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25臨時教師
しおりを挟む「今まで英語を教えていた加藤先生が体調不良のため、休職となりました。今日の一限目がちょうど英語だったと思うけど、急きょ、新たな先生に担当してもらうことになりました」
6月中旬になり、英語の教科担が変わることになった。4月に明寿たちの高校に赴任してきたばかりの新任教師だった気がしたが、この高校に合わなかったのだろうか。朝のHRで突然担任から告げられた話に、クラス内が一時、騒然となる。
「加藤先生って、そんなに体調悪かったの?私、全然気づかなかったんだけど」
「私も私も、最後の授業になった先週も、普通に授業していたよね?」
「先生って、確か子供が居たよな」
「ああ、そういえば俺達と同じくらいの年の子供が居たって聞いたことがある。もしかして……」
「いきなりすぎでしょ。体調不良って便利な言葉だよねえ。原因気になるんですけど」
「後で、職員室に行って聞き込みしようかな」
「甲斐君は、加藤先生の体調不良の原因を知っているの?」
騒然となった教室で、明寿はとりあえず、前の席に座る甲斐の後ろ姿に小声で話しかける。まさか、一教師の休職の原因に高校生が絡んでいるとは思わないが、なんとなく甲斐の反応が気になった。前の席に座るために表情までは分からないが、担任の話を聞いた後の反応がほかのクラスメイトと明らかに違っていた。甲斐だけはこの事実を事前に知っていたかのような反応の薄さだった。
「俺がそんなこと、知るわけないだろ」
ちょっと、やり過ぎたかもしれないな。
驚きに満ちた言葉がクラスで飛び交う中、甲斐だけはあまり驚いていないように見えた。明寿の問いにぶっきらぼうに返事をするが、後ろを振り向いて明寿と目を合わせようとしない。ぼそりとつぶやかれた言葉の意味はわからない。とはいえ。
(誰が代わりに英語を教えてくれようが、問題はない)
明寿にとっては些細な問題だ。加藤という教師に大した思い入れはない。2か月ほど授業を教えてくれただけの赤の他人だ。今の明寿にとって気になることはただ一つ。
高梨恵美里という存在だけ。
高梨が空き教室に来なくなり、1か月ほどが経過した。いまだに明寿は高梨に会う事が出きていない。甲斐の二度目の訪問後、明寿は何度か甲斐に高梨の安否を聞いてみようとしたが、「生きている」との一点張りでそれ以上の情報を教えてくれなかった。高梨がいる三年生の教室も何度か訪れているが、高梨はあれからずっと、学校に来ていないらしい。
明寿はただ、彼の言葉を信じるしかなかった。
担任が朝のHRを終えて教室を出るタイミングで、見知らぬ若い女性が教室に入ってきた。担任は軽く彼女に会釈をして教室を出ていった。女性は教壇に立つと、教室を見回して明寿たちクラスメイトに挨拶した。
「加藤先生の代わりに英語を教えることになりました。荒島由香里(あらしまゆかり)と言います。残りの一年間、よろしくお願いします」
1時間目が始まるまでにはまだ5分程時間がある。女性は挨拶だけすると、教壇に置かれたクラス名簿に目を通し始めた。時間通りに授業を始めるつもりのようだ。
「ねえ、若くない?何歳だろ」
「彼氏とかいるのかな?」
「加藤先生には悪いけど、新しい先生が来てラッキーだな」
「若い先生ってだけでうれしいよな」
新たな英語教師の登場で朝のHRのように教室内がざわめく中、明寿は英語の教科書をぱらぱらとめくり、次の授業内容の予習をしていた。英語教師の声は耳に届いていたが、興味がなかったので顔まで見ることはない。
(私も高校生のころは、誰が授業を教えてくれるかとかいう、些細なことでクラスメイトと盛り上がったのだろうか)
何せ、高校生のころのことだ。今から80年近く前のことなどおぼろげな記憶しか残っていない。本当に記憶に残っていたこと以外、忘れてしまっている。
「白石って、本当に高梨先輩にしか興味がないんだな」
「うるさい。そういう甲斐君だって、興味ないでしょ。新しい先生」
「そうだなあ。俺達、似た者同士だな」
朝のHRでは後ろを振り向かなった甲斐が、明寿の方に身体を向けて話しかけてきた。明寿のことをバカにしたような言い方だが、甲斐だって同じようなものだ。甲斐が新たな英語教師に向ける視線に好意は見当たらない。ただ無表情に眺めるだけだ。その表情から何を考えているか読み解くことはできない。
「キーンコーンカーンコーン」
1時間目の始まりを告げるチャイムが教室に鳴り響く。新たな英語教師は、クラス名簿を閉じて、改めて教室を見渡してクラスメイトに声をかける。
「では、授業を始めましょう」
「起立」
『お願いします』
クラスの委員長の指示にクラスメイトが一斉に席を立つ。そして、授業の挨拶をすると席に着く。明寿もほかのクラスメイトと同じように席を立ち、挨拶する。ここでようやく、明寿は英語教師の顔を見ることになった。その顔を見た瞬間、明寿の思考は一瞬停止した。
「ええと、君は」
「白石、挨拶が終わったら、さっさと座れよ」
思考とともに、身体の方も停止していたらしい。困ったような表情の英語教師と、あきれたような甲斐の言葉に我に返る。
(どうして彼女がここに)
クラスメイトからの視線も加わり、明寿は恥ずかしさのあまり、急いで席に座る。がたんと大きな音をたてた。穴があったら入りたい。
「で、では授業に入っていく前に、軽い自己紹介をしたいと思います。名前は荒島由香里です。担当教科は当然、英語になります。趣味は……」
明寿が席に着いたことで、授業が始まった。最初は自らの自己紹介ということで、趣味やこの学校に来て思ったこと、以前の仕事などを語っていた。しかし、明寿は彼女の話を聞いていられる余裕がない。
新たな英語教師の顔は明寿のひ孫とそっくりだった。いや、ただそっくりなだけの他人だったら、どんなによかったか。いや、彼女から直接話を聞くまではまだわからない。
名前を聞いただけではわからなかったが、顔を見てひ孫である可能性が頭に浮かんだ。高齢者施設でも何度か顔を合わせている。苗字は変わっているかもしれないが、結婚でもしたのかもしれない。
色白のすこし垂れ目のところが可愛らしいと思っていた。まさか、こんなところで再会するとは。
(だから、まだわからないだろう?他人の空似という可能性が)
教師など誰でもよいなどと考えていた先ほどまでの自分は、どこにいったのか。自己紹介が終わり、荒島はさっそく前回までの続きをクラスメイトに確認しながら授業を進めていく。その様子を眺めながら、明寿はどうやって荒島と接触しようかと考えていた。自分が【新百寿人】となり、高校生の姿で授業を受けているということは、すっかり頭から抜け落ちていた。
「今から配布するプリントは今日の復習になります。宿題にするので、次回の授業までにやってきてください」
「白石、プリント、さっさと受け取れよ」
「ご、ごめん」
「お前、高梨先輩一筋だったよな。いきなりどうした?会えなさ過ぎて、目移りでもしたか?」
「そ、そんなわけ」
動揺しているうちに授業が終わってしまった。頭に何か乗っけられる感覚がして、慌てて手で頭を確認するとそこにはプリントが乗っていた。前の席の甲斐が明寿の分のプリントを回してくれたらしい。ありがたく受け取って机の中にしまう。
それにしても、聞き捨てならない言葉だ。明寿は別に年上がタイプなわけではない。たまたま妻が年上だっただけで、つい、目で追ってしまったのは彼女が明寿のひ孫の可能性が高いからだ。新たな英語教師に好きという感情はない。誤解されては困る。
「窓際の後ろの席の二人、ええと甲斐君と白石君。もう少しで授業終わるから、私語は慎むように」
「すいません」
このままでは、荒島の中の明寿の印象が挙動不審の不真面目な生徒になってしまう。やはり、何とかして荒島と二人きりで話す必要がある。甲斐は特に気にした様子もなくただはいと返事をするだけだった。
6月中旬になり、英語の教科担が変わることになった。4月に明寿たちの高校に赴任してきたばかりの新任教師だった気がしたが、この高校に合わなかったのだろうか。朝のHRで突然担任から告げられた話に、クラス内が一時、騒然となる。
「加藤先生って、そんなに体調悪かったの?私、全然気づかなかったんだけど」
「私も私も、最後の授業になった先週も、普通に授業していたよね?」
「先生って、確か子供が居たよな」
「ああ、そういえば俺達と同じくらいの年の子供が居たって聞いたことがある。もしかして……」
「いきなりすぎでしょ。体調不良って便利な言葉だよねえ。原因気になるんですけど」
「後で、職員室に行って聞き込みしようかな」
「甲斐君は、加藤先生の体調不良の原因を知っているの?」
騒然となった教室で、明寿はとりあえず、前の席に座る甲斐の後ろ姿に小声で話しかける。まさか、一教師の休職の原因に高校生が絡んでいるとは思わないが、なんとなく甲斐の反応が気になった。前の席に座るために表情までは分からないが、担任の話を聞いた後の反応がほかのクラスメイトと明らかに違っていた。甲斐だけはこの事実を事前に知っていたかのような反応の薄さだった。
「俺がそんなこと、知るわけないだろ」
ちょっと、やり過ぎたかもしれないな。
驚きに満ちた言葉がクラスで飛び交う中、甲斐だけはあまり驚いていないように見えた。明寿の問いにぶっきらぼうに返事をするが、後ろを振り向いて明寿と目を合わせようとしない。ぼそりとつぶやかれた言葉の意味はわからない。とはいえ。
(誰が代わりに英語を教えてくれようが、問題はない)
明寿にとっては些細な問題だ。加藤という教師に大した思い入れはない。2か月ほど授業を教えてくれただけの赤の他人だ。今の明寿にとって気になることはただ一つ。
高梨恵美里という存在だけ。
高梨が空き教室に来なくなり、1か月ほどが経過した。いまだに明寿は高梨に会う事が出きていない。甲斐の二度目の訪問後、明寿は何度か甲斐に高梨の安否を聞いてみようとしたが、「生きている」との一点張りでそれ以上の情報を教えてくれなかった。高梨がいる三年生の教室も何度か訪れているが、高梨はあれからずっと、学校に来ていないらしい。
明寿はただ、彼の言葉を信じるしかなかった。
担任が朝のHRを終えて教室を出るタイミングで、見知らぬ若い女性が教室に入ってきた。担任は軽く彼女に会釈をして教室を出ていった。女性は教壇に立つと、教室を見回して明寿たちクラスメイトに挨拶した。
「加藤先生の代わりに英語を教えることになりました。荒島由香里(あらしまゆかり)と言います。残りの一年間、よろしくお願いします」
1時間目が始まるまでにはまだ5分程時間がある。女性は挨拶だけすると、教壇に置かれたクラス名簿に目を通し始めた。時間通りに授業を始めるつもりのようだ。
「ねえ、若くない?何歳だろ」
「彼氏とかいるのかな?」
「加藤先生には悪いけど、新しい先生が来てラッキーだな」
「若い先生ってだけでうれしいよな」
新たな英語教師の登場で朝のHRのように教室内がざわめく中、明寿は英語の教科書をぱらぱらとめくり、次の授業内容の予習をしていた。英語教師の声は耳に届いていたが、興味がなかったので顔まで見ることはない。
(私も高校生のころは、誰が授業を教えてくれるかとかいう、些細なことでクラスメイトと盛り上がったのだろうか)
何せ、高校生のころのことだ。今から80年近く前のことなどおぼろげな記憶しか残っていない。本当に記憶に残っていたこと以外、忘れてしまっている。
「白石って、本当に高梨先輩にしか興味がないんだな」
「うるさい。そういう甲斐君だって、興味ないでしょ。新しい先生」
「そうだなあ。俺達、似た者同士だな」
朝のHRでは後ろを振り向かなった甲斐が、明寿の方に身体を向けて話しかけてきた。明寿のことをバカにしたような言い方だが、甲斐だって同じようなものだ。甲斐が新たな英語教師に向ける視線に好意は見当たらない。ただ無表情に眺めるだけだ。その表情から何を考えているか読み解くことはできない。
「キーンコーンカーンコーン」
1時間目の始まりを告げるチャイムが教室に鳴り響く。新たな英語教師は、クラス名簿を閉じて、改めて教室を見渡してクラスメイトに声をかける。
「では、授業を始めましょう」
「起立」
『お願いします』
クラスの委員長の指示にクラスメイトが一斉に席を立つ。そして、授業の挨拶をすると席に着く。明寿もほかのクラスメイトと同じように席を立ち、挨拶する。ここでようやく、明寿は英語教師の顔を見ることになった。その顔を見た瞬間、明寿の思考は一瞬停止した。
「ええと、君は」
「白石、挨拶が終わったら、さっさと座れよ」
思考とともに、身体の方も停止していたらしい。困ったような表情の英語教師と、あきれたような甲斐の言葉に我に返る。
(どうして彼女がここに)
クラスメイトからの視線も加わり、明寿は恥ずかしさのあまり、急いで席に座る。がたんと大きな音をたてた。穴があったら入りたい。
「で、では授業に入っていく前に、軽い自己紹介をしたいと思います。名前は荒島由香里です。担当教科は当然、英語になります。趣味は……」
明寿が席に着いたことで、授業が始まった。最初は自らの自己紹介ということで、趣味やこの学校に来て思ったこと、以前の仕事などを語っていた。しかし、明寿は彼女の話を聞いていられる余裕がない。
新たな英語教師の顔は明寿のひ孫とそっくりだった。いや、ただそっくりなだけの他人だったら、どんなによかったか。いや、彼女から直接話を聞くまではまだわからない。
名前を聞いただけではわからなかったが、顔を見てひ孫である可能性が頭に浮かんだ。高齢者施設でも何度か顔を合わせている。苗字は変わっているかもしれないが、結婚でもしたのかもしれない。
色白のすこし垂れ目のところが可愛らしいと思っていた。まさか、こんなところで再会するとは。
(だから、まだわからないだろう?他人の空似という可能性が)
教師など誰でもよいなどと考えていた先ほどまでの自分は、どこにいったのか。自己紹介が終わり、荒島はさっそく前回までの続きをクラスメイトに確認しながら授業を進めていく。その様子を眺めながら、明寿はどうやって荒島と接触しようかと考えていた。自分が【新百寿人】となり、高校生の姿で授業を受けているということは、すっかり頭から抜け落ちていた。
「今から配布するプリントは今日の復習になります。宿題にするので、次回の授業までにやってきてください」
「白石、プリント、さっさと受け取れよ」
「ご、ごめん」
「お前、高梨先輩一筋だったよな。いきなりどうした?会えなさ過ぎて、目移りでもしたか?」
「そ、そんなわけ」
動揺しているうちに授業が終わってしまった。頭に何か乗っけられる感覚がして、慌てて手で頭を確認するとそこにはプリントが乗っていた。前の席の甲斐が明寿の分のプリントを回してくれたらしい。ありがたく受け取って机の中にしまう。
それにしても、聞き捨てならない言葉だ。明寿は別に年上がタイプなわけではない。たまたま妻が年上だっただけで、つい、目で追ってしまったのは彼女が明寿のひ孫の可能性が高いからだ。新たな英語教師に好きという感情はない。誤解されては困る。
「窓際の後ろの席の二人、ええと甲斐君と白石君。もう少しで授業終わるから、私語は慎むように」
「すいません」
このままでは、荒島の中の明寿の印象が挙動不審の不真面目な生徒になってしまう。やはり、何とかして荒島と二人きりで話す必要がある。甲斐は特に気にした様子もなくただはいと返事をするだけだった。
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