森の中の転生姫は王子に溺愛され世界を救う

もも苺

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第一章 森の中の転生姫は王子と密会する

6.ロンの糸渡り、そしてカレーライス

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_____________________________________________


ロンはカラフルな糸を入念に眺めていた。


(まずいな、水色の糸が緑の糸に呑み込まれそうだ。)


この緑の糸は数千年に一度水が足りなくなってしまい水色の糸に絡まってくる。


もしそのまま絡まり続ければその二つの世界は無くなってしまうだろう。


ボクは急いで緑の神様の所へ足を運んだ。


「「やぁ!緑の神様。元気だった?」」


緑の神様は森の中の一番大きな木の上でのんびりお茶を飲んでいた。


「おお。2千年ぶりかのぉ。糸の渡りびとよ。」


「「良く覚えてるね。ボクは忙しすぎてまだ500年くらいの気分だったよ。」」

「無理もない。君は働きすぎだ。それにしても君がきたと言うことはアレが始まったのかね?」

「「そう、そうゆうこと。あと5年で水色の糸を絡めとって二つの世界は消えてしまうね。」」

「はぁ。もうちょっとはやく来れんかったか。糸の渡りびとよ。」

「「ごめんごめん、忙しくってね。乙女は精霊の森にボクの加護を付けて無事到着したよ」」

「…なんと。君が加護を付けるとは。お気に入りなのかい?」

「「まあね。それじゃあ、この国の王族にきちんと伝えるんだよ!ばいばい!」」

そう言ってロンは颯爽と消えていった。

「もうちっとゆっくりしたらいいのにのぉ」

長い白髭の生えた緑の神様は少し名残惜しそうにそう呟いた。


°・°・°・°・°・


テオドール王子はドキドキしながらエミリのお家へと入って行く。


中は温かい木で出来たログハウスの様だった。リビングには精霊が用意した可愛らしい食器が机に並べられている。

「さぁ、皆さんカレーライスを食べましょう!」

そう言い、お皿に沢山の白い粒を入れてそれに茶色のスープをかけた。

「これは何という食べ物ですか?」

王子は不思議そうに、でも興味津々という様子で尋ねた。


「これはですね、 という食べ物です。この白いのがお米。稲という植物を水で炊いたもの。茶色のスープは野菜やお肉、そしてスパイスで煮たものです。」

「とても良い香りがします。頂いても?」

「もちろんです!お席に座ってたべてみて下さい」

そう言われると王子は可愛い木で出来た椅子に座り、目の前のカレーライスを口に頬張った。

ん!

王子は初めて食べるカレーライスの美味しさに驚き一瞬固まった。

「おっ、おいしすぎる!!」

王子はそのまま完食するまで手を止めることなくパクパクと食べ続けた。

「おかわりをください!」

「テオドール様が気に入ってくれて良かったです」

私は素直に喜んでもらえて嬉しかった。


食べ終わった後、綿毛の柔らかいソファーに腰をかけてこの世界のことについて詳しく聞くことにした。

「テオドール様、私はこの森から出たことがなくて…。詳しくお聞きしてもよろしいですか?」

「そうだね。僕はエミリに色々と話しておかなければならないことがある。まずエミリは転生者だね?」

思いがけない事を言われて私は驚いた。

「えっ?知っていたの?どうゆうこと?」

「まあ、待って。初めから説明する。水色の糸の世界と緑色の糸の世界は古くから深い関わりがあるんだ。」

「そういえば、ロンが見せてくれた糸は緑色の糸に引っ張られてた。」

王子は驚いた顔をして、

「エミリは糸を見せてもらったのかい?やはり糸の渡りびとの加護を受けているんだね」

なるほど。糸を見たり加護を与えられるのは珍しい事なのか。

「話は続くけど、数千年に一度緑色の糸は水を欲して水色の糸に絡まり始める。それを放っておくと二つの世界は消滅してしまうんだ。」

(え、それって私の元いた世界が消えてしまう可能性があるってこと?)

「それを回避する為に、神様が糸の渡り人にお願いして水の精霊持ちのものをこの世界に連れてくるんだ」

「じゃあ、、私が来たってことはもう二つの世界が消滅することはない?」

王子は難しい顔をして、しかし何故か顔を赤らめて

「残念ながら来ただけではダメなんだ。儀式を行わなければならない。」

「なら早く儀式でもなんでもしてしまいましょう!私のせいで世界が消滅なんて嫌だわ!」

「なんて積極的なんだ…」

そう王子が呟きソファーに押し倒され唇にキスをされた。

(は?意味不明なんだけど?!しかもファーストキスなんだけど?!)

私はわなわなと震えて今度はお腹を思いっきりグーで殴ったのでした。


_____________________________________________


ありがとうございました。


王子、抑えて。

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