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第一章 入学式
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「ただいま」
『おかえりー』
美彩が家に帰ると、すでに両親は帰宅していた。帰宅の挨拶をすると、両親から返事があり、玄関を上がり、自分の部屋に直行する。
「シラコ、おかえり。美彩の入学式どうだった?」
「本当は父さんたちも行きたかったんだけど、仕事が外せなくてなあ」
「シラコに聞かずに、私に聞いたらいいでしょ。別に普通だったよ」
『一件、大学に成仏しきれなかった霊を我の糧としたくらいだな。それ以外は普通に入学式も行われていた。美彩は相変わらず、こみゅしょう?だったな』
両親の質問に、美彩はそっけなく返すが、シラコが今日入学式後に起きたことや、美彩の行動をばらしていた。しかし、須見久瑠羽と出会ったことはなぜか口にしなかった。
「俺たちの仕事のせいだろうなあ。悪いな、いつも美彩に負担をかけさせる」
「そうだったのね。美彩、私たちのせいでごめんなさいね。でも、きっとあなたのことをわかってくれる子は」
「自分の部屋で着替えして明日の準備をするから、夕飯まで呼びに来ないで!」
美彩は、両親の心配をはねのけ、二階の自分の部屋に急いだ。
「別に私がコミュ障になったのはお母さんとお父さんのせいじゃないし」
自分の部屋に入るや、ベッドに沈み込んだ美彩は、自分の今までを振り返る。
美彩は自分の家が普通と違うことは幼いころから気付いていた。普通の会社員だった父に専業主婦の母。それ自体に不満はなかったが。一つ、普通の家庭にはないことをしているのが気になった。
「みさちゃん、今週の土曜日にお客さんが来るから、午前中は自分のお部屋に居てね。部屋から出ちゃだめよ」
「みさ、今日約束していた水族館だが、急に依頼が入ってしまってな。行けなくなってしまった。また今度、予定が空いたら連れてってやる。毎回、予定をキャンセルしてしまって悪いな」
両親は、休みの日になると、家に「お客」と呼ばれる人々を招いて何かしているようだった。いったい何をしているのだろうと、幼心に不思議に思っていたが、両親に直接聞くことはためらわれた。両親が彼女の予定をキャンセルするたびに怒りや悲しみが沸き上がり、喚き散らしてしまったが、そのたびに両親が申し訳なさそうにしていた。そのため、自分の娘より大事な何かが「お客」と呼ばれる人たちにはあるのだと、我慢することにした。
美彩は両親の言いつけを守り、「お客」が家に来ているときは、決して自分の部屋から出ることはしなかった。両親が彼女に自分たちの裏の仕事を教えてくれたのは、高校に入ってからだった。
高校に入学して数日が経ったある日、両親が神妙な顔をして、突然、自分たちの仕事を話し出した。
「あのね、みさにはずっと秘密にしていたんだけど、私たちはね、除霊師という仕事をしているの」
それを聞いた瞬間、自分でも驚くほど自然に両親の裏の仕事を信じることができた。それは、美彩が幼いころから、人には見えない者が見えていたことが影響していたのかもしれない。俗にいう、幽霊みたいなものが美彩にはい見えていた。他人は見えないものが見えていた。
「驚くのも無理はないけど、高校生になった美彩には、私たちの仕事を手伝ってほしいんだ。代々、除霊師という職業は、16歳を過ぎたころから徐々に、仕事を手伝ってもらうことになっているんだ」
両親の言葉に、美彩は反論することはなかった。素直に頷いたことを覚えている。
『おかえりー』
美彩が家に帰ると、すでに両親は帰宅していた。帰宅の挨拶をすると、両親から返事があり、玄関を上がり、自分の部屋に直行する。
「シラコ、おかえり。美彩の入学式どうだった?」
「本当は父さんたちも行きたかったんだけど、仕事が外せなくてなあ」
「シラコに聞かずに、私に聞いたらいいでしょ。別に普通だったよ」
『一件、大学に成仏しきれなかった霊を我の糧としたくらいだな。それ以外は普通に入学式も行われていた。美彩は相変わらず、こみゅしょう?だったな』
両親の質問に、美彩はそっけなく返すが、シラコが今日入学式後に起きたことや、美彩の行動をばらしていた。しかし、須見久瑠羽と出会ったことはなぜか口にしなかった。
「俺たちの仕事のせいだろうなあ。悪いな、いつも美彩に負担をかけさせる」
「そうだったのね。美彩、私たちのせいでごめんなさいね。でも、きっとあなたのことをわかってくれる子は」
「自分の部屋で着替えして明日の準備をするから、夕飯まで呼びに来ないで!」
美彩は、両親の心配をはねのけ、二階の自分の部屋に急いだ。
「別に私がコミュ障になったのはお母さんとお父さんのせいじゃないし」
自分の部屋に入るや、ベッドに沈み込んだ美彩は、自分の今までを振り返る。
美彩は自分の家が普通と違うことは幼いころから気付いていた。普通の会社員だった父に専業主婦の母。それ自体に不満はなかったが。一つ、普通の家庭にはないことをしているのが気になった。
「みさちゃん、今週の土曜日にお客さんが来るから、午前中は自分のお部屋に居てね。部屋から出ちゃだめよ」
「みさ、今日約束していた水族館だが、急に依頼が入ってしまってな。行けなくなってしまった。また今度、予定が空いたら連れてってやる。毎回、予定をキャンセルしてしまって悪いな」
両親は、休みの日になると、家に「お客」と呼ばれる人々を招いて何かしているようだった。いったい何をしているのだろうと、幼心に不思議に思っていたが、両親に直接聞くことはためらわれた。両親が彼女の予定をキャンセルするたびに怒りや悲しみが沸き上がり、喚き散らしてしまったが、そのたびに両親が申し訳なさそうにしていた。そのため、自分の娘より大事な何かが「お客」と呼ばれる人たちにはあるのだと、我慢することにした。
美彩は両親の言いつけを守り、「お客」が家に来ているときは、決して自分の部屋から出ることはしなかった。両親が彼女に自分たちの裏の仕事を教えてくれたのは、高校に入ってからだった。
高校に入学して数日が経ったある日、両親が神妙な顔をして、突然、自分たちの仕事を話し出した。
「あのね、みさにはずっと秘密にしていたんだけど、私たちはね、除霊師という仕事をしているの」
それを聞いた瞬間、自分でも驚くほど自然に両親の裏の仕事を信じることができた。それは、美彩が幼いころから、人には見えない者が見えていたことが影響していたのかもしれない。俗にいう、幽霊みたいなものが美彩にはい見えていた。他人は見えないものが見えていた。
「驚くのも無理はないけど、高校生になった美彩には、私たちの仕事を手伝ってほしいんだ。代々、除霊師という職業は、16歳を過ぎたころから徐々に、仕事を手伝ってもらうことになっているんだ」
両親の言葉に、美彩は反論することはなかった。素直に頷いたことを覚えている。
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