朔夜蒼紗の大学生活~幽霊だって勉強したい~

折原さゆみ

文字の大きさ
10 / 49

アルバイトの面接と生徒たちとの出会い③

しおりを挟む
 どんどん話がややこしくなっている。私が能力持ちだとは初めて聞いた。もし、私が能力を持っているとしたら、どんなすごい能力を持っているのだろうか。
 
 
 想像してみた。攻撃系ではないだろう。炎も雷も氷も出せたことはない。となると、回復系か精神系の能力か。人より回復が少し早いような気がするが、それはただ単に健康だからという理由である気がする。精神系というと、他人を操ることができる能力か。そんな高度な技を持っていたら、もっと人生楽に生きていけた気がする。

 それとも、他人の心が読める能力か。これはとても便利そうだ。他には何があるだろうか。欲しい能力といえば、瞬間移動はあったら移動が楽でよい。未来予知なんかもあれば何かと役に立つと思う。

 

 とはいっても、そんな能力やはり私には存在していない。現に今までの人生で特殊能力が発動したことなんてない。そんな特殊能力が備わっていたら、私の人生はもっと違うものになっているに違いない。

 私には未来予知が備わっている気がしないでもない。私が予想したとおりに物事が運ぶことがよくある。予知というより、こうなると思うということが実現する。今回の大学でのあの2人との出会いももしかしたら私が予想していた結果かもしれない。バイトもそうだ。よくわからない能力者たちが通う塾に私が採用されたのも予想していた結果なのかもしれない。




「自分が能力者であるということを自覚していただけましたか。ずいぶん熱心に考えているようでしたが。」

「瀧さんの思い違いではないですか。私に何か特殊能力が宿っているとは思えないのですが。」


「そんなことはありませんよ。私には能力者がわかる力があるのですよ。ちなみに私の能力は他人がどんな能力を持っているか相手の目を見ればわかる。そんな能力ですのであなたのことも目を見て判断しました。」


 瀧さんが自ら能力者について話し出したので、予想はしていたが、やはり瀧さんは能力者であった。そうなると、能力者について詳しいことにも納得できる。



「では、お聞きしますけど、私の能力はどんな力ですか。差し支えなければ教えていただけると嬉しいのですが。」

「それは秘密です。教えてしまっては面白くないでしょう。ご自分で考えてください。そのうちに答えがわかると思いますよ。」

 
 回答をはぐらかされた感じがする。いったい私の能力は何なのだろう。気になるが、今は自分の能力について考えている場合ではない。
 



「ただわかるというだけの能力ですが、この能力は私が人生を楽しく快適に過ごすためになくてはならないものです。危険能力者との接触を避けたり、うっかり能力者同士の争いに巻き込まれても、相手の能力さえわかれば、大抵のことはどうにかなる。さらには最終的にこの能力のお蔭で今の仕事につけたわけですから、この力があってこその人生です。」

 自分の能力がどれほど役に立っているのかを主張する瀧さんある。この人はどこか頭のねじが緩んでいるのだろう。



「そんなに自分のことを話して大丈夫ですか。もし、万が一私が能力を発動して瀧さんを従わせるということを考えなかったのですか。」

 
 そうだ。もし仮に私に特殊能力が存在して、真の力を発揮したら、瀧さんを操ることができるかもしれない。もし私が他人を操る能力を持っていた場合だが。それ以外でも攻撃系の能力を発動させることで瀧さんに危害を加えることもできるはずだ。

 ただし、瀧さんがこうして普通に話しているということは、私の能力は瀧さんに特に被害が及ぶ能力ではないということだ。あくまで能力者という存在がこの世にいるという設定で、私もその一人ならばという仮定の話ではある。




「心配には及びません。これでも仕事上、たくさんの能力者にあってきました。能力者でも負けるつもりはありませんよ。」

 

 それに私にはまだまだ生徒を集めることが必要ですから、能力者に負けていられないのですよ。小さくつぶやかれた言葉は私の耳には届かなかった。




「それに私の能力は相手が能力者だとわかるというよりも、相手の記憶も読むことで能力者であるかわかるということですし。相手の能力がわかり、弱点などもわかれば、どうとでもできるので負けることはないのですよ。」


 何かとんでもないことを言っているが、この言葉はきかなかったことにしよう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

ユニークアイテムな女子(絶対的替えの効かない、唯一無二の彼女)「ゆにかの」

masuta
キャラ文芸
恋と友情、そして命を懸けた決断。青春は止まらない。 世界を股にかける財閥の御曹司・嘉位は、U-15日本代表として世界一を経験した天才投手。 しかし、ある理由で野球を捨て、超エリート進学校・和井田学園へ進学する。 入学式の日、偶然ぶつかった少女・香織。 彼女は、嘉位にとって“絶対的替えの効かない、唯一無二の存在”だった。 香織は、八重の親友。 そして八重は、時に未来を暗示する不思議な夢を見る少女。 その夢が、やがて物語を大きく動かしていく。 ゴールデンウィーク、八重の見た夢は、未曾有の大災害を告げていた。 偶然か、必然か……命を守るために立ち上がる。 「誰も欠けさせない」という信念を胸に走り続ける。 やがて災害を未然に防ぎ、再びグラウンドへと導く。 その中で、恋もまた静かに進んでいく。 「ずっと、君が好きだった」告白の言葉が、災害と勝負を越えた心を震わせる。 それぞれの想いが交錯し、群像劇は加速する。 一人ひとりが主人公。人生に脇役はいない。 現代ファンタジーとリアルが交錯する青春群像劇。 本作は小説家になろう、オリジナル作品のフルリメイク版です。

ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。 ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。 学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。 当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。 同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。 ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。 そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。 まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。  その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。 こうしてジュリーとの同居が決まった。 しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。  

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

完結‼️翡翠の歌姫は 後宮で声を隠す―2人の皇子と失われた記憶【1/23本編完結】

雪城 冴
キャラ文芸
本編完結‼️【中華サスペンス】 皇帝が隠した禁忌の秘密。 それを“思い出してはいけない少女”がいた。 「その眼で見るな――」 特殊な眼を持つ少女・翠蓮は、忌み嫌われ、村を追われた。 居場所を失った彼女が頼れたのは、歌だけ。 宮廷歌姫を目指して辿り着いた都でも、待っていたのは差別と孤立。 そんな翠蓮に近づいたのは、 危険な香りをまとう皇子と、天女のように美しいもう一人の皇子だった。 だが、その出会いをきっかけに皇位争い、皇后の執着、命を狙われる日々。 追い詰められる中で、翠蓮の忘れていた記憶が揺り動く。 かつて王家が封じた“力”とは? 翠蓮の正体とは? 声を隠して生き延びるか。 それとも、すべてを賭けて歌うのか。 運命に選ばれた少女が、最後に下す決断とは――? ※架空の中華風ファンタジーです ※アルファポリス様で先行公開しており、書き溜まったらなろう、カクヨム様に移しています ※表紙絵はAI生成

烏の王と宵の花嫁

水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。 唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。 その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。 ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。 死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。 ※初出2024年7月

あやかし帝都の婚姻譚 〜浄癒の花嫁が祓魔の軍人に溺愛されるまで〜

鳴猫ツミキ
キャラ文芸
【完結】【第一章までで一区切り】時は大正。天羽家に生まれた桜子は、特異な体質から、家族に虐げられた生活を送っていた。すると女学院から帰ったある日、見合いをするよう命じられる。相手は冷酷だと評判の帝国陸軍あやかし対策部隊の四峰礼人だった。※和風シンデレラ風のお話です。恋愛要素が多いですが、あやかし要素が主体です。第9回キャラ文芸大賞に応募しているので、応援して頂けましたら嬉しいです。【第一章で一区切りで単体で読めますので、そこまででもご覧頂けると嬉しいです】。

処理中です...