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2.経理部、田中A子
☆その9、田中A子は酒池肉林①
しおりを挟む「エンボちゃん」
「はい」
「A子ちゃん」
「はい」
「ぶはっ、なんでそんな顔になんの」
「……慣れちゃったんだと思います、多分」
「じゃあ、エンボちゃん?」
「はい」
「エンボちゃん」
「はい」
「俺も呼んで?」
「変態さん」
「いじわる。それとも覚えてねえの?」
「……」
「エンボちゃん」
「……久遠、さん」
「……かわいい、エンボちゃん」
いやだと言ってるのに。耳も、脇も、指の間まで。
捕まえた獲物をもてあそぶように甘噛みと舌なめずりを繰り返している。いつ食らってやろうか、とその時を見定めているみたいで、いつか歯をたてて食いちぎられそうで、怖い。そんなはずないのに。
お風呂をいただいて、歯を磨いて、ちょっとだけお酒を飲んで。今日はこの前よりも時間がゆっくり流れている。頭の中はぼうっと茹だって、降りしきる彼の言葉を、抵抗もできずにあびていた。
「かぁいいね」
「ふぅ、ン……」
「あー……お尻やらかい。すべすべだし。俺、ずっと触ってられるわ」
寝ながら向かい合っているから、お尻を触られると、当然アレが、きわどい所に当たっていて。彼は平然としながら私のお腹に先端をゆるゆるとこすりつけている。やっぱり変態だ。
「ん……久遠さん、おしり、好きなんですか?」
「どうだろ。若いときは胸一択だったけど」
「今もわか、い」
「ありがと。海外だとさ、結構お尻を強調する人も多くて。考え方変わったかも」
揉みしだくというよりは、指の腹ですべるように撫でられて、くすぐったさと気持ちよさが半々。ほどよく鍛えられて固い胸板へぴたりと密着して、長い足と交互に絡めあって。お伽話から出てきた王子様のようなこの人と、すこしでも動くと分かってしまう距離感で、世間話。
「ああ……お尻にシリコンいれる、っ、て」
「いるみたいだね。でも俺はエンボちゃんぐらいがいいかな」
「わたし、ぐら……ッや……!」
どこ触って! 変態!
お尻の穴を触られ、思わず胸を押しのけようとするのに、直前に腰をがっつり掴まれて逃げられない! 不愉快なほどのくすぐったさ。いやだ、きもちわるい、なにより汚い!
「ちっちゃくて収まりよくって」
「さ、さわんないでください! そこっ」
「敏感で」
「やっ……いやっ……!」
「エロいなぁ、お尻がビクビクしてる。穴きもちい?」
「きもちく、ない」
「うそばっかり。嘘つきには挿れちゃおうか」
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