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39私の帰りを待ってくれる存在
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「トントン」
「蒼紗、入るわよ」
慌てて、濡れた手と目元を服の裾で拭いて、部屋に入ってきたジャスミンにニコリと微笑んだ。泣いていたことはばれているが、悲しみに浸っていたことは知られたくなかった。ジャスミンの後ろには、ジャスミンによく似た年配の女性が顔をのぞかせていた。
「この子が、蛇須美の言っていたお友達かしら?」
「朔夜蒼紗と申します。ジャスミン、いや蛇須美さんと同じ大学に通っています。いつも蛇須美さんにはお世話になっています」
女性に挨拶して頭を下げると、ふふと笑われた。笑い顔は本当にジャスミンにそっくりだった。
「蛇須美が話していた通り、とても良い子じゃないの。ああ、私も自己紹介しなくてはいけないわね。蛇須美の母です。こちらこそ、いつも蛇須美がお世話になっています。この子、家ではいつもあなたのことを話しているんです。一度、お会いしたいと思っていました!それにしても、こんないい子が家出するとは思えないけど。今の若い子の考えはわからないわあ」
「だから、蒼紗はいい子なんだってば。いい子過ぎるから、自分の悩みを抱えてしまうの。どうにも、今の同居人と馬が合わないみたいだから、一度、同居人と離れて生活したらって、私が提案したの」
「本当にそうかしら?蒼紗さんはどうかしら。春休みの間、この家で過ごすというのは」
ジャスミンは、本当に私を春休み中、自分の家に泊めようとしてくれていたのだ。私を心配していることはわかっていたが、まさか母親に話しているとまでは思わなかった。
「と、とんでもないです。そこまでご迷惑かけるわけにはいきません。それに、そんなに長いこと家を空けたら、両親が……」
ジャスミンの気遣いはうれしいが、さすがに一カ月も泊めてもらうのは申し訳なかった。それにしても、自分の娘のただの大学の友達を一カ月も泊めることを許可するジャスミンの母親には驚きだった。その辺の大胆な対応がジャスミンに似ているなと思ったのは秘密だ。
驚いた拍子に、ついうっかり、すでに亡くなっている両親のことを口にしてしまった。きっと、ジャスミンと彼女の母親を見てうらやましくなってしまったのだろう。両親などもうとっくに他界している。そんなこと、もう十二分に理解していたはずなのに。
「蒼紗、大丈夫?急に顔色が悪くなったみたいだけど、それに、あなたの両親は……」
「そんなことは私が一番理解しています。ジャスミンに言われる筋合いはありません。ジャスミンはいいですよね。こんなに優しい母親がいて。私にはもう……」
自分の言葉を振り返り、急にジャスミンに怒りがわいてきた。ジャスミンは何も悪くない。私のことを心配してくれているだけだ。それなのに、ジャスミンの気遣い、この短時間で見た、母親との仲の良さに嫉妬してしまった。私にはもう、存在しない家族という存在をまざまざと見せつけられた。ジャスミンがそんなことをするような性格ではないことは、十分承知している。しかし、それでも、湧き上がる感情を止めることはできなかった。
「ど、どうしたの、蒼紗さん。蛇須美、あなた、まさか無理やり家に泊めようとしたりしてないでしょうね。それに、両親って、蛇須美、蒼紗さんは実家通いではないと言っていたわよね」
「そ、そんなこと」
「いい加減にしてください!」
びくりと身体を震わせる二人にハッと我に帰る。彼女たちに怒りをぶつけても仕方ない。何をしても両親が亡くなっている事実が覆ることはない。
「すいません、今日はもう帰ります。お世話になりました」
これ以上長居していては、これまでの寂しい気もち、孤独感、それに対するいろいろな気持ちが爆発してしまう。さっさと帰らせてもらおう。そして、後日、ジャスミンには非礼を詫びるとしよう。
「ピンポーン」
「まあ、こんな時間に誰かしら?」
意気込んで帰ろうとしたのに、タイミングが悪い来客だ。
ジャスミンの母親が来客に対応するために、ジャスミンの部屋を出ていく。部屋を出ていく際、扉を閉じていかなかったので、来客との対応が二階にまで聞こえてくる。ただし、インターホン越しに会話しているので、相手の会話までは聞こえてこない。
「あらあら、こんなイケメンがこんな時間に何か用かしら?」
「蒼紗さんのお義兄さんなのね。ちょっと待っていてくださいね」
来客が気になって聞いていたが、私に兄など存在しない。一人っ子だったので、義兄などもいるはずがない。いったい、誰が私の兄を名乗っているのだろうか。
「蒼紗さん、あなたの義兄と名乗る男性の方がいらっしゃったけど、通していいかしら?」
さすがにジャスミンの母親も、いきなり私の義兄と名乗る不審な男性が来たので警戒しているのだろう。私にどうするのか尋ねてきた。
「お母さん、私が対応するわ。蒼紗にはお兄さんなんか存在しないから、私がそんな不届き物を追い出してやるわ!」
なぜか急にやる気を出したジャスミンが勢いよく一階に下りていく。私も慌ててジャスミンについていく。
「狼貴君!」
義兄の正体は狼貴君だった。九尾が迎えに寄越したのだろうか。だとしても、今回のお節介は感謝するしかなった。
「蒼紗さん。どこに行ったのか、皆、心配していましたよ。帰りましょう。あなたの家に、あなたを待っている場所に」
「あんたは確か……」
「よかったわあ。不審者だったらどうしようかと思っていたけど、大丈夫そうね。蛇須美の言うことはあてにならないわね」
いつもと違い、ぶっきらぼうなところを見せず、すらすらと言葉を紡ぐ狼貴君に違和感がしたが、狼貴君が迎えに来たという口実をもとに、ジャスミンの家を出た。すでに日は沈み、辺りは暗くなり始めていた。
「ジャスミン、ええと、泊まるという話は」
「なしでいいわよ。蒼紗には今、帰りを待ってくれる人がいるみたいだからね。それが神様だろうが、死神だろうが誰でもいいんじゃない?私はきっと、蒼紗と一緒に居られる時間は少ないけど、あいつらなら長いんでしょう」
「すいません。また、メッセージを入れておきます」
「うん、じゃあね」
ジャスミンは私のことを家の外まで見送ってくれた。
「お母さんが、蒼紗さんによろしくねってさ。何か蒼紗の気に障ることをしたようなら、ごめんなさいって言っていたわよ」
「ジャスミンの親は何も悪くないです。こちらこそ、突然帰るなんて言い出して、失礼でしたよね」
「別に、それは構わないわ。それと、お母さんが、いつでも家に遊びに来てもいいよって。あんた、狼貴って言っていたわよね、蒼紗を困らせたら、許さないから」
「そんなことはしない」
ジャスミンに見送られ、私と狼君は、私たちが住んでいる家に帰ることにした。
「すいません。わざわざ探してくれたなんて」
「お前はいろいろ心配で目を離せない」
「はあ」
「お前はまだ人間だ。しかし、オレたちは違う。そこをはき違えるなよ」
狼貴君と二人きりで話すのは、よく考えたらこれが初めてかもしれない。ジャスミンの家から帰る途中で、狼君は私を心配していること、自分たちと私は違うことなどを話してくれた。そういえば、翼君の過去は知っているけれど、狼貴君のことは何も知らないことに今さながらに気付いた。
私はもっと、自分のことだけでなく、他人のことにも目を向けた方がいいのかもしれない。
「蒼紗、入るわよ」
慌てて、濡れた手と目元を服の裾で拭いて、部屋に入ってきたジャスミンにニコリと微笑んだ。泣いていたことはばれているが、悲しみに浸っていたことは知られたくなかった。ジャスミンの後ろには、ジャスミンによく似た年配の女性が顔をのぞかせていた。
「この子が、蛇須美の言っていたお友達かしら?」
「朔夜蒼紗と申します。ジャスミン、いや蛇須美さんと同じ大学に通っています。いつも蛇須美さんにはお世話になっています」
女性に挨拶して頭を下げると、ふふと笑われた。笑い顔は本当にジャスミンにそっくりだった。
「蛇須美が話していた通り、とても良い子じゃないの。ああ、私も自己紹介しなくてはいけないわね。蛇須美の母です。こちらこそ、いつも蛇須美がお世話になっています。この子、家ではいつもあなたのことを話しているんです。一度、お会いしたいと思っていました!それにしても、こんないい子が家出するとは思えないけど。今の若い子の考えはわからないわあ」
「だから、蒼紗はいい子なんだってば。いい子過ぎるから、自分の悩みを抱えてしまうの。どうにも、今の同居人と馬が合わないみたいだから、一度、同居人と離れて生活したらって、私が提案したの」
「本当にそうかしら?蒼紗さんはどうかしら。春休みの間、この家で過ごすというのは」
ジャスミンは、本当に私を春休み中、自分の家に泊めようとしてくれていたのだ。私を心配していることはわかっていたが、まさか母親に話しているとまでは思わなかった。
「と、とんでもないです。そこまでご迷惑かけるわけにはいきません。それに、そんなに長いこと家を空けたら、両親が……」
ジャスミンの気遣いはうれしいが、さすがに一カ月も泊めてもらうのは申し訳なかった。それにしても、自分の娘のただの大学の友達を一カ月も泊めることを許可するジャスミンの母親には驚きだった。その辺の大胆な対応がジャスミンに似ているなと思ったのは秘密だ。
驚いた拍子に、ついうっかり、すでに亡くなっている両親のことを口にしてしまった。きっと、ジャスミンと彼女の母親を見てうらやましくなってしまったのだろう。両親などもうとっくに他界している。そんなこと、もう十二分に理解していたはずなのに。
「蒼紗、大丈夫?急に顔色が悪くなったみたいだけど、それに、あなたの両親は……」
「そんなことは私が一番理解しています。ジャスミンに言われる筋合いはありません。ジャスミンはいいですよね。こんなに優しい母親がいて。私にはもう……」
自分の言葉を振り返り、急にジャスミンに怒りがわいてきた。ジャスミンは何も悪くない。私のことを心配してくれているだけだ。それなのに、ジャスミンの気遣い、この短時間で見た、母親との仲の良さに嫉妬してしまった。私にはもう、存在しない家族という存在をまざまざと見せつけられた。ジャスミンがそんなことをするような性格ではないことは、十分承知している。しかし、それでも、湧き上がる感情を止めることはできなかった。
「ど、どうしたの、蒼紗さん。蛇須美、あなた、まさか無理やり家に泊めようとしたりしてないでしょうね。それに、両親って、蛇須美、蒼紗さんは実家通いではないと言っていたわよね」
「そ、そんなこと」
「いい加減にしてください!」
びくりと身体を震わせる二人にハッと我に帰る。彼女たちに怒りをぶつけても仕方ない。何をしても両親が亡くなっている事実が覆ることはない。
「すいません、今日はもう帰ります。お世話になりました」
これ以上長居していては、これまでの寂しい気もち、孤独感、それに対するいろいろな気持ちが爆発してしまう。さっさと帰らせてもらおう。そして、後日、ジャスミンには非礼を詫びるとしよう。
「ピンポーン」
「まあ、こんな時間に誰かしら?」
意気込んで帰ろうとしたのに、タイミングが悪い来客だ。
ジャスミンの母親が来客に対応するために、ジャスミンの部屋を出ていく。部屋を出ていく際、扉を閉じていかなかったので、来客との対応が二階にまで聞こえてくる。ただし、インターホン越しに会話しているので、相手の会話までは聞こえてこない。
「あらあら、こんなイケメンがこんな時間に何か用かしら?」
「蒼紗さんのお義兄さんなのね。ちょっと待っていてくださいね」
来客が気になって聞いていたが、私に兄など存在しない。一人っ子だったので、義兄などもいるはずがない。いったい、誰が私の兄を名乗っているのだろうか。
「蒼紗さん、あなたの義兄と名乗る男性の方がいらっしゃったけど、通していいかしら?」
さすがにジャスミンの母親も、いきなり私の義兄と名乗る不審な男性が来たので警戒しているのだろう。私にどうするのか尋ねてきた。
「お母さん、私が対応するわ。蒼紗にはお兄さんなんか存在しないから、私がそんな不届き物を追い出してやるわ!」
なぜか急にやる気を出したジャスミンが勢いよく一階に下りていく。私も慌ててジャスミンについていく。
「狼貴君!」
義兄の正体は狼貴君だった。九尾が迎えに寄越したのだろうか。だとしても、今回のお節介は感謝するしかなった。
「蒼紗さん。どこに行ったのか、皆、心配していましたよ。帰りましょう。あなたの家に、あなたを待っている場所に」
「あんたは確か……」
「よかったわあ。不審者だったらどうしようかと思っていたけど、大丈夫そうね。蛇須美の言うことはあてにならないわね」
いつもと違い、ぶっきらぼうなところを見せず、すらすらと言葉を紡ぐ狼貴君に違和感がしたが、狼貴君が迎えに来たという口実をもとに、ジャスミンの家を出た。すでに日は沈み、辺りは暗くなり始めていた。
「ジャスミン、ええと、泊まるという話は」
「なしでいいわよ。蒼紗には今、帰りを待ってくれる人がいるみたいだからね。それが神様だろうが、死神だろうが誰でもいいんじゃない?私はきっと、蒼紗と一緒に居られる時間は少ないけど、あいつらなら長いんでしょう」
「すいません。また、メッセージを入れておきます」
「うん、じゃあね」
ジャスミンは私のことを家の外まで見送ってくれた。
「お母さんが、蒼紗さんによろしくねってさ。何か蒼紗の気に障ることをしたようなら、ごめんなさいって言っていたわよ」
「ジャスミンの親は何も悪くないです。こちらこそ、突然帰るなんて言い出して、失礼でしたよね」
「別に、それは構わないわ。それと、お母さんが、いつでも家に遊びに来てもいいよって。あんた、狼貴って言っていたわよね、蒼紗を困らせたら、許さないから」
「そんなことはしない」
ジャスミンに見送られ、私と狼君は、私たちが住んでいる家に帰ることにした。
「すいません。わざわざ探してくれたなんて」
「お前はいろいろ心配で目を離せない」
「はあ」
「お前はまだ人間だ。しかし、オレたちは違う。そこをはき違えるなよ」
狼貴君と二人きりで話すのは、よく考えたらこれが初めてかもしれない。ジャスミンの家から帰る途中で、狼君は私を心配していること、自分たちと私は違うことなどを話してくれた。そういえば、翼君の過去は知っているけれど、狼貴君のことは何も知らないことに今さながらに気付いた。
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