梨田さんが同盟状態を確認し、援軍を認めたので、七海は場にカードを並べられるようになる。
不愉快そうな真雪とは対照的に、大貴は余裕そのものだ。決められたルールなんだから、仕方ねえだろと妹を宥める。
「もっとも昨日登録したばかりのレベル一が援軍に来たところで、結果は変わらねえだろうがな」
「相変わらず自信家ね。昔は何をするにも、裕介に負けてたくせに。体が大きくなってから虐めるのは、その時の仕返しなの? 器の小さい男よね」
「お前も昔は裕介の尻しか見てなかっただろ。ガキの頃からそういう趣味でもあったのかよ」
挑発したつもりが、大貴の反撃で逆に七海が顔を真っ赤にする。
「どこまでも最低な男ね!」
「最初にくだらねえこと言ったのはお前だろ。ガキの頃の話を持ち出しやがって。いつまでそいつにくっついてるつもりだ。保護者にでもなったのか」
「そんなの私の勝手でしょ。裕介も何か言ってやったら? 溜まってる怒りがあるでしょ」
急に話を振られた裕介は何も言えず、いつもと同じように曖昧な笑みを浮かべるだけだった。
「そいつにそんな度胸があるわけねえだろ。真雪に弱介言われても、黙ってやがるんだぞ。昔とは違うんだよ」
忌まわしい記憶を振り払うかのうように大声を上げ、大貴は七海に早くカードを置けと告げる。
援軍に入ったプレイヤーは、同盟を組んでいる者の陣地にカードを置ける。上限は配置ポイントで、同盟者の拠点が占拠されれば敗北となる。操作は援軍に入ったプレイヤーが行い、特別な効果やデメリットは存在しない。隠しルール次第でどうなるかはわからないが、表のルールではそうなっていた。
「昔とは違っても人の本質は変わらないわ。だから裕介は今も、人見知りだった子供時代の私の背を押してくれた頼りがいのある男の子なのよ」
何かを訴えかけるような目。確かにそんな時もあったかもしれないが、どちらかといえば大貴の認識が合っている。現在の裕介は年下の女の子からバカにされても、文句ひとつ言えないただのヘタレだ。
「僕は……頼られる資格のない男だよ」
「そうかもしれないわね」
あっさりと七海は肯定した。
「だから今は私に頼って。いつか元の格好いい裕介に戻るまでね」
満面の笑みは、正面に立つ大貴を見るなり掻き消える。真剣な顔つきになった七海は、まず裕介の拠点前にシンボルリーダーを置いた。
そのカードを見た瞬間、場にいる誰もが驚愕で目を見開いた。いつになく大貴も声を震わせる。
「レベル十の……村人、だと? お前、俺をコケにしてやがんのか!」
「何で怒ってるのよ。裕介がいつも村人をリーダーにしてるから、私も真似たの。名前も決めてあるのよ。ソフィーリアって言うの」
どうだとばかりにカードならぬキャラ紹介をする七海に、裕介は必ずしも名前などは必要でないと教える。
「ある程度の設定を作れるのも英雄の魅力だけど、戦闘には影響しないから決めない人の方が多いんだ。僕のも単なる趣味みたいなものだしね」
「そ、そうなの?」
裕介がプレイしたのを見た経験しかない七海は、英雄について勘違いをしていた。シンボルリーダーを村人にしたのもそのひとつだ。
考えてみれば、裕介の窮地に黙っていられなくなり、登録をしたのが昨日なのだ。基本的なゲームの遊び方しか知らないのである。
「と、とにかくゲームをしましょう。次はこれね」
やはり拠点の近くに七海はカードを置いた。今度はレベル一の聖騎士だ。性別は女性で、名前はレベッカと設定されている。
「もう一枚も聖騎士よ。これはエレノアね。で、最後は魔騎士。ひとりだけ男性でガルディよ。とりあえず強そうなのを選んでみたの」
量より質という考えで、村人以外は上級職とされる聖騎士と魔騎士が並んだ。
聖騎士はレベル三までの神聖魔法が使える騎士だ。基本はレベル一で一回、レベル五で二回、レベル十で三回となる。レベル十の聖騎士であれば、神聖魔法レベル三の魔法を一回、レベル二を二回、レベル一を三回、装備した魔法に合わせて使えるようになる。
魔騎士は聖騎士の神聖魔法ではなく、通常の魔法を使えるバージョンだ。騎士としての能力を持ち、魔術師の魔法も使える。同じく最高レベルまで到達して、ようやくレベル三の魔法を使えるようになるが、前衛も遠距離攻撃もできる点から汎用性は高い。
「見た限りだと、裕介は大貴の拠点を狙おうとしてるのよね。だったら私は本拠地を守ってあげる」
頼りなかった裕介の拠点防衛隊に、レベル一ながら聖騎士二人と魔騎士一人が加わった。聖騎士のレベッカと魔騎士のガルディをダイナルの左右へ移動させ、盾とすると同時に早速の魔法を使う。
「レベッカに装備した神聖魔法のガードを魔騎士のガルディに、そしてガルディが装備中の魔法のパワーを本人に使うわ」
七海の宣言により、ガルディに防御力を高める効果のガードと、攻撃力を高める効果のパワーが使われた。おかげでレベル一でも、結構な能力になった。
中央にダイナル。右にレベッカで左にガルディ。ダイナルの真後ろにはヒールを装備した聖騎士のエレノア。彼女の右にドナミス、左にレイマッドという布陣となった。
拠点には援軍に来てくれたソフィーリアが入り、すぐ前に神官のミリアルル。ノーマンとリエリの村人コンビはより後方へ避難させた。大貴が全滅を目的としない限りは、村が占拠されても助かる位置だ。
七海が守りを固めてくれたのを受けて、裕介はデュラゾンとアニラを真っ直ぐに敵拠点へ向かわせる。少ない確率の勝利を得るために。
「フン。魔騎士や聖騎士がいても、レベル一じゃ相手にならねえんだよ!」
小手調べなどする必要もないと、大貴は弓兵を使って魔騎士へ間接攻撃を仕掛ける。三度の移動でも戦士では接近しきれない距離だったため、ダメージを与える方法はこれしかなかった。
レベル五の弓兵であれば、本来は魔騎士が相手でもそれなりに生命力を奪えるが、七海の魔騎士は魔法の効果で能力を上昇させていた。
連続での弓攻撃にも耐え抜き、次ターンが始まるとエレノアのヒールで全快近くまで回復する。
「まずはひとりでも戦士の数を減らそう」
提案に七海が頷いたのを受けて、裕介は先陣を切ってきた大貴のシンボルリーダー、レベル十の戦士にドナミスのフレアとレイマッドの弓攻撃を食らわせた。
戦士は生命力と攻撃力こそ高いが、防御力は村人と大差ない。魔法攻撃はもちろん、レベル一の弓兵でもそれなりにダメージを与えられる。
間接攻撃に怯んだかどうかは知らないが、そこへパワーアップ中の魔騎士が渾身の一撃を見舞う。
戦士はまだ倒れないが、ガルディの前にダイナルを出してとどめを刺す。集中攻撃により一枚を倒すと、今度は聖騎士をダイナルの前と右隣に移動させる。集中攻撃を食らうとすぐに倒れてしまうので、攻撃されるポイントを守備力に優れる聖騎士のレベッカとエレノアで塞いだのだ。
「これで一から二ターンは時間が稼げるけど、大砦に接近して、生命力をゼロにするまでの時間を考えるとまだ足りない」
「だったら、頑張るしかないでしょ」
あくまでも前向きな七海につられるように、裕介も弾んだ声で「そうだね」と返した。
戦局はまだ大貴有利だが、良い勝負すらできなかった最近を考えれば上出来だ。
「女に味方してもらって調子に乗ってんのか。お前には相応しいぜ。せいぜい頑張りな」
二枚の弓兵が、ダイナルへ攻撃を仕掛ける。レベル一で守備力に難がある戦士のダイナルだが、ギリギリのところで耐えた。
本当なら対魔術師用の間接攻撃部隊だったのだろうが、裕介と七海の連合軍でまだ魔法を使えるのは、ヒールを残す神官のミリアルルだけだ。
戦力にならないカードを潰しても仕方ないと考え、ダイナルに狙いを変えたのだろう。しかし、能力値の予想を誤ったせいで、瀕死であっても生き残らせる結果になった。
三枚残っている戦士の一枚を使ってダイナルを仕留め、厄介な弓兵のレイマッドをもう一枚で潰す。残りの一枚はダイナルがいなくなって、攻撃を仕掛けられるようになったガルディを狙った。
ターンが裕介に移ると、ミリアルルを移動させてガルディへヒールを使った。これで頼りの魔騎士の生命力が回復した。
魔法を使えなくなった魔術師や神官も敵に攻撃はできるが、正直なところ攻撃力は村人と同等かそれ以下だ。
防御力の低い戦士や弓兵、同じ職種のカードには多少なりともダメージを与えられるが、相手が騎士などになるとまったく戦力にはならない。あとは壁にするくらいである。
しかし例の夢を二度も見て以降、どうにも裕介は犠牲戦法を選べなくなった。それしかないのならそうするべきなのだが、他に良い作戦があるのではないかと必死になって脳みそを働かせる。
昨日の夢でデュラゾンは言った。一対一で戦える状況にして時間を稼ぎ、敵の兵糧が尽きるのを待つ。
英雄は指定ターン数までに決着がつかなければ引き分けとなる。あまりに長々とプレイし続ければ、順番待ちのプレイヤーたちがゲームできなくなってしまうからである。
だが、今回は引き分けを狙えない。物理攻撃メインの部隊を組んだ大貴が、戦法などお構いなしの力任な特攻をひたすら行ってくるせいだ。さすがは真雪の兄というべきか、戦い方もよく似ていた。
大貴には挑発されたが、今の裕介に七海の援軍はありがたい限りだった。本来ならダイナルとレイマッドがやられた時点で、拠点防衛に残っているのは魔法を撃ち終えたドナミスとミリアルル、あとはノーマンとリエリの村人二人になっていた。
けれど七海のおかげで、村の前には能力上昇中の魔騎士と二人の聖騎士が。拠点にはソフィーリアがまだ残っている。
相手は防御力の低い戦士だけに、ドナミスで仕掛けてもダメージは与えられる。ほんの少しであっても役に立つくらい、裕介側の戦力は心許ない。
だからこそ、戦士の一枚へ集中攻撃を行う。間接攻撃のできる弓兵を先に狙うべきか迷ったが、攻撃力に優れる戦士をより脅威だと判断した。
不愉快そうな真雪とは対照的に、大貴は余裕そのものだ。決められたルールなんだから、仕方ねえだろと妹を宥める。
「もっとも昨日登録したばかりのレベル一が援軍に来たところで、結果は変わらねえだろうがな」
「相変わらず自信家ね。昔は何をするにも、裕介に負けてたくせに。体が大きくなってから虐めるのは、その時の仕返しなの? 器の小さい男よね」
「お前も昔は裕介の尻しか見てなかっただろ。ガキの頃からそういう趣味でもあったのかよ」
挑発したつもりが、大貴の反撃で逆に七海が顔を真っ赤にする。
「どこまでも最低な男ね!」
「最初にくだらねえこと言ったのはお前だろ。ガキの頃の話を持ち出しやがって。いつまでそいつにくっついてるつもりだ。保護者にでもなったのか」
「そんなの私の勝手でしょ。裕介も何か言ってやったら? 溜まってる怒りがあるでしょ」
急に話を振られた裕介は何も言えず、いつもと同じように曖昧な笑みを浮かべるだけだった。
「そいつにそんな度胸があるわけねえだろ。真雪に弱介言われても、黙ってやがるんだぞ。昔とは違うんだよ」
忌まわしい記憶を振り払うかのうように大声を上げ、大貴は七海に早くカードを置けと告げる。
援軍に入ったプレイヤーは、同盟を組んでいる者の陣地にカードを置ける。上限は配置ポイントで、同盟者の拠点が占拠されれば敗北となる。操作は援軍に入ったプレイヤーが行い、特別な効果やデメリットは存在しない。隠しルール次第でどうなるかはわからないが、表のルールではそうなっていた。
「昔とは違っても人の本質は変わらないわ。だから裕介は今も、人見知りだった子供時代の私の背を押してくれた頼りがいのある男の子なのよ」
何かを訴えかけるような目。確かにそんな時もあったかもしれないが、どちらかといえば大貴の認識が合っている。現在の裕介は年下の女の子からバカにされても、文句ひとつ言えないただのヘタレだ。
「僕は……頼られる資格のない男だよ」
「そうかもしれないわね」
あっさりと七海は肯定した。
「だから今は私に頼って。いつか元の格好いい裕介に戻るまでね」
満面の笑みは、正面に立つ大貴を見るなり掻き消える。真剣な顔つきになった七海は、まず裕介の拠点前にシンボルリーダーを置いた。
そのカードを見た瞬間、場にいる誰もが驚愕で目を見開いた。いつになく大貴も声を震わせる。
「レベル十の……村人、だと? お前、俺をコケにしてやがんのか!」
「何で怒ってるのよ。裕介がいつも村人をリーダーにしてるから、私も真似たの。名前も決めてあるのよ。ソフィーリアって言うの」
どうだとばかりにカードならぬキャラ紹介をする七海に、裕介は必ずしも名前などは必要でないと教える。
「ある程度の設定を作れるのも英雄の魅力だけど、戦闘には影響しないから決めない人の方が多いんだ。僕のも単なる趣味みたいなものだしね」
「そ、そうなの?」
裕介がプレイしたのを見た経験しかない七海は、英雄について勘違いをしていた。シンボルリーダーを村人にしたのもそのひとつだ。
考えてみれば、裕介の窮地に黙っていられなくなり、登録をしたのが昨日なのだ。基本的なゲームの遊び方しか知らないのである。
「と、とにかくゲームをしましょう。次はこれね」
やはり拠点の近くに七海はカードを置いた。今度はレベル一の聖騎士だ。性別は女性で、名前はレベッカと設定されている。
「もう一枚も聖騎士よ。これはエレノアね。で、最後は魔騎士。ひとりだけ男性でガルディよ。とりあえず強そうなのを選んでみたの」
量より質という考えで、村人以外は上級職とされる聖騎士と魔騎士が並んだ。
聖騎士はレベル三までの神聖魔法が使える騎士だ。基本はレベル一で一回、レベル五で二回、レベル十で三回となる。レベル十の聖騎士であれば、神聖魔法レベル三の魔法を一回、レベル二を二回、レベル一を三回、装備した魔法に合わせて使えるようになる。
魔騎士は聖騎士の神聖魔法ではなく、通常の魔法を使えるバージョンだ。騎士としての能力を持ち、魔術師の魔法も使える。同じく最高レベルまで到達して、ようやくレベル三の魔法を使えるようになるが、前衛も遠距離攻撃もできる点から汎用性は高い。
「見た限りだと、裕介は大貴の拠点を狙おうとしてるのよね。だったら私は本拠地を守ってあげる」
頼りなかった裕介の拠点防衛隊に、レベル一ながら聖騎士二人と魔騎士一人が加わった。聖騎士のレベッカと魔騎士のガルディをダイナルの左右へ移動させ、盾とすると同時に早速の魔法を使う。
「レベッカに装備した神聖魔法のガードを魔騎士のガルディに、そしてガルディが装備中の魔法のパワーを本人に使うわ」
七海の宣言により、ガルディに防御力を高める効果のガードと、攻撃力を高める効果のパワーが使われた。おかげでレベル一でも、結構な能力になった。
中央にダイナル。右にレベッカで左にガルディ。ダイナルの真後ろにはヒールを装備した聖騎士のエレノア。彼女の右にドナミス、左にレイマッドという布陣となった。
拠点には援軍に来てくれたソフィーリアが入り、すぐ前に神官のミリアルル。ノーマンとリエリの村人コンビはより後方へ避難させた。大貴が全滅を目的としない限りは、村が占拠されても助かる位置だ。
七海が守りを固めてくれたのを受けて、裕介はデュラゾンとアニラを真っ直ぐに敵拠点へ向かわせる。少ない確率の勝利を得るために。
「フン。魔騎士や聖騎士がいても、レベル一じゃ相手にならねえんだよ!」
小手調べなどする必要もないと、大貴は弓兵を使って魔騎士へ間接攻撃を仕掛ける。三度の移動でも戦士では接近しきれない距離だったため、ダメージを与える方法はこれしかなかった。
レベル五の弓兵であれば、本来は魔騎士が相手でもそれなりに生命力を奪えるが、七海の魔騎士は魔法の効果で能力を上昇させていた。
連続での弓攻撃にも耐え抜き、次ターンが始まるとエレノアのヒールで全快近くまで回復する。
「まずはひとりでも戦士の数を減らそう」
提案に七海が頷いたのを受けて、裕介は先陣を切ってきた大貴のシンボルリーダー、レベル十の戦士にドナミスのフレアとレイマッドの弓攻撃を食らわせた。
戦士は生命力と攻撃力こそ高いが、防御力は村人と大差ない。魔法攻撃はもちろん、レベル一の弓兵でもそれなりにダメージを与えられる。
間接攻撃に怯んだかどうかは知らないが、そこへパワーアップ中の魔騎士が渾身の一撃を見舞う。
戦士はまだ倒れないが、ガルディの前にダイナルを出してとどめを刺す。集中攻撃により一枚を倒すと、今度は聖騎士をダイナルの前と右隣に移動させる。集中攻撃を食らうとすぐに倒れてしまうので、攻撃されるポイントを守備力に優れる聖騎士のレベッカとエレノアで塞いだのだ。
「これで一から二ターンは時間が稼げるけど、大砦に接近して、生命力をゼロにするまでの時間を考えるとまだ足りない」
「だったら、頑張るしかないでしょ」
あくまでも前向きな七海につられるように、裕介も弾んだ声で「そうだね」と返した。
戦局はまだ大貴有利だが、良い勝負すらできなかった最近を考えれば上出来だ。
「女に味方してもらって調子に乗ってんのか。お前には相応しいぜ。せいぜい頑張りな」
二枚の弓兵が、ダイナルへ攻撃を仕掛ける。レベル一で守備力に難がある戦士のダイナルだが、ギリギリのところで耐えた。
本当なら対魔術師用の間接攻撃部隊だったのだろうが、裕介と七海の連合軍でまだ魔法を使えるのは、ヒールを残す神官のミリアルルだけだ。
戦力にならないカードを潰しても仕方ないと考え、ダイナルに狙いを変えたのだろう。しかし、能力値の予想を誤ったせいで、瀕死であっても生き残らせる結果になった。
三枚残っている戦士の一枚を使ってダイナルを仕留め、厄介な弓兵のレイマッドをもう一枚で潰す。残りの一枚はダイナルがいなくなって、攻撃を仕掛けられるようになったガルディを狙った。
ターンが裕介に移ると、ミリアルルを移動させてガルディへヒールを使った。これで頼りの魔騎士の生命力が回復した。
魔法を使えなくなった魔術師や神官も敵に攻撃はできるが、正直なところ攻撃力は村人と同等かそれ以下だ。
防御力の低い戦士や弓兵、同じ職種のカードには多少なりともダメージを与えられるが、相手が騎士などになるとまったく戦力にはならない。あとは壁にするくらいである。
しかし例の夢を二度も見て以降、どうにも裕介は犠牲戦法を選べなくなった。それしかないのならそうするべきなのだが、他に良い作戦があるのではないかと必死になって脳みそを働かせる。
昨日の夢でデュラゾンは言った。一対一で戦える状況にして時間を稼ぎ、敵の兵糧が尽きるのを待つ。
英雄は指定ターン数までに決着がつかなければ引き分けとなる。あまりに長々とプレイし続ければ、順番待ちのプレイヤーたちがゲームできなくなってしまうからである。
だが、今回は引き分けを狙えない。物理攻撃メインの部隊を組んだ大貴が、戦法などお構いなしの力任な特攻をひたすら行ってくるせいだ。さすがは真雪の兄というべきか、戦い方もよく似ていた。
大貴には挑発されたが、今の裕介に七海の援軍はありがたい限りだった。本来ならダイナルとレイマッドがやられた時点で、拠点防衛に残っているのは魔法を撃ち終えたドナミスとミリアルル、あとはノーマンとリエリの村人二人になっていた。
けれど七海のおかげで、村の前には能力上昇中の魔騎士と二人の聖騎士が。拠点にはソフィーリアがまだ残っている。
相手は防御力の低い戦士だけに、ドナミスで仕掛けてもダメージは与えられる。ほんの少しであっても役に立つくらい、裕介側の戦力は心許ない。
だからこそ、戦士の一枚へ集中攻撃を行う。間接攻撃のできる弓兵を先に狙うべきか迷ったが、攻撃力に優れる戦士をより脅威だと判断した。
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