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33入れ替わり
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入学してから数カ月がたち、ヒナタとミツキの入れ替わりの高校生活も板についてきた。ヒナタから始まり、2週間ごとにミツキと交代で高校に通う。初めは、ばれるどうか、びくびくしながら通っていた。しかし、もともとヒナタとミツキは一卵性の双子で、顔がそっくりで間違えられることも多かったので、ばれることはなかった。
今では、互いの情報を共有して、クラスメイトとも違和感なく会話することができている。
今週はミツキが高校に通う順番だった。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。匠さん。」
ミツキは母親に挨拶をする。母親は当然のようにミツキのことを匠さんと呼んでいたが、すでに双子は気にすることをやめてしまった。双子の区別がついていない母親は、双子のどちらが高校に行こうが構わないようだった。そもそも、双子の区別がついているのかも怪しい。そのため、ミツキがヒナタの代わりに高校に通うことになっても、ばれることはなかった。
いつもの挨拶の光景がそこにあった。
「おはよう、ヒナタ。」
「……。」
ヒナタが苦手としている杉浦と、ミツキは親しくなっていた。どうしてそこまで杉浦を嫌うのかミツキには謎だった。しかし、急に態度を変えるのは変だろうということで、ヒナタに合わせた言動を心がけている。
「いつも思うけど、お前って、実は二重人格とかじゃあないよな。」
杉浦は勘が良い男だった。本人は隠しているつもりだろうが、二週間ごとになんとなくだが、雰囲気や行動、性格が変わっているような気がしたのだ。あくまで感じるというだけで、他のクラスメイトは気づいていない。
「まさか。そんな非現実的なこと、あるわけないだろう。しかも、二重人格なら、わざわざ二週間ごとみたいなきっかりした期限なんてない。」
ミツキは内心、自分たちが双子だとばれたのかと思った。しかし、そうではないようだと気付いたのは、それから話題を振ってこなくなったからだ。
「それもそうか。そういえば、弟のミツキは元気か。」
「あ、ああ。ミツキは元気だよ。」
今の自分はヒナタとしてK学園にいるが、急に自分のことを聞いてきたので、動揺したが、何とか言葉を絞りだした。
「ふうん。まあ、元気ならいいか。お前らが一緒にいない違和感にも慣れてきた。」
「ま、まあいつまでも一緒じゃあ、やばいと思ったんだよ。」
ミツキの言葉に杉浦は納得いかないような顔をしていたが、始業のチャイムが鳴ると、おとなしく自分の席に着いた。
ミツキが学校に行っている間は、ヒナタは家で母親と留守番していた。母親はすでに家事全般をやらなくなって久しいので、洗濯や掃除などは、ヒナタかミツキ、家にいるどちらかがやることになっていた。
バイトの方は、ミツキの名前で働いていたが、A高に通っていることになっていたので、平日の日中はバイトが入っていなかった。
「本当に匠さんなのよね。嘘みたい。いつもこんなに一緒に居られるなんて。私は今、最高に幸せ。」
「よかったよ。」
ヒナタは、仕方なく母親の会話に合わせることにした。自分たちを父親と思っているうちは、平穏だからだ。下手に現実を見せない方がいいと思った。
機嫌がいいと、自分の部屋にこもって勉強していても、邪魔をされることがない。いくら優秀でも、二週間ずつしか高校に通えていないので、勉強は遅れがちだ。家にいる間もしっかりと予習復習をしなくては追い付けない。
母親が雇った家庭教師は、週に2回来ることになっていたが、母親に家庭教師に双子ということを隠しておくように言われたため、実質一人が受ける授業は週一回となっていた。週二回をヒナタとミツキが一回ずつ受けることにしていた。
「家庭教師を雇っても、今のままの勉強じゃ、将来不安だなあ。」
将来の不安を抱えながらも、ヒナタは今日も高校の勉強を家でするのだった。
今では、互いの情報を共有して、クラスメイトとも違和感なく会話することができている。
今週はミツキが高校に通う順番だった。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。匠さん。」
ミツキは母親に挨拶をする。母親は当然のようにミツキのことを匠さんと呼んでいたが、すでに双子は気にすることをやめてしまった。双子の区別がついていない母親は、双子のどちらが高校に行こうが構わないようだった。そもそも、双子の区別がついているのかも怪しい。そのため、ミツキがヒナタの代わりに高校に通うことになっても、ばれることはなかった。
いつもの挨拶の光景がそこにあった。
「おはよう、ヒナタ。」
「……。」
ヒナタが苦手としている杉浦と、ミツキは親しくなっていた。どうしてそこまで杉浦を嫌うのかミツキには謎だった。しかし、急に態度を変えるのは変だろうということで、ヒナタに合わせた言動を心がけている。
「いつも思うけど、お前って、実は二重人格とかじゃあないよな。」
杉浦は勘が良い男だった。本人は隠しているつもりだろうが、二週間ごとになんとなくだが、雰囲気や行動、性格が変わっているような気がしたのだ。あくまで感じるというだけで、他のクラスメイトは気づいていない。
「まさか。そんな非現実的なこと、あるわけないだろう。しかも、二重人格なら、わざわざ二週間ごとみたいなきっかりした期限なんてない。」
ミツキは内心、自分たちが双子だとばれたのかと思った。しかし、そうではないようだと気付いたのは、それから話題を振ってこなくなったからだ。
「それもそうか。そういえば、弟のミツキは元気か。」
「あ、ああ。ミツキは元気だよ。」
今の自分はヒナタとしてK学園にいるが、急に自分のことを聞いてきたので、動揺したが、何とか言葉を絞りだした。
「ふうん。まあ、元気ならいいか。お前らが一緒にいない違和感にも慣れてきた。」
「ま、まあいつまでも一緒じゃあ、やばいと思ったんだよ。」
ミツキの言葉に杉浦は納得いかないような顔をしていたが、始業のチャイムが鳴ると、おとなしく自分の席に着いた。
ミツキが学校に行っている間は、ヒナタは家で母親と留守番していた。母親はすでに家事全般をやらなくなって久しいので、洗濯や掃除などは、ヒナタかミツキ、家にいるどちらかがやることになっていた。
バイトの方は、ミツキの名前で働いていたが、A高に通っていることになっていたので、平日の日中はバイトが入っていなかった。
「本当に匠さんなのよね。嘘みたい。いつもこんなに一緒に居られるなんて。私は今、最高に幸せ。」
「よかったよ。」
ヒナタは、仕方なく母親の会話に合わせることにした。自分たちを父親と思っているうちは、平穏だからだ。下手に現実を見せない方がいいと思った。
機嫌がいいと、自分の部屋にこもって勉強していても、邪魔をされることがない。いくら優秀でも、二週間ずつしか高校に通えていないので、勉強は遅れがちだ。家にいる間もしっかりと予習復習をしなくては追い付けない。
母親が雇った家庭教師は、週に2回来ることになっていたが、母親に家庭教師に双子ということを隠しておくように言われたため、実質一人が受ける授業は週一回となっていた。週二回をヒナタとミツキが一回ずつ受けることにしていた。
「家庭教師を雇っても、今のままの勉強じゃ、将来不安だなあ。」
将来の不安を抱えながらも、ヒナタは今日も高校の勉強を家でするのだった。
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