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37出迎えてくれたのは
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「やっと、授業が終わりましたね。なんだかあっという間の一年でした」
「蒼紗と出会ってからもう一年なのね。いろいろあったけど、蒼紗にあえて本当によかったわ」
「私もです。四月まで会えないなんてことはないですよね?春休みも一緒にご飯食べたり、買い物したり、旅行に行ったり、蒼紗さんと一緒に過ごしたいです!」
「それは無理な相談ね。だって、春休みは私と一緒に過ごすのだから。これは決定事項よ」
「佐藤さんが勝手に言っているだけでしょう。それに、佐藤さんと二人きりより、私もいた方が蒼紗さんも楽しいですよ!」
もうすでに見慣れたジャスミンと綾崎さんの言い争いに、なぜだかほっこりした気持ちになる。私もジャスミンや綾崎さんに会えて本当によかった。
今日がテスト期間の最終日だった。最終日は、レポート提出だけで終わったので、あっけなく、大学一年目が終了した。午後もまだ授業は残っているが、私たちは午前で終了だった。今は食堂で昼食を食べている最中だ。
今日は大学での授業最終日ということで、終わりという意味も込めて、袴を着用することにした。大学の卒業式で着るような派手な色や柄ではなく、薄めのピンクに紺色の袴で、おとなしい色合いにした。ジャスミンはなぜか、黒のセーラー服を着ていた。綾崎さんは、紺色のブレザーに赤のリボン、紺色のチャックのスカートを履いていた。どうして、大学生なのに制服を着ているのか。いや、私も高校生でもないのに制服を着ていたことがあったので、何も言うまい。
「春休みは今のところ予定はないので、ジャスミンも綾崎さんも、暇があるならぜひ一緒に遊びましょう。毎日はさすがに迷惑ですが」
車坂は、三月以降の私のバイトのシフトは入れていないと言っていたが、あれは本当なのだろうか。もしそうだとしたら、さすがにそこまでしてもらうのは気が引けるので、週一だけでも入れてもらおう。自分の身の振り方を考える期間にしたらいいとも言われたが、西園寺雅人と九尾のことがまだ解決していない以上、私の身のふりを考えろと言われても無理な話しだ。
とりあえず、時間はたくさんありそうなので、ジャスミンと綾崎さんと一緒に過ごす時間を作ろうと思った。さて、何をしようかと考えていたら、ジャスミンが唐突に思わぬことを口走る。
「蒼紗が自ら、私と過ごそうなんて言い出すなんて嘘みたい。その決意が揺らがないうちに、今から私の家に来て、春休みの計画を立てましょう!」
「いいなあ、私もぜひご一緒したいとところですが、今日はサークルの集まりがあるので」
残念そうな綾崎さんだが、サークルを優先するようだ。泣く泣く手を振らながら別れていく様子は、遠恋で久しぶりに会ったのに、すぐに別れなければならないカップルのような雰囲気だった。私たちは友達ではあるが、カップルではないし、気軽にいつでも会える関係なので、そこまで深刻になる必要はないはずである。そんなところもすでに見慣れた光景なので、特に気にすることはなかった。
「では、邪魔者はいなくなったことだし、私の家に行きましょう」
私とジャスミンは、ジャスミンの家に向かうことにした。
「外観は普通の一軒家なのですね」
「私にどういうイメージを持っているのか知らないけど、私は別にお金持ちの家とか、すごい貧乏人とかではないからね。普通の一般家庭よ。能力者の家系ではあるけれど」
たどりついた先にあったのは、住宅街の中の一軒家だった。赤茶色の瓦屋根にベージュの壁のちょっとおしゃれな一軒家だったが、それ以外に特に変哲もない普通の家だった。
「さあさあ、こんなところで立っていても寒いだけだから、さっさと中に入りましょう」
ジャスミンの後に続いて家の中に入ると、そこには、驚くべき光景が広がっていた。
「ただいま。かわいい私のペットたち」
「いったい、これは何なのですか。それに家の中、暑すぎませんか?」
「何って、ああ、そうか。蒼紗もやっぱり苦手なのね。あと、部屋が暑いのはこの子たちのためよ」
こんなにかわいいのに、とつぶやくジャスミンには悪いが、苦手の範疇を越えているのだ。私だって、爬虫類の一匹や二匹が家に居たところでそこまで驚くことはない。ただし、爬虫類をペットで飼っている人を見たことがなかったので、多少の驚きはあった。驚きのあまり、他人の家に上がったのに挨拶をするのを忘れるほどだった。
「苦手という次元を超えています。これは、全部ジャスミンの家のペットたちなのですか?」
「そうよ」
即答だった。目の前には、のヘビ、トカゲ、イグアナなどの爬虫類が数匹いた。ヘビが三匹、トカゲが二匹、イグアナが一匹の計六匹の爬虫類が私たちを出迎えていた。
「この子は、私の親友の蒼紗よ。仲良くして頂戴ね」
ジャスミンは床を這う一匹の蛇を抱え上げ、頭を優しくなでる。蛇は気持ちよさそうに目を閉じ、おとなしくジャスミンにされるがままになっていた。
「じゃあ、私の部屋で今後のことを話しあいましょう」
「お、お邪魔します……」
衝撃から、少し落ち着いてやっと、挨拶することができた。恐る恐る私が玄関で靴を脱いで、床に足をつけるが、ジャスミンのペットたちは特に気にすることなく、ジャスミンが帰ってきたことに満足したのか、そのまま部屋の奥に静かに消えていった。ジャスミンは抱え上げたヘビをそっと床におろすと、そのヘビも、他のヘビやトカゲ、イグアナと同様にシュルシュルと床を這って部屋の奥に消えていった。
「それで、蒼紗、私に何か隠していることあるでしょう」
ジャスミンの部屋は意外にもシンプルな殺風景とも呼べる部屋だった。部屋の壁紙も白一色で、壁に絵やポスターは飾っていない。部屋には机とイス、ベッドがあるだけだった。部屋の奥にはクローゼットがあったので、服などはそこに収納しているのだろう。
「ピンクとか、蛍光色とかを使っていないのですね。それに、花柄やチェック、幾何学模様の類もない。私と同じくらい地味な部屋で驚きです」
ジャスミンの質問を無視して、まずは部屋の感想を述べた。大学で着ている服装は派手で目に痛い色などが多いので、てっきり部屋も同様だと思っていた。
「蒼紗はいったい、私を何だと思っているのかしら?」
「派手で、私が大好きな、センスが壊滅的にない、爬虫類系女子」
「ずいぶんないいようだけど、私が蒼紗のことを好きだということは理解しているようね」
はっと自分の発言を振り返る。今私はなんといっただろうか。『私が大好きな』と言っていた。なんということだ。はたから見たら、自意識過剰もいいところだ。ただのナルシストになってしまう。私の慌てた様子を見て面白いのか、ジャスミンは笑っていた。
「無意識に私の思いを汲んでいてくれるなんて、可愛すぎでしょ。ふふふ、お前もそう思うよねえ、土方」
いつの間にか蛇がジャスミンの首に巻き付いていた。いま、そのヘビを土方と呼んでいるが、それが名前なのだろうか。突っ込んだら負けのような気がしたので、黙っていることにした。
「蒼紗と出会ってからもう一年なのね。いろいろあったけど、蒼紗にあえて本当によかったわ」
「私もです。四月まで会えないなんてことはないですよね?春休みも一緒にご飯食べたり、買い物したり、旅行に行ったり、蒼紗さんと一緒に過ごしたいです!」
「それは無理な相談ね。だって、春休みは私と一緒に過ごすのだから。これは決定事項よ」
「佐藤さんが勝手に言っているだけでしょう。それに、佐藤さんと二人きりより、私もいた方が蒼紗さんも楽しいですよ!」
もうすでに見慣れたジャスミンと綾崎さんの言い争いに、なぜだかほっこりした気持ちになる。私もジャスミンや綾崎さんに会えて本当によかった。
今日がテスト期間の最終日だった。最終日は、レポート提出だけで終わったので、あっけなく、大学一年目が終了した。午後もまだ授業は残っているが、私たちは午前で終了だった。今は食堂で昼食を食べている最中だ。
今日は大学での授業最終日ということで、終わりという意味も込めて、袴を着用することにした。大学の卒業式で着るような派手な色や柄ではなく、薄めのピンクに紺色の袴で、おとなしい色合いにした。ジャスミンはなぜか、黒のセーラー服を着ていた。綾崎さんは、紺色のブレザーに赤のリボン、紺色のチャックのスカートを履いていた。どうして、大学生なのに制服を着ているのか。いや、私も高校生でもないのに制服を着ていたことがあったので、何も言うまい。
「春休みは今のところ予定はないので、ジャスミンも綾崎さんも、暇があるならぜひ一緒に遊びましょう。毎日はさすがに迷惑ですが」
車坂は、三月以降の私のバイトのシフトは入れていないと言っていたが、あれは本当なのだろうか。もしそうだとしたら、さすがにそこまでしてもらうのは気が引けるので、週一だけでも入れてもらおう。自分の身の振り方を考える期間にしたらいいとも言われたが、西園寺雅人と九尾のことがまだ解決していない以上、私の身のふりを考えろと言われても無理な話しだ。
とりあえず、時間はたくさんありそうなので、ジャスミンと綾崎さんと一緒に過ごす時間を作ろうと思った。さて、何をしようかと考えていたら、ジャスミンが唐突に思わぬことを口走る。
「蒼紗が自ら、私と過ごそうなんて言い出すなんて嘘みたい。その決意が揺らがないうちに、今から私の家に来て、春休みの計画を立てましょう!」
「いいなあ、私もぜひご一緒したいとところですが、今日はサークルの集まりがあるので」
残念そうな綾崎さんだが、サークルを優先するようだ。泣く泣く手を振らながら別れていく様子は、遠恋で久しぶりに会ったのに、すぐに別れなければならないカップルのような雰囲気だった。私たちは友達ではあるが、カップルではないし、気軽にいつでも会える関係なので、そこまで深刻になる必要はないはずである。そんなところもすでに見慣れた光景なので、特に気にすることはなかった。
「では、邪魔者はいなくなったことだし、私の家に行きましょう」
私とジャスミンは、ジャスミンの家に向かうことにした。
「外観は普通の一軒家なのですね」
「私にどういうイメージを持っているのか知らないけど、私は別にお金持ちの家とか、すごい貧乏人とかではないからね。普通の一般家庭よ。能力者の家系ではあるけれど」
たどりついた先にあったのは、住宅街の中の一軒家だった。赤茶色の瓦屋根にベージュの壁のちょっとおしゃれな一軒家だったが、それ以外に特に変哲もない普通の家だった。
「さあさあ、こんなところで立っていても寒いだけだから、さっさと中に入りましょう」
ジャスミンの後に続いて家の中に入ると、そこには、驚くべき光景が広がっていた。
「ただいま。かわいい私のペットたち」
「いったい、これは何なのですか。それに家の中、暑すぎませんか?」
「何って、ああ、そうか。蒼紗もやっぱり苦手なのね。あと、部屋が暑いのはこの子たちのためよ」
こんなにかわいいのに、とつぶやくジャスミンには悪いが、苦手の範疇を越えているのだ。私だって、爬虫類の一匹や二匹が家に居たところでそこまで驚くことはない。ただし、爬虫類をペットで飼っている人を見たことがなかったので、多少の驚きはあった。驚きのあまり、他人の家に上がったのに挨拶をするのを忘れるほどだった。
「苦手という次元を超えています。これは、全部ジャスミンの家のペットたちなのですか?」
「そうよ」
即答だった。目の前には、のヘビ、トカゲ、イグアナなどの爬虫類が数匹いた。ヘビが三匹、トカゲが二匹、イグアナが一匹の計六匹の爬虫類が私たちを出迎えていた。
「この子は、私の親友の蒼紗よ。仲良くして頂戴ね」
ジャスミンは床を這う一匹の蛇を抱え上げ、頭を優しくなでる。蛇は気持ちよさそうに目を閉じ、おとなしくジャスミンにされるがままになっていた。
「じゃあ、私の部屋で今後のことを話しあいましょう」
「お、お邪魔します……」
衝撃から、少し落ち着いてやっと、挨拶することができた。恐る恐る私が玄関で靴を脱いで、床に足をつけるが、ジャスミンのペットたちは特に気にすることなく、ジャスミンが帰ってきたことに満足したのか、そのまま部屋の奥に静かに消えていった。ジャスミンは抱え上げたヘビをそっと床におろすと、そのヘビも、他のヘビやトカゲ、イグアナと同様にシュルシュルと床を這って部屋の奥に消えていった。
「それで、蒼紗、私に何か隠していることあるでしょう」
ジャスミンの部屋は意外にもシンプルな殺風景とも呼べる部屋だった。部屋の壁紙も白一色で、壁に絵やポスターは飾っていない。部屋には机とイス、ベッドがあるだけだった。部屋の奥にはクローゼットがあったので、服などはそこに収納しているのだろう。
「ピンクとか、蛍光色とかを使っていないのですね。それに、花柄やチェック、幾何学模様の類もない。私と同じくらい地味な部屋で驚きです」
ジャスミンの質問を無視して、まずは部屋の感想を述べた。大学で着ている服装は派手で目に痛い色などが多いので、てっきり部屋も同様だと思っていた。
「蒼紗はいったい、私を何だと思っているのかしら?」
「派手で、私が大好きな、センスが壊滅的にない、爬虫類系女子」
「ずいぶんないいようだけど、私が蒼紗のことを好きだということは理解しているようね」
はっと自分の発言を振り返る。今私はなんといっただろうか。『私が大好きな』と言っていた。なんということだ。はたから見たら、自意識過剰もいいところだ。ただのナルシストになってしまう。私の慌てた様子を見て面白いのか、ジャスミンは笑っていた。
「無意識に私の思いを汲んでいてくれるなんて、可愛すぎでしょ。ふふふ、お前もそう思うよねえ、土方」
いつの間にか蛇がジャスミンの首に巻き付いていた。いま、そのヘビを土方と呼んでいるが、それが名前なのだろうか。突っ込んだら負けのような気がしたので、黙っていることにした。
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