朔夜蒼紗の大学生活~幽霊だって勉強したい~

折原さゆみ

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能力者は本当に存在した①

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 今日は二人そろって大学に来ていた。そして、会うと早々、西園寺さんは私に紙袋を渡してきた。いったい、今日はどんな服に着替えさせられるのだろう。黙って受け取り、中身を確認する。今日は警察服だった。彼女の服装も確認する。彼女は黒と白の縞々のボーター服の上下を着ていた。なるほど、今日は警察と囚人の設定か。それにしてもなぜ彼女が囚人で私が警察官なのか。よくわからないが、着替えることにする。

 今回の衣装も私にぴったりのサイズだった。更衣室を出ると、西園寺さんが駆け寄ってくる。



「やっぱり蒼紗は背が高くてスタイルがいいから、何でも似合うわね。うんうん。」


 ひとり納得して上機嫌だった。そんなことはどうでもいい。私は昨日のことを問い詰める義務がある。



「ところで、なぜ昨日は二人とも大学の来られなかったのですか。昨日は二人がいなくて大変な目にあいました。」


 ちなみに西園寺さんの隣には雨水君がいた。この二人はいつも一緒にいる気がする。付き合っているのだろうか。まあ、私には関係のないことだが。



「ああ。それは急な仕事が入ってね。私たちバイトしていて、その仕事が不規則でいつ仕事が入るかわからないもので、それがたまたま昨日だったというわけ。だから大学を休ませてもらった。蒼紗が心配しなくてもさぼっていたわけじゃないよ。ほんとに急に仕事が入っていけなかっただけだから。」

 
 一体何のバイトをしているのだろう。何かやばい仕事なのだろうか。詳しく仕事の内容を聞いてみたいが、聞いたら聞いたで、さらに面倒なことが待ち受けているような気がする。こういうは気になっても聞かない方がよいときもある。

 しかし、人が親切に仕事の内容を聞いてあげないでいるのに、西園寺さんはさらっと自分のバイトのことを話し出した。



「何のバイトか気になるでしょ。私のことがそんなに心配かしら。でも大丈夫よ、少し危険な仕事だけど、死ぬような危ない仕事ではないから。気になるようなら、蒼紗にだけは教えてあげる。私の仕事は………。」

「やめておけ。いくら朔夜のことが気に入っているからって俺たちの仕事のことまで話す必要はないだろう。話したらこいつを巻き込むことになるぞ。それでもいいのか。」



 話を遮ったのは雨水君だった。やはり危険な仕事なのか。ここは聞かないふりをして話題をそらした方が得策か。



「別にいいじゃない。蒼紗も私たちと同じ能力者なんだから。能力者だったらむしろ話した方がいいと思うけど。」

「とはいってもこいつはまだ能力についてほとんど何も知らない。そんな一般人同様のこいつを俺たちの問題に巻き込んでいいものか。」



 何やら二人は私に自分たちの仕事を話すか、話さないかということでもめているようだ。このままではらちが明かない。それに授業も始まってしまう。この話はまた後程詳しく聞くことにしよう。私が能力者だという発言も気になるが、授業を受けるのが先決だ。



「二人ともこの話はあとにしましょう。とりあえず、授業に行きませんか。」

 
 二人は顔を見合わせ、頷いた。私たちは授業が行われている教室へ急いだ。佐藤さんの姿が見えたが、今日は私に話しかけることもなく、遠目に私たちを見ているだけだった。昨日とは全然違う。やはり、あこがれの人に話しかけることは勇気がいるのだろうか。あこがれるような二人ではないと思うが。それとも、私たちの服装が話しかけにくい原因かもしれない。何せ、囚人と警察のセットのコスプレをしている人にきやすく話しかけることは難しいだろう。


 

 授業が終わり、私たち3人は大学近くのケーキ屋に来ていた。偶然にも佐藤さんと昨日行ったケーキ屋と同じ店だった。人気がある店といっていたが、西園寺さんもケーキは好きなのだろうか。


「さて、私たちの仕事のことだけど、その前に私たちのことを話した方がわかりやすいから、私たちのことを話すわね。長話になりそうだから、ケーキでも買って蒼紗の家で話しましょう。」



 ケーキを買った後、西園寺さんは話が途中で終わった彼女たちの仕事の話の続きをしようと提案してきた。なぜ、私の家で話すことにきまっているのだろうか。異論は認めないという意志の込められた視線に耐え切れず、仕方なく私は二人を自分の家に案内したのだった。

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