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26お届け物です
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いつものように永徳に送ってもらって出勤すると、すでに相沢が席について仕事を始めていた。
「おはよう」
「お、おはようございます。栄枝先輩」
一日や二日でドモリがなくなることはないらしい。どもっていても、仕事をきちんとこなしてくれれば問題はない。実乃梨は横目に相沢の仕事姿を見ながら、自分の仕事に集中することにした。
「栄枝さん、今日こそ一緒にお昼を食べましょう」
「先輩、昼休憩ですけど、一緒に食べませんか?」
午前中は特に大きなミスもなく終わった。相沢からの質問に答えたり、新たなことを教えたりしながら過ごしていたら、あっという間に昼休憩の時間となった。自分の机で食べようか、食堂まで足を運ぼうかと考えていると、二人の女性から声をかけられる。
「一人で考えたいことがあるから、二人で食堂に行って食べてきたら?」
どちらを選択しても、後々、面倒な気がした実乃梨はそっけない返答となる。それに対して、二人は引き下がらない。
「栄枝さん、倒れてから私と一緒にお昼を取ってくれないでしょ。いろいろ話したいことがあるんだけど」
「ここは後輩の言うことを聞くところです。榎木先輩は遠慮してください」
なんだか妙な雰囲気になってきた。これではまるで、実乃梨に好意を持った二人が争って言い合いをしているみたいだ。自分がそんな目に遭っていることに吐き気がする。
気分が悪くなりながらも、二人を無視して実乃梨は自分の机で黙々と弁当を食べるのだった。気付けば、三人仲良く自分の机で昼食を取っていた。
「お届け物です。ここにサインをお願いします」
昼休憩が終わってすぐのことだった。派遣社員が来る前に頼んでいた、社内で使う文具を運送会社が持ってきた。運送業者はいつも使っているところだったが、配達してくれた人間は、実乃梨が初めて見る顔だった。たまたま、会社の入り口付近にいた実乃梨が荷物を受け取る。
「ありがとうございました」
帽子を目深にかぶっていたが、サインをするために近づくと、顔を間近に見ることができた。女性の配達員も最近はよく見かけるが、彼女たちは皆、配達の仕事柄、日に焼けていることが多い。しかし、その女性は色が白く、配達の仕事を生業にしているようには見えなかった。実乃梨にじっと見られていることを知った配達員が苦笑する。
「色白だから、皆さん、私のことが気になるみたいですね」
「ええと」
「気にしていません。肌の体質上、なかなか日焼けしないんですよ。それに、肌荒れしないように、日焼け止めもしっかり塗っていますから」
どう答えたらいいか悩んでいた実乃梨だが、その後に続く配達員の言葉に背筋が凍ってしまった。
「これは、おまけです。よかったら休憩時間にでも、新人ちゃんと一緒に見てくださいね」
去り際に、配達員にこっそりと耳元でささやかれ、実乃梨のポケットに一枚の紙きれをねじ込んできた。慌てて言葉の意味を探るため相手を追いかけようとするが、それは敵わない。
「先輩、荷物の開封をしましょう。インク切れのボールペンが結構あったみたいで、カスカスのボールペンが、あちこちのペン立てに刺さっていますから、さっさと取り換えましょう」
追いかけようとする腕をがっちりと掴まれた。つかんできたのは、相沢だった。昨日までの口下手で真面目そうな雰囲気が一変し、媚びたような嫌な笑顔を張り付けて、実乃梨をこの場から逃げ出さないようにがっちりと腕をつかんでいる。
腕を振り払うことも可能だが、周りには他の社員もいる。ここで騒ぎを起こすメリットがない。実乃梨は相沢の言う通りに、荷物の開封に専念することにした。
「おはよう」
「お、おはようございます。栄枝先輩」
一日や二日でドモリがなくなることはないらしい。どもっていても、仕事をきちんとこなしてくれれば問題はない。実乃梨は横目に相沢の仕事姿を見ながら、自分の仕事に集中することにした。
「栄枝さん、今日こそ一緒にお昼を食べましょう」
「先輩、昼休憩ですけど、一緒に食べませんか?」
午前中は特に大きなミスもなく終わった。相沢からの質問に答えたり、新たなことを教えたりしながら過ごしていたら、あっという間に昼休憩の時間となった。自分の机で食べようか、食堂まで足を運ぼうかと考えていると、二人の女性から声をかけられる。
「一人で考えたいことがあるから、二人で食堂に行って食べてきたら?」
どちらを選択しても、後々、面倒な気がした実乃梨はそっけない返答となる。それに対して、二人は引き下がらない。
「栄枝さん、倒れてから私と一緒にお昼を取ってくれないでしょ。いろいろ話したいことがあるんだけど」
「ここは後輩の言うことを聞くところです。榎木先輩は遠慮してください」
なんだか妙な雰囲気になってきた。これではまるで、実乃梨に好意を持った二人が争って言い合いをしているみたいだ。自分がそんな目に遭っていることに吐き気がする。
気分が悪くなりながらも、二人を無視して実乃梨は自分の机で黙々と弁当を食べるのだった。気付けば、三人仲良く自分の机で昼食を取っていた。
「お届け物です。ここにサインをお願いします」
昼休憩が終わってすぐのことだった。派遣社員が来る前に頼んでいた、社内で使う文具を運送会社が持ってきた。運送業者はいつも使っているところだったが、配達してくれた人間は、実乃梨が初めて見る顔だった。たまたま、会社の入り口付近にいた実乃梨が荷物を受け取る。
「ありがとうございました」
帽子を目深にかぶっていたが、サインをするために近づくと、顔を間近に見ることができた。女性の配達員も最近はよく見かけるが、彼女たちは皆、配達の仕事柄、日に焼けていることが多い。しかし、その女性は色が白く、配達の仕事を生業にしているようには見えなかった。実乃梨にじっと見られていることを知った配達員が苦笑する。
「色白だから、皆さん、私のことが気になるみたいですね」
「ええと」
「気にしていません。肌の体質上、なかなか日焼けしないんですよ。それに、肌荒れしないように、日焼け止めもしっかり塗っていますから」
どう答えたらいいか悩んでいた実乃梨だが、その後に続く配達員の言葉に背筋が凍ってしまった。
「これは、おまけです。よかったら休憩時間にでも、新人ちゃんと一緒に見てくださいね」
去り際に、配達員にこっそりと耳元でささやかれ、実乃梨のポケットに一枚の紙きれをねじ込んできた。慌てて言葉の意味を探るため相手を追いかけようとするが、それは敵わない。
「先輩、荷物の開封をしましょう。インク切れのボールペンが結構あったみたいで、カスカスのボールペンが、あちこちのペン立てに刺さっていますから、さっさと取り換えましょう」
追いかけようとする腕をがっちりと掴まれた。つかんできたのは、相沢だった。昨日までの口下手で真面目そうな雰囲気が一変し、媚びたような嫌な笑顔を張り付けて、実乃梨をこの場から逃げ出さないようにがっちりと腕をつかんでいる。
腕を振り払うことも可能だが、周りには他の社員もいる。ここで騒ぎを起こすメリットがない。実乃梨は相沢の言う通りに、荷物の開封に専念することにした。
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