転校生をバカにすることなかれ

折原さゆみ

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続編~中学校編②~

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 教室を出ていった別府えにしを追いかけたはいいが、オレは彼女を見つけることができなかった。授業が始まるチャイムも鳴ってしまったので、オレは彼女を探すのをあきらめ、一人で教室に戻ることにした。


「マジか。こうたろうって、別府さんと付き合うことにしたんだな。」

「別府さんからいつ告白されたのか、気になるよな。いつだと思う。」

「ちかげというものがありながら、あいつも隅におけないなあ。」

 教室に戻ると、まだ一時間目の授業が始まってはいなかった。確か一時間目の授業は数学だったが、先生が来ていなかったので、クラス内は、オレと別府えにしの話題で持ち切りだった。

 非常に教室に入りづらい状況だったが、いつまでも廊下に突っ立っているわけにもいかない。意を決し、教室に踏み込もうとした直前、一人のクラスメイトの声が教室に響き渡った。



「バカじゃない。あんなの別府えにしがついた嘘に決まっているでしょう。」

 声の正体は、くそ女だった。彼女のその一言で、クラスは一気に静かになる。静かになったところで、彼女は言葉を続ける。

「別府えにしの言葉はでたらめよ。だって、そうでしょう。あんなに頭が悪い奴がこうたろうの彼女を名乗れるわけがないわ。あら、こうたろう、戻ってきてたのね。もう少し戻りが遅かったら、私が探しに行くところだったわ。」

 話の途中で、オレが教室のドアの前に立っているのを、くそ女に見つかってしまった。とっさに隠れようにも、すぐに彼女が大声でオレが戻ってきたことをクラス内に伝えてしまい、教室に入らざるを得なくなった。

「おかえりなさい。」

 そう言ったくそ女は、しぶしぶ教室に入ったオレの腕に絡みついてきた。うっとうしいので、思い切り払いのけてやった。

「離せ。オレはお前とつき合っていないだろ。オレは」

 そうだ。オレは別府えにしと付き合うことになったのだ。双方の気持ちが大切だとか、条件が何だとか言っていたが、そんなことはすでに関係ない。彼女はクラスにオレと付き合っていることを宣言した。だったら、オレがこの場で彼女との交際を宣言しても問題はないだろう。もう、後には引けない状況だ。


「オレは、別府えにしが言った通り、彼女とつき合っている。いくらお前に逆らえないといっても、こればかりは全力で逆らってやる。」

「な、何をふざけたことを言って」




「ヒューヒュー。お暑いね。」

「マジかよ、すげえな。」

「三角関係になっちゃうの。」

 オレとくそ女の会話を聞いていたクラスメイト達が、面白い話題を聞いたとばかりに、口々にオレたち三人のことを口にする。


「ふん、わかったわ。せいぜい頑張ることね、すぐにあの女の化けの皮をはがして、本性をさらして、私の方がいいと証明して見せるわ。」

 負け惜しみとばかりに、くそ女は、別府えにしより自分の方が良い女だと口にする。


「どうだかな。お前の言葉をそのまま返すよ。せいぜい、オレからの信頼をこれ以上下げないように頑張れよ。」

 ここにオレとくそ女の戦いが幕を開けた。この戦いの行方によっては、このくそ女との縁を切れるかもしれない。


 別府えにしには悪いが、オレと付き合うといった言葉を信じて、利用させてもらうことにした。

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