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強引なキス
「寄るな、触るな、近づくなぁあ!」
「お前、いい加減に諦めろ」
ぐいっと手を引かれ、無理やりキスされる。
「んむぅっ!?」
けれど力の限りヤツの胸を押して、離れる。
「わっ私はまだ納得していなんだっ! 借金のカタに嫁入りなんて、今時ふざけている!」
「ふざけているのはオレの家から多額の借金をしたクセに、返せなくて娘を差し出してきたお前の両親だろう?」
「ぐっ…」
それは…否定できない。
「しかもまだ高校生。入籍は済ませたとして、式は卒業後。お前が今まだ学校に通えるのも、家族が平穏無事に過ごせるのも誰のおかげだ?」
ヤツは得意げににんまり笑う。
…クッソー。
あのバカ親め。未来永劫恨んでやるっ!
ウチの家はそもそも、町工場を営んでいた。
けれど世の不況のあおりをモロに受けて、あっと言う間に仕事も金もなくなった。
やがて親はヤバイ所から金を借りるようになり、…お決まりの転落コースを行った。
そこで違ったのは、私がこういう性格であるが為、親も良い根性をしていた。
親は借金のカタに、自ら一人娘であるわたしを目の前の男に差し出したのだ。
男は金融会社の他、いわゆる闇や裏に関わるヤバイ仕事をたくさんしているヤツだった。
しかし歳は現38歳、わたしより20も上だ。
でもまだ結婚していなかったらしい。
…まあ、大人の付き合いをしている女性は大量にいただろうけど。
「キサマもおかしなヤツだな! 何で本当に借金のカタに私を引き受けたんだよ」
「ん? まあ面白そうだと思ったからだ」
そう言って私の隣にドカッと腰を下ろした。
ちなみに今いる場所は、コイツの家の一室。
和室で、今は夜。
…なので、寝室には二組みの布団が敷かれていた。
けれど私はコイツと一緒がイヤで、暴れまくっている。
「お前ほど気の強い女も珍しい。オレの容姿にも金にも惹かれないとは、な」
「キサマは自意識過剰過ぎるんだよ。いくら容姿が良くて、金を持っていても、その強引さはいただけない」
嫌悪感を隠そうともしないわたしを見て、アイツはクックっとおかしそうに笑う。
「そういう物言いも良い。オレは知っての通り、普通の仕事をしていない。だからキモの座った女が良いんだ」
「…私は良くない」
「だが諦めろ。お前の家の借金をチャラにした上に、これからの仕事はオレから回すことになったんだ」
…コイツ、どんな人脈を持っているんだ?
確かに言った通り、借金は全て帳消し。
しかも工場には仕事が舞い込んできた。
おかげで今はフル活動しているみたいだけど…。
「う~」
枕を抱え込み、唸る。
確かに工場が潰れなかったおかげで、助かった従業員達は良いだろう。
問題はあのバカ親とコイツ。
最初見た時から、何か気に食わなかった。
強引で、自分勝手。
私は…結婚するなら、穏やかで優しい男の人が良かったのに…。
「お前だって、最終的にはオレを受け入れたんだ。だから諦めろ」
そう言って私の肩を掴んで引き寄せ、再び唇を奪ってくる。
「やっやめっ…んんっ」
抗っても、男女の力の差はある。
次第に力が抜けてしまい、アイツの体に寄りかかってしまう。
「安心しろ。お前が高校を卒業するまで後数ヶ月はこれ以上、しないでおいてやる」
偉そうに…。
「だから抱擁とキスは慣れろ」
「ううっ…」
ぎゅっとヤツの体にしがみついてしまう。
…コイツのフェロモンに、当てられてしまう。
思わず振り回されるのも、良いかな?と考えてしまうほどに、参ってしまう。
強引な口調と態度なのに、優しく頭を撫でてくるところとか…。
不意な優しさは卑怯だ。
心が揺れ動いてしまう。
「それにお前を幸せにできるのは、オレだけだぞ?」
「…その自信はどこから?」
「お前を愛しているからだ」
……そして惜しげもなく、愛を口に出さないでほしい。
「お前をこんなに愛するのは、世界中探してもオレぐらいなものだ。後はお前がオレを愛するだけ」
「そんなの…いつになるか分からない」
「今はまだ、それで良い。だが高校を卒業したら、な?」
イヤらしい目で私を見やがって…。
「とりあえず、オレに愛されることに慣れろ。そうでなければ話にならない」
「う~う~う~」
私は唸りながら、アイツの首筋に顔を埋める。
はっきりと否定したいのに、できないのが悔しい。
「ふっ…。お前は本当に可愛いな」
野性味の溢れた目で見つめられると、そらせない。
今度のキスは、よけなかった。
「安心しろ。大事にしてやる。それにお前の欲しい物は何でも与えてやる」
「う~…」
「そしてオレを愛せ。まっ、オレに夢中にさせることぐらい、簡単だがな」
やっぱり自意識過剰だ。
「…私はそんなに簡単にはいかないぞ?」
言葉とは裏腹に、声に力はない。
「その方が楽しめて良い。お前となら、死ぬまで退屈せずに済みそうだ」
「強引な男め」
「褒め言葉と受け取っておくさ」
そしてまた、熱いキスをしてくる。
そう―身も心もとろけてしまうぐらいの、熱くて甘いキスを…。
「お前、いい加減に諦めろ」
ぐいっと手を引かれ、無理やりキスされる。
「んむぅっ!?」
けれど力の限りヤツの胸を押して、離れる。
「わっ私はまだ納得していなんだっ! 借金のカタに嫁入りなんて、今時ふざけている!」
「ふざけているのはオレの家から多額の借金をしたクセに、返せなくて娘を差し出してきたお前の両親だろう?」
「ぐっ…」
それは…否定できない。
「しかもまだ高校生。入籍は済ませたとして、式は卒業後。お前が今まだ学校に通えるのも、家族が平穏無事に過ごせるのも誰のおかげだ?」
ヤツは得意げににんまり笑う。
…クッソー。
あのバカ親め。未来永劫恨んでやるっ!
ウチの家はそもそも、町工場を営んでいた。
けれど世の不況のあおりをモロに受けて、あっと言う間に仕事も金もなくなった。
やがて親はヤバイ所から金を借りるようになり、…お決まりの転落コースを行った。
そこで違ったのは、私がこういう性格であるが為、親も良い根性をしていた。
親は借金のカタに、自ら一人娘であるわたしを目の前の男に差し出したのだ。
男は金融会社の他、いわゆる闇や裏に関わるヤバイ仕事をたくさんしているヤツだった。
しかし歳は現38歳、わたしより20も上だ。
でもまだ結婚していなかったらしい。
…まあ、大人の付き合いをしている女性は大量にいただろうけど。
「キサマもおかしなヤツだな! 何で本当に借金のカタに私を引き受けたんだよ」
「ん? まあ面白そうだと思ったからだ」
そう言って私の隣にドカッと腰を下ろした。
ちなみに今いる場所は、コイツの家の一室。
和室で、今は夜。
…なので、寝室には二組みの布団が敷かれていた。
けれど私はコイツと一緒がイヤで、暴れまくっている。
「お前ほど気の強い女も珍しい。オレの容姿にも金にも惹かれないとは、な」
「キサマは自意識過剰過ぎるんだよ。いくら容姿が良くて、金を持っていても、その強引さはいただけない」
嫌悪感を隠そうともしないわたしを見て、アイツはクックっとおかしそうに笑う。
「そういう物言いも良い。オレは知っての通り、普通の仕事をしていない。だからキモの座った女が良いんだ」
「…私は良くない」
「だが諦めろ。お前の家の借金をチャラにした上に、これからの仕事はオレから回すことになったんだ」
…コイツ、どんな人脈を持っているんだ?
確かに言った通り、借金は全て帳消し。
しかも工場には仕事が舞い込んできた。
おかげで今はフル活動しているみたいだけど…。
「う~」
枕を抱え込み、唸る。
確かに工場が潰れなかったおかげで、助かった従業員達は良いだろう。
問題はあのバカ親とコイツ。
最初見た時から、何か気に食わなかった。
強引で、自分勝手。
私は…結婚するなら、穏やかで優しい男の人が良かったのに…。
「お前だって、最終的にはオレを受け入れたんだ。だから諦めろ」
そう言って私の肩を掴んで引き寄せ、再び唇を奪ってくる。
「やっやめっ…んんっ」
抗っても、男女の力の差はある。
次第に力が抜けてしまい、アイツの体に寄りかかってしまう。
「安心しろ。お前が高校を卒業するまで後数ヶ月はこれ以上、しないでおいてやる」
偉そうに…。
「だから抱擁とキスは慣れろ」
「ううっ…」
ぎゅっとヤツの体にしがみついてしまう。
…コイツのフェロモンに、当てられてしまう。
思わず振り回されるのも、良いかな?と考えてしまうほどに、参ってしまう。
強引な口調と態度なのに、優しく頭を撫でてくるところとか…。
不意な優しさは卑怯だ。
心が揺れ動いてしまう。
「それにお前を幸せにできるのは、オレだけだぞ?」
「…その自信はどこから?」
「お前を愛しているからだ」
……そして惜しげもなく、愛を口に出さないでほしい。
「お前をこんなに愛するのは、世界中探してもオレぐらいなものだ。後はお前がオレを愛するだけ」
「そんなの…いつになるか分からない」
「今はまだ、それで良い。だが高校を卒業したら、な?」
イヤらしい目で私を見やがって…。
「とりあえず、オレに愛されることに慣れろ。そうでなければ話にならない」
「う~う~う~」
私は唸りながら、アイツの首筋に顔を埋める。
はっきりと否定したいのに、できないのが悔しい。
「ふっ…。お前は本当に可愛いな」
野性味の溢れた目で見つめられると、そらせない。
今度のキスは、よけなかった。
「安心しろ。大事にしてやる。それにお前の欲しい物は何でも与えてやる」
「う~…」
「そしてオレを愛せ。まっ、オレに夢中にさせることぐらい、簡単だがな」
やっぱり自意識過剰だ。
「…私はそんなに簡単にはいかないぞ?」
言葉とは裏腹に、声に力はない。
「その方が楽しめて良い。お前となら、死ぬまで退屈せずに済みそうだ」
「強引な男め」
「褒め言葉と受け取っておくさ」
そしてまた、熱いキスをしてくる。
そう―身も心もとろけてしまうぐらいの、熱くて甘いキスを…。
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