朔夜蒼紗の大学生活~幽霊だって勉強したい~

折原さゆみ

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雨男は生きていました③

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 以前九尾と一緒に朝食を食べたファミレスにやってきた。平日の朝ということもあって、店内はすいていた。席について、それぞれが食べたいものを注文する。私は前回と同じ朝食セットにした。九尾は今日も肉で、がっつりとハンバーグセット、雨水君は和食定食を頼んでいた。注文したものが届き、食べ始める。その時に声をかけられた。



「おはようございます。朔夜先生。」

「おはよう。」


「おはよう、蒼紗。どうして大学をさぼって、こんなところでのんきに朝食なんて食べているのかしら。まあ、私も今日は大学に行く気がないから、蒼紗にとやかく言える立場ではないけどね。」




 何と、瀧逮捕に協力してくれそうなメンバーが同時に現れた。驚きすぎて、口に入れたものを吐き出すところだった。慌てて水を飲んで飲み込む。


「私も相席してもいいかしら。」

「僕たちも一緒に座ってもいいかな。」

「……。」


 なんだか賑やかな朝になったのだった。



 

 ところで、翼君や狼貴君は幽霊という存在だと思うのだが、佐藤さんや雨水君には見えているのだろうか。見たところ、二人は彼らに気付かず、二人で何かを話している。やはり見えていないのだろう。瀧逮捕に協力してくれそうなメンバーが集まったとはいえ、幽霊が見えない状態では、協力できるとは思えない。どうしたらよいのだろうか。そんなことを考えていたら、九尾が解決案を出してくれた。



「普通の人間にも幽霊の姿が見えるようにできる方法がある。特別な布で織られた服であれば、それを着ていれば、姿かたちが見えるようになる。まあ、我にかかればそのようなものを手に入れることは簡単だが、ただでとはいかないぞ。」



「ぜひ、その服を手に入れてきてください。私にできることならしますから。」

 
 もったいぶっている九尾だが、九尾が言っていることが本当ならば、その服に頼るしかない。神様にお願いするのだから、ただでとはいかないか。




「よろしい。では我が心行くまで食べ物を注文してもよいというならば考えてやる。」


 そう言って、メニュー表を真剣に読みだす九尾。私はその様子がおかしくて笑ってしまった。仕方ない。それで用意してくれるならば、安いものだ。




「わかりました。好きなだけ注文してください。その代わり、その服を2着ほど用意してくださいね。」

「わかっている。神に二言はない。」

 

 急に九尾の手が光りだした。その後、手には2着のパーカーのような服が2着乗っていた。なんという早業だ。服を準備した九尾は再びメニュー表を見て、食べたいものを注文し始めた。私は翼君と狼貴君にその服を着せてやった。
 
 見た目は普通のパーカーと同じである。白と黒の一着ずつで、どちらにも胸のあたりによくわからない刺繍が施されていた。白を翼君、黒を狼貴君が着用した。


 九尾が用意したパーカーを着ても、私にはもともと二人の姿が見えているので、変化がわからない。しかし、雨水君と佐藤さんには違ったようだ。突然現れた二人の子供に驚いたのだろうか。彼らを驚きに満ちた目で、翼君と狼貴君を見つめている。




「こいつら、さっきからいたのか。それとも今突然現れたのか。」

「きゃあ、かわいい子供ね。いつからいたのか知らないけれど、こんな子供がいたなんて知らなかったわ。」



 二人に彼らの説明をする。その説明を聞くと、二人は静かになった。瀧逮捕に必要なメンバーが集まったので、今回は自己紹介をしながらお互いの情報を話していくことになった。

 


 もうすぐ夏休みに入る。その前にこの事件に決着をつけなければ。私と九尾、翼君や狼貴くんといった幽霊の子供たち、佐藤さんといったメンバーで瀧さんを捕まえる計画を立てていく。そのためには私の能力が不可欠だということがわかった。ただし、私はいまだに自分の能力をうまく使いこなせていない。まずは能力を使いこなすことから始めようということで、私の能力練習が始まった。
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