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10新たな被害者
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次の日の朝、実乃梨はいつも通り会社に行く支度をしていた。朝食を取りながら、テレビを何気なく眺めていると、今朝も殺人事件のニュースが流れていた。
「不老不死連続殺人事件の新たな被害者が出てしまいました。昨日未明、女性の遺体が発見されました。場所は……」
年齢は九十代女性。今回の被害者の女性もまた、国に不老不死の申請を出していた一人。今までの被害者と同様に、男性にレイプ後、刃物のようなもので腹部を刺され、殺害されたらしい。
昨日、自分が今度の標的だと言わんばかりの電話を受けた実乃梨は、いつ自分が死体となって報道されるのかと、ひやひやしながらテレビを見ていた。しかし、いつまでもテレビにかじりついているわけにもいかない。実乃梨は会社に行く支度をするため、途中でテレビの電源を切ろうとしたが、ある情報を耳にして、そのままテレビの画面にくぎ付けとなる。
「亡くなった不老不死の女性たちのもとには、殺害される数日前、勤務先の会社などに電話がかかり、封筒が自宅に届いていた、ということが明らかになっています。不審な電話や封筒が届いた場合は、ためらわずに警察に通報しましょう。国と警察は全国の不老不死となった女性たちの保護を開始することに……」
ぶつり、今度こそテレビの電源が落とされた。
「これはやばい……」
次の犯人のターゲットは実乃梨で間違いない。ニュースを聞いて確信したが、そのためだけに仕事を休むわけにはいかない。もし、正直に殺害予告が届いたことを会社に話すとして、自分が不老不死だと会社の人間に話すというのか。そうなれば、自分が不老不死だということが会社にばれて、白い目で見られてしまうかもしれない。せっかく今の職場に慣れてきたころなのに、それは避けたいところだ。
「おはようございます」
実乃梨が会社に着くと、事務所は異様な雰囲気に包まれていた。普段なら、会社に到着した者からすぐに仕事に取り掛かるはずなのに、今日はどこかしこで数人が集まり、こそこそと何事かささやき合っている。
「おはようございます。栄枝さん、今朝のニュース見ました?」
「ええと、もしかして不老不死の女性が殺害されたというものですか?一応、朝のトップニュースで報道されていたので、概要などは知っていますが」
「それなら話が早い。今朝、会社の方に連絡が入ったみたいですよ。なんでも、今回の被害者が、うちの取引先の事務の女性だったらしいです」
事情が呑み込めない実乃梨に、会社の異様な雰囲気を説明してくれたのは、同期の榎木だった。
「取引先の事務の女性が不老不死……」
実乃梨は今朝のニュース内容を必死に思い出す。確か、事件は実乃梨の住んでいる隣の県で起こっていた。名前は確か、『倉橋』だった気がする。倉橋、隣の県、取引先の女性。取引先の誰が不老不死の女性だったのか考えている間にも、榎木は話を続ける。
「それで、彼女が不老不死だったということが、会社で話題になっていまして。だって、いくら不老不死の女性が増えてきているとはいえ、なかなか本人たちは周りに自己申告しないじゃないですか。だから、身近に不老不死の人間がいることに驚きで。しかも年齢は九十歳」
「もし、私が不老不死だと言ったらどうしますか?」
それ以上、榎木の話を聞いていられなくて、実乃梨は話を遮るため、無意識に問いかけていた。
「不老不死連続殺人事件の新たな被害者が出てしまいました。昨日未明、女性の遺体が発見されました。場所は……」
年齢は九十代女性。今回の被害者の女性もまた、国に不老不死の申請を出していた一人。今までの被害者と同様に、男性にレイプ後、刃物のようなもので腹部を刺され、殺害されたらしい。
昨日、自分が今度の標的だと言わんばかりの電話を受けた実乃梨は、いつ自分が死体となって報道されるのかと、ひやひやしながらテレビを見ていた。しかし、いつまでもテレビにかじりついているわけにもいかない。実乃梨は会社に行く支度をするため、途中でテレビの電源を切ろうとしたが、ある情報を耳にして、そのままテレビの画面にくぎ付けとなる。
「亡くなった不老不死の女性たちのもとには、殺害される数日前、勤務先の会社などに電話がかかり、封筒が自宅に届いていた、ということが明らかになっています。不審な電話や封筒が届いた場合は、ためらわずに警察に通報しましょう。国と警察は全国の不老不死となった女性たちの保護を開始することに……」
ぶつり、今度こそテレビの電源が落とされた。
「これはやばい……」
次の犯人のターゲットは実乃梨で間違いない。ニュースを聞いて確信したが、そのためだけに仕事を休むわけにはいかない。もし、正直に殺害予告が届いたことを会社に話すとして、自分が不老不死だと会社の人間に話すというのか。そうなれば、自分が不老不死だということが会社にばれて、白い目で見られてしまうかもしれない。せっかく今の職場に慣れてきたころなのに、それは避けたいところだ。
「おはようございます」
実乃梨が会社に着くと、事務所は異様な雰囲気に包まれていた。普段なら、会社に到着した者からすぐに仕事に取り掛かるはずなのに、今日はどこかしこで数人が集まり、こそこそと何事かささやき合っている。
「おはようございます。栄枝さん、今朝のニュース見ました?」
「ええと、もしかして不老不死の女性が殺害されたというものですか?一応、朝のトップニュースで報道されていたので、概要などは知っていますが」
「それなら話が早い。今朝、会社の方に連絡が入ったみたいですよ。なんでも、今回の被害者が、うちの取引先の事務の女性だったらしいです」
事情が呑み込めない実乃梨に、会社の異様な雰囲気を説明してくれたのは、同期の榎木だった。
「取引先の事務の女性が不老不死……」
実乃梨は今朝のニュース内容を必死に思い出す。確か、事件は実乃梨の住んでいる隣の県で起こっていた。名前は確か、『倉橋』だった気がする。倉橋、隣の県、取引先の女性。取引先の誰が不老不死の女性だったのか考えている間にも、榎木は話を続ける。
「それで、彼女が不老不死だったということが、会社で話題になっていまして。だって、いくら不老不死の女性が増えてきているとはいえ、なかなか本人たちは周りに自己申告しないじゃないですか。だから、身近に不老不死の人間がいることに驚きで。しかも年齢は九十歳」
「もし、私が不老不死だと言ったらどうしますか?」
それ以上、榎木の話を聞いていられなくて、実乃梨は話を遮るため、無意識に問いかけていた。
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