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「まあ、それは冗談として」
彼のその言葉に、レナードとジュディットの強張った顔が少し緩み、明らかに胸を撫で下ろしたのが分かった。
「僕とユスティーナ嬢が抱き合っていたのは事実だよ」
「⁉︎」
先程不貞はしていないと断言した筈のヴォルフラムは、今度は堂々ととんでもない事を言い出す。ユスティーナは彼を見て呆気に取られた。
「兄上、それは不貞をした事を認めると言う事ですか」
レナードは困惑した表情を浮かべヴォルフラムを見遣る。それはそうだろう。先程までの口振りからして真相はどうあれ、まさか自ら公言するとは誰も思わない。
「レナード、お前は相変わらずだね。先程僕とユスティーナ嬢がそんなふしだらな事、する筈ないって話たよね。人の話を聞いていないのかい?」
多分レナードだけじゃない。自分も含めヴォルフラム以外のこの場にいる誰もが彼の言葉に困惑している。
「は?いえ、ですが、兄上は今ユスティーナと抱き合っていたと認めたじゃありませんか。それとも兄上は抱き合うという行為は不貞じゃないと仰りたいんですか?」
レナードの言葉にヴォルフラムは、一人軽快に笑った。
「いや、そんな事思ってはいないよ。僕だって、婚約者がいるにも関わらず、異性と抱き合っていたら不貞になると思うよ」
「それなら、やっぱりユスティーナ様と浮気していたと認めるのね⁉︎」
呆然と立ち尽くしていたジュディットだったが、そこで我に返った様で甲高い声を上げた。
「あぁ、そうか。ジュディット、君もしかしてまだ聞かされていないのかな?」
「え」
「僕達、既に婚約破棄になっているんだよ、それも数ヶ月も前に。だから君はもう僕の婚約者でもなんでもない。僕と君はただの他人だ。その事を理解した上で身の程を弁えてくれないと、困るな。僕の事、忘れられない気持ちも分からなくはないけど、余り執着されると迷惑だからさ」
同じ様な台詞をつい先程聞いた気がする……そんな事をボンヤリと思いながら彼に視線を向けると、目が合った。するとヴォルフラムは少し意地悪そうな笑みを浮かべた。
「婚約破棄って……何よ、それ、私聞いてないわ⁉︎ねぇ、ヴォルフラム、嘘でしょう⁉︎婚約破棄なんて、私信じないわよ⁉︎そんなの認めないっ‼︎」
放心状態で彼女はヴォルフラムに詰め寄るが、彼はユスティーナを抱き寄せると、近付いてきたジュディットを睨みつけ彼女の手を払い除けた。
「あのさ、当然だとは思わないの?あれだけ堂々と不貞を働いて、随分と好き勝手してくれていたよね。全く、僕も軽んじられたものだよ。人の事を莫迦にするのも大概にしなよ。心の広い僕もいい加減我慢の限界だったから、婚約破棄をしただけの事だ。それにさ、ジュディット」
「な、何よ……」
「君は己を知らな過ぎる。君では王妃、いや王太子妃にすらなれないよ。器じゃない」
「っ‼︎」
ジュディットは顔を真っ赤にしながら目を見開き拳を握り締め、歯を食いしばる。身体がワナワナと小刻みに震えていた。その様子から彼女の怒りがヒシヒシと伝わってきて、ユスティーナは息を呑んだ。だがヴォルフラムはそんな彼女を気に留める事なく話を続ける。
「実はさ、今日お茶会を開いたのは、僕とユスティーナ嬢の婚約報告をする為なんだよ」
彼はそう言って、鮮やかに微笑んだ。
彼のその言葉に、レナードとジュディットの強張った顔が少し緩み、明らかに胸を撫で下ろしたのが分かった。
「僕とユスティーナ嬢が抱き合っていたのは事実だよ」
「⁉︎」
先程不貞はしていないと断言した筈のヴォルフラムは、今度は堂々ととんでもない事を言い出す。ユスティーナは彼を見て呆気に取られた。
「兄上、それは不貞をした事を認めると言う事ですか」
レナードは困惑した表情を浮かべヴォルフラムを見遣る。それはそうだろう。先程までの口振りからして真相はどうあれ、まさか自ら公言するとは誰も思わない。
「レナード、お前は相変わらずだね。先程僕とユスティーナ嬢がそんなふしだらな事、する筈ないって話たよね。人の話を聞いていないのかい?」
多分レナードだけじゃない。自分も含めヴォルフラム以外のこの場にいる誰もが彼の言葉に困惑している。
「は?いえ、ですが、兄上は今ユスティーナと抱き合っていたと認めたじゃありませんか。それとも兄上は抱き合うという行為は不貞じゃないと仰りたいんですか?」
レナードの言葉にヴォルフラムは、一人軽快に笑った。
「いや、そんな事思ってはいないよ。僕だって、婚約者がいるにも関わらず、異性と抱き合っていたら不貞になると思うよ」
「それなら、やっぱりユスティーナ様と浮気していたと認めるのね⁉︎」
呆然と立ち尽くしていたジュディットだったが、そこで我に返った様で甲高い声を上げた。
「あぁ、そうか。ジュディット、君もしかしてまだ聞かされていないのかな?」
「え」
「僕達、既に婚約破棄になっているんだよ、それも数ヶ月も前に。だから君はもう僕の婚約者でもなんでもない。僕と君はただの他人だ。その事を理解した上で身の程を弁えてくれないと、困るな。僕の事、忘れられない気持ちも分からなくはないけど、余り執着されると迷惑だからさ」
同じ様な台詞をつい先程聞いた気がする……そんな事をボンヤリと思いながら彼に視線を向けると、目が合った。するとヴォルフラムは少し意地悪そうな笑みを浮かべた。
「婚約破棄って……何よ、それ、私聞いてないわ⁉︎ねぇ、ヴォルフラム、嘘でしょう⁉︎婚約破棄なんて、私信じないわよ⁉︎そんなの認めないっ‼︎」
放心状態で彼女はヴォルフラムに詰め寄るが、彼はユスティーナを抱き寄せると、近付いてきたジュディットを睨みつけ彼女の手を払い除けた。
「あのさ、当然だとは思わないの?あれだけ堂々と不貞を働いて、随分と好き勝手してくれていたよね。全く、僕も軽んじられたものだよ。人の事を莫迦にするのも大概にしなよ。心の広い僕もいい加減我慢の限界だったから、婚約破棄をしただけの事だ。それにさ、ジュディット」
「な、何よ……」
「君は己を知らな過ぎる。君では王妃、いや王太子妃にすらなれないよ。器じゃない」
「っ‼︎」
ジュディットは顔を真っ赤にしながら目を見開き拳を握り締め、歯を食いしばる。身体がワナワナと小刻みに震えていた。その様子から彼女の怒りがヒシヒシと伝わってきて、ユスティーナは息を呑んだ。だがヴォルフラムはそんな彼女を気に留める事なく話を続ける。
「実はさ、今日お茶会を開いたのは、僕とユスティーナ嬢の婚約報告をする為なんだよ」
彼はそう言って、鮮やかに微笑んだ。
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