転校生をバカにすることなかれ

折原さゆみ

文字の大きさ
33 / 58
続編~中学校編①~

17

しおりを挟む
「おはようございます。あら、朝から騒がしいわね。」

 先生がやってきてしまった。

「キーンコーンカンコーン。」

 無情にも始業のチャイムが鳴り響く。みな、私たち3人の様子が気になるが、クラスメイトはおとなしく席に着いた。




「さて、向田君の顔はどうしたのかしら。それと、どうして別府さんは泣いているのか説明できる人はいる。」

 たまたま今日は終業式であるが、その前に学活の授業が設けられていた。本来は成績表などを渡す時間なのだが、この教室の有様だったので、急きょ、話し合いとなってしまった。

 話し合いの結果、双方悪いという結果に落ち着いた。そして、なぜか私も今回の騒動に関係があるとして、放課後残ることになってしまった。

 私と別府えにし、イケメンバカの三人は、終業式が終わって、帰りのHRが終わり次第、教室に残るように言われてしまった。




 それからはひどい有様だった。別府えにしは泣いて話もできない状態に自ら作り出していて、イケメンバカは興奮してまともに話をする気配がない。

 私がこの3人の中で、唯一まともに話ができる状態だったが、すでに面倒くさくなっていた。だから、私も二人と同じように話をするのをやめた。そのために、先生は今回の騒動がどのようなものかわからないようだった。


 そのまま、話があいまいなまま、結局、夏休みを迎えてしまったのだった。




 余談だが、別府えにしは、イケメンバカに頬をはたかれたと親に伝えたようだ。それに激怒した両親が、イケメンバカの家に乗り込んだとか、こっぴどくイケメンバカの家族はやられたとかいううわさが流れてきた。

 私は別に可哀想などと思わなかった。ただ、自業自得だとしか思えなかった。

 こうしてみると、私はいかにクズな男に振り回されていたかがわかる。しかし、それもこの一学期で終わりだ。


 二学期以降は、私はイケメンバカとは縁を切ろう。どうせなら、彼がもう二度と学校に来られないくらいの出来事が起こればいいとさえ思っていた。


 今まで、勇気がなくてできなかったが、別府えにしのおかげで踏ん切りをつけることができた。

 変な奴だったが、それでも私は彼女に感謝している。




 私は夏休みの最終日、イケメンバカ、向田俊哉の家にわざわざ出向いて、両親も呼びだしていってやったのだ。


「金輪際、私に近づかないでください。近づいたら、お前ら家族をぶっ潰してやる。」


 彼も彼の両親も、私の言葉を真に受けることはなかったが、私は本気だった。とはいえ、ぶっ潰すといっても、殺害とか傷害事件を起こしてしまっては、その後の私の人生がダメになる。

 もっといい方法がある。それは私が自殺未遂をすることだ。そうだ、遺書をかこう。遺書にあいつのことを書いてやれば、あの家族はさぞダメージを受けるだろう。

 その時の私は正気ではなかった。そのまま、勢いのまま、遺書を書き、自分の部屋で首を吊った。

 そのまま死んでしまえば話は終わりだが、死にはしなかった。死ぬ前に母親が見つけて命はとりとめた。最初から死ぬ予定はなかったので、あらかじめ母親がいる時間帯を見計らっての行動だった。



 そして、遺書は見つかったが、私は記憶を失った。隣の彼のことは全く覚えていなかった。

 ただ、一つだけ覚えていることがある。


「幼馴染なんてくそくらえ。」

 その一言しか、隣の家に住んでいる男に対しての感情はなかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。 ​「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」 ​「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」 ​「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

処理中です...