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「受験ムードでピリピリしている中、彼女の天真爛漫な明るさが気に入らなかったってことですか…。でも何でまた、『みぃ』が復讐をしているなんて言われているんですか?」
「…篠原が亡くなって以来、クラスメート達に次々と不幸が起こっているからだ。その中の1人が、言い出した」
自分達は『みぃ』に復讐されている!―と。
「ちなみにどのような不幸なんですか?」
「一つ一つは偶然のこととも言える。両親の離婚や、親のリストラ。財布や携帯電話の紛失、ケンカに巻き込まれただのが、連続して起こっているんだ」
「それって…偶然が重なっているだけなのでは?」
「俺もそう言っている。だが一度騒ぎ出すと、中々収まらないんだ」
「はぁ。それで祟り、ですか。…ちなみに先生は何かご不幸がありましたか?」
「…婚約を解消された」
「あらま★ また何で?」
「自分の受け持ちの生徒が自殺してしまったんだ。相手のご両親が大反対してきたんだ」
「そりゃ仕方ないですね。厄介ごとを見てみぬフリをすれば、後に倍増して厄介ごとは降りかかるものですし」
「見てみぬフリなんかしていない! 動き出そうとしていた矢先に死なれたんだ!」
「ですが動き出すまでに時間がかかったのは事実なんでしょう? イジメを知ってから動き出すまで、何日過ぎたんですか?」
「ぐっ…!」
…この様子だと、本当に動き出そうとしたのかも怪しいな。
結婚が控えていたなら、余計な騒ぎは起こしたくなかったハズだし。
「しょーがない先生とクラスメートですね」
アタシは深く息を吐くと、ズイッと顔を近づけた。
「なら先生、噂には噂で対応しましょうよ」
「どっどうやって?」
「アタシが今から言うことを、それとなくクラスの1人1人に言ってってください。結構効果あると思いますよ?」
アタシはニッコリ笑って、その方法を伝えた。
『みぃ』というのは、この学校の守り神。
篠原紅海はその守り神を信仰していた。
だけど彼女は自殺をしてしまったことから、守り神は悲しんで暴れている。
この悲しみを鎮める為には、彼女が自ら命を絶った屋上へ行き、お供え物をして、心から成仏を祈れば、いずれは悲しみも癒えるだろう。
「―と伝えてください。いきなりはムリですが、そのうち効果は発揮すると思いますから」
「あっああ」
数週間後、効果は少しずつだが現われていた。
クラスメート達の顔には、少しずつ笑顔が出てきた。
アタシへの扱いも、普通の友達のようになっていった。
そこでふと、彼女が命を絶った場所へ行きたくなった。
本当に言ったことがやられているのか、見てみたくなったのだ。
放課後、1人で屋上へ向かう。
けれど扉は鍵がかかっていた。
扉には張り紙がされていて、『立ち入り禁止』となっているらしい。
けれど、扉のすぐ隣には窓があり、鍵は内側にある。
だから鍵を開ければ、窓から屋上に出れる。
…この造りは意味があるんだろうか?
疑問に感じながらも、花束やお供え物がしてある場所へ向かった。
多くの花束や、お供え物がある場所へ立った。
ここで彼女は…。
ぎゅっと目を閉じ、心を静める。
ふと開けると、小さなアルバムが目に映った。
手にとって見ると、生前の彼女とクラスメート達の写真集だった。
最初のうちは楽しそうな彼女の笑顔。
だけど捲るうちに、笑顔が曇っていく。
最後の方では、肩まで伸びていた髪が、ざんばらなショートカットになっていた。
多分…切られたんだろうな。
それでも彼女は笑顔を絶やさなかった。
自分には守護天使がいるから、と…。
最後まで『みぃ』の存在を心の支えにしていたんだろうな。
アタシはアルバムをぎゅっと抱き締める。
その衝撃で、一枚の大きな写真がアルバムから出た。
「…篠原が亡くなって以来、クラスメート達に次々と不幸が起こっているからだ。その中の1人が、言い出した」
自分達は『みぃ』に復讐されている!―と。
「ちなみにどのような不幸なんですか?」
「一つ一つは偶然のこととも言える。両親の離婚や、親のリストラ。財布や携帯電話の紛失、ケンカに巻き込まれただのが、連続して起こっているんだ」
「それって…偶然が重なっているだけなのでは?」
「俺もそう言っている。だが一度騒ぎ出すと、中々収まらないんだ」
「はぁ。それで祟り、ですか。…ちなみに先生は何かご不幸がありましたか?」
「…婚約を解消された」
「あらま★ また何で?」
「自分の受け持ちの生徒が自殺してしまったんだ。相手のご両親が大反対してきたんだ」
「そりゃ仕方ないですね。厄介ごとを見てみぬフリをすれば、後に倍増して厄介ごとは降りかかるものですし」
「見てみぬフリなんかしていない! 動き出そうとしていた矢先に死なれたんだ!」
「ですが動き出すまでに時間がかかったのは事実なんでしょう? イジメを知ってから動き出すまで、何日過ぎたんですか?」
「ぐっ…!」
…この様子だと、本当に動き出そうとしたのかも怪しいな。
結婚が控えていたなら、余計な騒ぎは起こしたくなかったハズだし。
「しょーがない先生とクラスメートですね」
アタシは深く息を吐くと、ズイッと顔を近づけた。
「なら先生、噂には噂で対応しましょうよ」
「どっどうやって?」
「アタシが今から言うことを、それとなくクラスの1人1人に言ってってください。結構効果あると思いますよ?」
アタシはニッコリ笑って、その方法を伝えた。
『みぃ』というのは、この学校の守り神。
篠原紅海はその守り神を信仰していた。
だけど彼女は自殺をしてしまったことから、守り神は悲しんで暴れている。
この悲しみを鎮める為には、彼女が自ら命を絶った屋上へ行き、お供え物をして、心から成仏を祈れば、いずれは悲しみも癒えるだろう。
「―と伝えてください。いきなりはムリですが、そのうち効果は発揮すると思いますから」
「あっああ」
数週間後、効果は少しずつだが現われていた。
クラスメート達の顔には、少しずつ笑顔が出てきた。
アタシへの扱いも、普通の友達のようになっていった。
そこでふと、彼女が命を絶った場所へ行きたくなった。
本当に言ったことがやられているのか、見てみたくなったのだ。
放課後、1人で屋上へ向かう。
けれど扉は鍵がかかっていた。
扉には張り紙がされていて、『立ち入り禁止』となっているらしい。
けれど、扉のすぐ隣には窓があり、鍵は内側にある。
だから鍵を開ければ、窓から屋上に出れる。
…この造りは意味があるんだろうか?
疑問に感じながらも、花束やお供え物がしてある場所へ向かった。
多くの花束や、お供え物がある場所へ立った。
ここで彼女は…。
ぎゅっと目を閉じ、心を静める。
ふと開けると、小さなアルバムが目に映った。
手にとって見ると、生前の彼女とクラスメート達の写真集だった。
最初のうちは楽しそうな彼女の笑顔。
だけど捲るうちに、笑顔が曇っていく。
最後の方では、肩まで伸びていた髪が、ざんばらなショートカットになっていた。
多分…切られたんだろうな。
それでも彼女は笑顔を絶やさなかった。
自分には守護天使がいるから、と…。
最後まで『みぃ』の存在を心の支えにしていたんだろうな。
アタシはアルバムをぎゅっと抱き締める。
その衝撃で、一枚の大きな写真がアルバムから出た。
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