光輪学院高等部・『オカルト研究部』

hosimure

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依琉/プールの怪談

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昔、水泳選手として期待されていた女子生徒がいた。

彼女は期待に応える為に、毎日遅くまで練習していた。

その頑張りは周りから見ると、少し恐ろしいぐらいに。

ある日、プールの水を取り替えなくてはならなくなった。

しかし彼女は練習をしたかった。

部の顧問や部員達には絶対にプールに入らないようにと言われた。

けれど彼女は誰もいない夜、プールに入り込み、一人で練習をはじめてしまった。

しかしプールに入ってから何だか調子がおかしいことに気付いた。

きっと夜、一人で練習している心細さがあるせいだろうと彼女は思った。

その日は満月で、明るい光が差し込んでいた。

けれどプールの水は闇を吸い込んだように黒かった。 

やがて、彼女は自分の体の異変に気付く。

体が思うように動かない。

泳いでいるのか、溺れているのか分からなくなってきた。

そして、彼女はプールに静かに沈んで行った。



翌日。

顧問と数人の教師がプールの水を抜く為に訪れた。

栓を抜くと、プールの水は減っていった。

しかし、何故か流れが悪い。

水が消えていくにつれ、その原因が浮き上がってきた。

排水溝に、彼女の頭がはさまっていたのだ。 

プールに絶叫が響いた。

彼女の死因は溺死。

しかし肉体は薬による衰弱が見られた。

そう。彼女の練習を止めた理由は、まさにそれが原因だった。

プールにはあらかじめ、プールを洗浄する為の薬品が入れられていたのだ。

それは人体に悪く、だから止めていた。

しかし彼女は聞き入れず、水に触れ、その肉体は衰弱し、沈んで行ったのだ。

沈んだ体は、水を抜かれ始めた時に動き出し、排水溝にその首を入れていた。

後日。妙なウワサが学院に広まった。

プールに潜っていると、排水溝に骸骨の頭だけが見えるのだと――。 


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