光輪学院高等部・『オカルト研究部』

雛／ガーデニングの怪談

光輪学院高等部のガーデニングは有名だった。

昔、園芸部という名前の頃から、世界的な賞を貰うほどの優秀さがあった。

しかしその名誉が重荷となり、園芸部達は日夜、授業をサボってまで、庭の手入れをし始めた。

ところが高等部の存在するのは、山の上。

天気は変わりやすく、花や植物を痛めていた。

それでも必死に世話をし続けた。

園芸部の部員の一人に、植物を愛してやまない女子生徒がいた。

彼女は弱い体で頑張っていた。

そのかいあって、賞を個人的に貰うことも出来た。

彼女は園芸に力をそそいだ。

けれど花や植物達は季節が巡れば、その姿を枯らしてしまう。

そのことを悩んだ園芸部達は、女子生徒が言い出したことを呑んでしまった。

すると次の季節にも、花や植物が美しい姿を保っていた。

しかし代わりに女子生徒の姿が見えなくなってしまった。

周囲の人間がそのことを不審がり、ガーデニングを調べた。

すると……ガーデニングから女子生徒のバラバラ死体が見つかった。

彼女は自らの肉体を、花や植物の栄養にすることを望んだ。

園芸部達はそれを受け入れてしまった。

以後、園芸部という存在は学院から消された。

女子生徒を思い、学院は一体の女神の石像を、ガーデニングに置いた。

石像は花や植物を見守り続けている――。