異世界転移をした彼女は異世界の常識を変えようと試みるが、勇者がくそ過ぎて困りました

折原さゆみ

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異世界転移をした彼女は女性の意識改革(服装改革)を行うことにした

3彼女たちの不満が爆発しました

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 レオナの話によると、レオナの所属する騎士団は、女性の割合はとても少なく、女性の意見が通ることはめったにないという。

「ええと、女性がこのような格好が正式に採用されたのは、かなり昔のお話になるのですが。ええと、初代勇者様?が、女性の服装に華やかさが足りないというのが理由で……」

「勇者?」

 勇者という存在は、女神たちによって、この世界の人々の記憶から消されていたはずだ。カナデが勇者について言及しようとすると。

『ああ、勇者という存在を人々の記憶から消したが、そんなことを実行していたとは』

『完全に消したつもりでいたが、こんなことをしているとは予想していなかった』

「あら、ホワイトとブラックがしきりに何かを訴えていますが、お腹でもすいたのでしょうか?」

 カナデには、二匹の猫の言葉が女神と悪魔の声に変換されて聞こえるが、他の者には猫が鳴いているように聞こえる。そのことを思い出したカナデは、慌てて二匹を抱え込み、ごまかした。

「ああ、この子たちは、賢いから私たち女性のことを応援してくれているの。そう、この子たちはメス猫で、私の同志でもあるの!」

「同志、ですか?」

 レオナの言葉に、カナではこれ以上突っ込まれる前に、話題を変えることにした。




「その、服装を今の破廉恥な格好に変えた勇者については、あえて突っ込むことはしないけど、その前の服装はどうなっていたの?」

「昔は、女性が騎士団に所属するなどなかったので、男性と同じ格好をさせられていたはずだが」

 カナデの質問には、エリザベスが答える。補足するようにレオナも説明する。

「エリザベス様の言う通りです。男性と同じ騎士団の恰好をしていたのです。女性と男性では身体の作りが違うので、同じものでは大きさや機能面で不満はあったのですが」

 私は男性と同じものが良かったです。

 ぼそりとつぶやかれた言葉に、カナデは大いに頷いて、持論を力説する。

「レオナ?だったわね。よく言ってくれた!私も、もといた世界では大いに思っていたこと!男性用と女性用の制服が違うことに常々疑問だったの。なぜ、制服が、男がズボンで、女がスカートなのか。男性用と女性用の服の色や種類が異なるのか」

「も、もといた世界、ですか?」

「それが、この世界ではもっと顕著に問題になっている。もといた世界でも問題にはなっていたが、この世界ではもっと深刻だ。やはり、私のやるべきことは一つだとわかった」

「カナデさん、興奮してレオナさんに迫る姿は、さながら、変態親父のそれで、セクハラで訴えられますよ。特にこの世界、あなたの恰好は男ですから」

 興奮して、思わずレオナに詰め寄っていたカナデは、ソフィアの呆れたような声も耳に届かず、さらに暴走を始めた。

「制服と言えば、警察にナース、学生服、飛行機のキャビンアテンダント、女性用スーツ、たくさんあるけど、どう考えても女性が働くうえで、非効率的よね。男にとっては、魅惑的な太ももや足を見て楽しんで、妄想をはかどらせるし、何より自分が着ているわけではないから、何とも思わないでしょうけど。というか、メリットしかないわね。男なんてみんな、クズでエロな奴ばっかりだから。そんなに見たけりゃ、風俗にでも行くか、彼女でも作ってコスプレプレイしろって言いたくなる。それから、思い出した。女性で面倒くさいことナンバーワンは」


「カナデの言うことはよくわからんが、なぜだろう。この鬼気迫る感じに恐怖を覚えるのは」

「カナデさんの言うことは、ある意味、正しいのかもしれませんが、いかんせん、興奮して自分が何を言っているのか、その影響力がどのようなものか理解していないのが、たまに傷ですね」

「わ、私はどうすれば」

 カナデの話を聞いている三人は、三者三様の態度で、カナデの話を聞いていた。カナデに触発されたのか、今度はソフィアが自分の不満をぶちまけ始めた。

「ああ、カナデさんの発言で、私も思い出しました。そうでした。男なんて、クズでエロの塊です。あんな奴らの言いなりになって、私たち女性がどれだけの我慢を強いられていたことか。この世界に来てからも、くそでしたが、前の世界も相当のものでした。わかりますよ。カナデさん、私も疑問に思っておりました。どうして、女性の制服がスカートなのかと。私、実はもといた世界では、看護師だったんですよ」

 ソフィアの話を聞いてるのか、いないのか。カナデはまだまだ暴走を続けていた。カナデの言葉の合間に、ソフィアの不満も追加されていた。

「スカートも苦痛だったけど、何よりの苦痛は、そう化粧です!どうせ、内勤の事務仕事で来客対応なんてしないんだから、化粧なんてしなくていいと思うじゃないですか。でも、世間がそれを許さない!朝の貴重な睡眠時間を削ってまでそれをする意味は?化粧品のお金は?経費で出してくれるんですか?それと、ああ、いやだいやだ。思い出すだけでも腹立たしい」

「看護師だと、セクハラがすごいんですよ。高齢の入院患者なんか、特にひどくて、いいお尻だとか、触らせろとか、恋人はいるのかとか、セクハラのオンパレードで、それにひどい場合は、医者のクズが交際を無理やり迫ってきたり」

「でもまあ、私がこちらに来る直前に、だいぶ世の女性たちも不満を世間に公表し始めたみたいで、ああ、やっとかと思いましたよ。靴とか確かにおかしいですもんね。なんで女性だけ、あんな歩きにくいヒールなのか。そう、あれは中国とかではやっていた纏足並みの拷問ですよ」

『これは面白い人材だのう。やはり、この世界に残しておいて正解だった』

『女神よ。これは面白いという主の神経が疑われるが、残しておいたのは正解だというのは認めよう。ソフィアという女もなかなかの逸材だ。二人が協力して何か起こるのか楽しみだのう』

 ホワイトとブラックは、面白そうにカナデの腕の中から会話を聞いていた。エリザベスとレオナは二人のあまりの興奮具合にどうしていいかわからず、おろおろと視線をさまよわせていた。




「失礼します」

 そのカオスな状況を止めたのは、一人の男性の声だった。扉がノックされるとエリザベスはこの状況が変えるきっかけになると、慌てて声の主も確認せずに扉を自ら開けて、第三者を迎え入れた。
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