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第一章 森の中の転生姫は王子と密会する
5.美しい青年との出会い*えみり視点
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えみりが転生して数ヶ月が経った。
精霊達のお陰で生活に必要なものは整い、家庭菜園を作って料理を楽しんでいた。
「オーちゃん!ここのトマトの苗に水をかけて頂戴」
そう言うと、水色の羽を優雅に羽ばたかせて苗にキラキラと水を注いだ。
オーちゃんは
「「これでどう?」」
と、得意げに言った。
「ありがとう、オーちゃん!これで今日の畑仕事は終わり!次は植物の精霊さん、新しいドレスを作るのを手伝って貰えないかしら?」
植物の精霊さんは待ってましたと言わんばかりに麻やシルクなどの材料を広げた。
「「えみりちゃん、どんなドレスがいい?」」
私がどんなイメージかを伝えると、素材達がすごい速さで宙を舞い編み込まれてゆく。
その間にみんなの分の料理を作って、畑仕事で汚れた身体を泉で清めた。
「「できたよー!えみり!」」
そう言って植物の精霊が作ってくれたドレスは、ふわっとしたプリンセスラインの薄ピンク色で、可愛いリボンが施されており、精霊が作ったからかキラキラと光の粉が周りを覆っている。
「わぁ!素敵!!ありがとう植物の精霊さん」
「「喜んでもらえてよかったよ!早く着てみて!」」
私は前世なら絶対に着れないこのいかにもお姫様!という可愛らしいドレスを着てみた。
(こんな人形みたいに可愛いく転生したんだからせっかくなら可愛いドレスを着なきゃね!)
ドレスを着て泉の水面に映る自分を見ると、前世で幼い頃に読んだ物語のお姫様みたい…と見惚れてしまった。
(お姫様といえば王子様。この世界に来て数ヶ月。まだ人間に会っていないけどさすがに人と話したい。)
「…王子様っているのかな?」
ボソッと呟いていると、後ろから
「まるで女神のようだ…」
という声が聴こえてきた。
声の方向に目を向けると、そこには見たこともないくらい美しい青年が立っていた。
少し緑がかっているブロンドの髪にエメラルドのような瞳、端正な顔立ちには気品と優しさが溢れ出ている。
私はその美しさに見惚れて顔が熱い。
なにも返せないでいると、彼は近づいてきて跪き、
「はじめまして。私はヴェルトゥール王国の王子、テオドールと申します。美しい貴方にキスを。」
そう言い、私の手の甲に彼の柔らかい唇がキスをした。
前世で恋人がいたこともなく、男性と親しくしたことがなかった私にとって、急にこれはハードルが高すぎる。私の恥ずかしさと心拍数は限界突破して、気づいたら
「きゃーーーーー!へんたいーー!!」
と叫び、彼の美しい頬にビンタを食らわせてしまったのだ…。
王子は後悔した。
急に見知らぬ男性が現れて肌に触れるなど、怯えて当然だ。
自分を制しきれなかった自分に腹が立つ。
しかしえみりもまた後悔した。
(やばい、王子に手を出すって不敬罪で捕まる?!)
「あ、あの。ごめんなさい。王子様。急で驚いてしまって、なんとお詫びしたらいいか…。」
王子はホッとした様子で、
「いや、いいんだ。僕が君の美しさに当てられて抑えきれず急にキスをしてしまったから。君の名前を教えてもらってもいいかな?」
(は?え?なにこの王子、ゲロ甘すぎない?)
どタイプイケメンの恥ずかしいくらいのゲロ甘発言に私の顔はもう茹で上がっていた。
「…えみり。えみりと申します。」
王子はふっと柔らかい笑みを浮かべ、
「エミリか。いい名前だね。」
と言った。
王子はなぜここへ?疑問が沢山あったが、とりあえず昼時なので食事をしたい。
「あの王子様、一緒にお昼ご飯を食べませんか?」
王子はぱぁーっと嬉しそうな顔になった。
「もしお邪魔でなければ。そして僕のことはテオって呼んでくれないか?」
いやいや、王子にあだ名で呼ぶなんて。
「それは…お会いしたばかりなのでテオドール様でもいいでしょうか?」
ちょっと不満げな顔で王子は頷いた。
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読んでくださりありがとうございました!
王子は溺愛しています。
次回、みんなでカレーライス!
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