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第一章 天使の導き
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「おい、白露起きろよ。また遅れたらおじさんに怒られるぞ」
俺の親友、蒼がそう言ったところで目が覚めた。
今の時刻は――――
「えっ、やばいやばい遅刻じゃん! なんでもっと早く起こしてくれなかったんだよぉー」
「お前がただ聞いてなかっただけだし。俺悪くないし」
全くの図星だ。
「くっそぉー蒼、お前あとで覚えてろよ!」
毎日この会話が繰り返されているような気がするが、まぁ毎回蒼がちゃんと俺を起こしてくれてないってことでいいか。
バッグを背負って蒼に声を掛けようとした、その時。
「おいお前ら」
「「え?」」
俺は声のした方へ目を向けた。
そこには、信じ難いが上等な白い布を着た少女がいた。
「お前ら、それぞれ白露、蒼と言う者か?」
蒼を見、少女の方に見直す。
「そうだけど……。なんで知ってるの?」
「あぁ、その説明は今からするから安心しろ。……私は天使だ。天使が蒼穹にいることぐらいは知ってるだろ?」
こくりと小さく頷く。
この世界には地下に暮らす下級民、地上に暮らす中級民と上級民、蒼穹に浮かぶ城で暮らす天使がいる。
そして、俺たちはそのうちの下級民だ。
「お前らは自分は下級民だと思っているだろう。だがそれは誤りで、人間と天使の血が混同してるんだよ。だから正確には下級民ではなく天使」
「え……じゃあ俺の母さんは?」
蒼がそう質問すると、やれやれと言わんばかりに少女は溜息をついた。
「はぁ……なんだ、普通に生活していながらそんなことも聞いてないのか」
「で? どうなの?」
「お前たちのパパママは偶然にもお前らが道でうずくまってるのを見つけて養ってるんだ。だから血は繋がっていない」
俺は言葉を失った。俺にはそんな記憶は一切ないし、両親からそんな話を聞いたことがないのに……。
「まぁいい。ほら、これ上から被れ」
「え、でも……」
「いいから早く」
少女から手渡された上等な布を見ると、急かされてもなんだか着れない気持ちになる。
「う、ホントにいいの?」
「いいっつってるだろ。何回も言わせんな」
もうこれ以上ためらったらキレそうだから、仕方なく着た。
「これから地上と地下を結ぶ門を通る。絶対の絶対に喋るなよ? お前らが喋ったらボロが出そうだ。あと地下から出た後も私が良いって言うまで喋るな。分かったか?」
「はい、分かりました……」
一体これからどうなることやら……。
»†«
「――――はい、上級民のノヴァル様とそのご兄弟様で間違いないですね。お通りください」
地下と地上を結ぶ門の門番がそう言ったのを聞いてほっと胸を撫で下ろす。
しかし『兄弟』という設定にふと疑問を抱いて天使に聞こうとしたが、出発前に天使から言われたことを思い出して口を噤む。
天使のあとに続き、門をくぐる。
「うわぁ……」
天使にジロリと睨まれたが、驚かずにはいられなかったのだ。
多分地上へと繋がる階段なのだろう、とても長そうな階段だった。
「はぁ、こっちじゃないだろう? 行きはエレベーターを使っただろう。教えたはずだ」
天使の目が「そうだったねと言え」と言っている。
「あぁ、確かにそうだったね」
「ほら、じゃあ行くぞ」
天使に腕を引っ張られ、エレベーターに乗せられる。
「はぁ……危なかったな」
「そうなの?」
「じゃあよく考えてみろ。行きも同じルートを通って来たのに帰りも同じことを繰り返していたらおかしくないか? あと、行きは普通に行けたのに、帰りは階段に驚くとかもおかしいはずだ」
「そうだね……」
確かにそこまで考えていなかった。今頃天使がいなかったらどうなっていたことか。
「まぁ言ってなかった私も悪い。そこは謝る。……あそこにあった階段は中級民が使うもので、このエレベーターは上級民が使うものだ。しっかり覚えとけよ。使う機会なんて滅多にないが常識中の常識だ」
「なるほどね」
蒼がそう言った時、エレベーターが止まった。
「地上に着いたみたいだな。……ここから絶対に喋るな」
俺と蒼はこくりと頷いた。
»†«
(うっ……! 凄く眩しい!)
後ろにいる蒼に目を向けてみたが、どうやら我慢しているようだ。
(俺も我慢しなきゃ!)
だがやっぱり眩しい。
「我慢しろ。森につくまであともう少しだ」
天使が小声で俺に話しかけてくる。
「あら、どうかされまして?」
眩しくて状況が理解できないが言葉遣いや声の高さから天使ではないと解る。
「いえ、何でもないですよ。少々トラブルがあって長い間地上に出ていなかったもので……。まぁ私は地下を調査しているので慣れていますけどね」
「そうでしたの。そちらの子達は少し薄汚く見えますが……まさか、下級民ってことは、ねぇ?」
女性はワザと周りに聞こえる声で喋った。
そうすると、さっきまでとは違ってざわざわと騒がしくなっていった。
「下級民に見えるなら貴女の目は腐っていますよ? たとえ薄汚れていたとしても下級民にはこのような上等な服は着られませんし、服は麻でできており、国から支給されていますから。仮に自ら作っていたとしても、綿は地下で育てられませんし、種が手に入りません」
「ですが――――」
「それでも下級民だと言うのならば名誉毀損で訴えさせて頂きます。こちらにはちゃんと兄弟であるという証拠もありますから」
こっちには相手を下級民だと証明する証拠がないことに気がついた女性はチッと舌打ちをすると去っていった。
「はぁ、全く困ったもんだな」
天使が小さくそう呟いたのが聞こえた。
»†«
日が沈みかけた頃、天使が言う目的地に着いた。
「で? ここで何をするの?」
「もう安心しろ。ここからこれに乗って行くからな」
天使はてくてくと歩くと、あるものをバンバンと叩いた。
そちらの方を向くと、得体のしれないものがあった。
「何それー」
と蒼。
「はぁ? 見てわからないか?」
「だって地下じゃ見ないものだもん」
「あぁ確かにそうだな……」
面倒臭そうに髪をぐしゃぐしゃと掻くと、その得体のしれないものに寄りかかった。
「まぁお前ら人から見たら馬車と言われることが多いが、これはただの馬車ではない。普通の馬車は、長距離を移動する時によく使われるものだが、これは天使の住処である蒼穹城に行くための馬車だ」
「天使なのに空は飛べないんだね」
「まぁそりゃそうだ。天使は人間から派生した種族と言われているからな」
初耳なものばかりだ。頭からすぐに抜けてもおかしくない。
「説明は向かっている途中で説明する。だから乗れ」
天使は馬車のドアを開けると手招きをした。
俺は蒼の後に続いて乗る。天使が乗って席に座るとガタガタと動き出した。
「わー、すごーい! 地面が離れてく~」
「あんま乗り出しすぎると落ちるぞ。……ふぅ。まずお前らを急遽、蒼穹城に迎えることになったわけを話そう」
真剣な空気になると、さすがの蒼も静かになった。
(やっぱり真面目だな、蒼は)
「お前らのママが私達天使だったんだ。で、ある日人の男に恋をして。まぁあの頃は人数も多くてその子孫に、人に近い血が流れててもいいやって話になって結婚を許した。それぞれ二人は地上で暮らすことを選択し、それからいくつかの月日が流れた。ある日お前ら――――まぁ赤子の時だな、を連れてきた。でも人間に近かったから蒼穹城で暮らすことを拒否した。だがそれから数年後。皆年のせいか私と姉を残して逝ってしまった。姉と話し合った結果、人間に近くてもいいから子孫を探そうって話になった。その子孫というのがお前らだ」
「なるほど、よく分かんなかった。話長いから要約してよ、要約」
前言撤回、蒼は全然真面目じゃなかった。
「はぁ、仕方ない。教育からまず始めないとだな……」
「教養なくても生きていけるから別に勉強しなくてもいいじゃん」
「そういう問題じゃ――――……お、蒼穹城が見えてきたぞ」
「え、ホント?」
俺は少し身を乗り出して周りを見る。
「あれ、か。思ってたより壮大な建物だ」
なんだか神話に出てきそうな城だ。
城にツルが絡まっており、より一層古さを際立てている。
「よし、ここから揺れが少し大きくなるからしっかり掴まれよ」
»†«
「はぁ……はぁ……。死ぬ、かと思っ、た……」
その場に座り込む。
あの揺れは『少し』ではない領域だ。というよりか掴まっていなかったと振り回されて物の角に頭をぶつけて、あるいは窓から勢いよく放り投げ出されて死んでいたと思う。
「天使さんは天使というより悪魔だね……」
「そういや名前言ってなかったな。私はリズルと言う。その空っぽの脳みそに叩き込んどけ」
「じゃああだ名で悪魔って呼ばせてもらう……」
「話聞いてたか?」
「聞いてました。すいません」
ある程度息が整ったため、立って壮大な城を眺める。
「やっぱ近くで見るのと遠くで見るのでは違うね」
ところどころヒビが入っているのが見える。
「フッフッフッ、そうだろ? 遅くなったな。ようこそ、蒼穹城へ」
俺の親友、蒼がそう言ったところで目が覚めた。
今の時刻は――――
「えっ、やばいやばい遅刻じゃん! なんでもっと早く起こしてくれなかったんだよぉー」
「お前がただ聞いてなかっただけだし。俺悪くないし」
全くの図星だ。
「くっそぉー蒼、お前あとで覚えてろよ!」
毎日この会話が繰り返されているような気がするが、まぁ毎回蒼がちゃんと俺を起こしてくれてないってことでいいか。
バッグを背負って蒼に声を掛けようとした、その時。
「おいお前ら」
「「え?」」
俺は声のした方へ目を向けた。
そこには、信じ難いが上等な白い布を着た少女がいた。
「お前ら、それぞれ白露、蒼と言う者か?」
蒼を見、少女の方に見直す。
「そうだけど……。なんで知ってるの?」
「あぁ、その説明は今からするから安心しろ。……私は天使だ。天使が蒼穹にいることぐらいは知ってるだろ?」
こくりと小さく頷く。
この世界には地下に暮らす下級民、地上に暮らす中級民と上級民、蒼穹に浮かぶ城で暮らす天使がいる。
そして、俺たちはそのうちの下級民だ。
「お前らは自分は下級民だと思っているだろう。だがそれは誤りで、人間と天使の血が混同してるんだよ。だから正確には下級民ではなく天使」
「え……じゃあ俺の母さんは?」
蒼がそう質問すると、やれやれと言わんばかりに少女は溜息をついた。
「はぁ……なんだ、普通に生活していながらそんなことも聞いてないのか」
「で? どうなの?」
「お前たちのパパママは偶然にもお前らが道でうずくまってるのを見つけて養ってるんだ。だから血は繋がっていない」
俺は言葉を失った。俺にはそんな記憶は一切ないし、両親からそんな話を聞いたことがないのに……。
「まぁいい。ほら、これ上から被れ」
「え、でも……」
「いいから早く」
少女から手渡された上等な布を見ると、急かされてもなんだか着れない気持ちになる。
「う、ホントにいいの?」
「いいっつってるだろ。何回も言わせんな」
もうこれ以上ためらったらキレそうだから、仕方なく着た。
「これから地上と地下を結ぶ門を通る。絶対の絶対に喋るなよ? お前らが喋ったらボロが出そうだ。あと地下から出た後も私が良いって言うまで喋るな。分かったか?」
「はい、分かりました……」
一体これからどうなることやら……。
»†«
「――――はい、上級民のノヴァル様とそのご兄弟様で間違いないですね。お通りください」
地下と地上を結ぶ門の門番がそう言ったのを聞いてほっと胸を撫で下ろす。
しかし『兄弟』という設定にふと疑問を抱いて天使に聞こうとしたが、出発前に天使から言われたことを思い出して口を噤む。
天使のあとに続き、門をくぐる。
「うわぁ……」
天使にジロリと睨まれたが、驚かずにはいられなかったのだ。
多分地上へと繋がる階段なのだろう、とても長そうな階段だった。
「はぁ、こっちじゃないだろう? 行きはエレベーターを使っただろう。教えたはずだ」
天使の目が「そうだったねと言え」と言っている。
「あぁ、確かにそうだったね」
「ほら、じゃあ行くぞ」
天使に腕を引っ張られ、エレベーターに乗せられる。
「はぁ……危なかったな」
「そうなの?」
「じゃあよく考えてみろ。行きも同じルートを通って来たのに帰りも同じことを繰り返していたらおかしくないか? あと、行きは普通に行けたのに、帰りは階段に驚くとかもおかしいはずだ」
「そうだね……」
確かにそこまで考えていなかった。今頃天使がいなかったらどうなっていたことか。
「まぁ言ってなかった私も悪い。そこは謝る。……あそこにあった階段は中級民が使うもので、このエレベーターは上級民が使うものだ。しっかり覚えとけよ。使う機会なんて滅多にないが常識中の常識だ」
「なるほどね」
蒼がそう言った時、エレベーターが止まった。
「地上に着いたみたいだな。……ここから絶対に喋るな」
俺と蒼はこくりと頷いた。
»†«
(うっ……! 凄く眩しい!)
後ろにいる蒼に目を向けてみたが、どうやら我慢しているようだ。
(俺も我慢しなきゃ!)
だがやっぱり眩しい。
「我慢しろ。森につくまであともう少しだ」
天使が小声で俺に話しかけてくる。
「あら、どうかされまして?」
眩しくて状況が理解できないが言葉遣いや声の高さから天使ではないと解る。
「いえ、何でもないですよ。少々トラブルがあって長い間地上に出ていなかったもので……。まぁ私は地下を調査しているので慣れていますけどね」
「そうでしたの。そちらの子達は少し薄汚く見えますが……まさか、下級民ってことは、ねぇ?」
女性はワザと周りに聞こえる声で喋った。
そうすると、さっきまでとは違ってざわざわと騒がしくなっていった。
「下級民に見えるなら貴女の目は腐っていますよ? たとえ薄汚れていたとしても下級民にはこのような上等な服は着られませんし、服は麻でできており、国から支給されていますから。仮に自ら作っていたとしても、綿は地下で育てられませんし、種が手に入りません」
「ですが――――」
「それでも下級民だと言うのならば名誉毀損で訴えさせて頂きます。こちらにはちゃんと兄弟であるという証拠もありますから」
こっちには相手を下級民だと証明する証拠がないことに気がついた女性はチッと舌打ちをすると去っていった。
「はぁ、全く困ったもんだな」
天使が小さくそう呟いたのが聞こえた。
»†«
日が沈みかけた頃、天使が言う目的地に着いた。
「で? ここで何をするの?」
「もう安心しろ。ここからこれに乗って行くからな」
天使はてくてくと歩くと、あるものをバンバンと叩いた。
そちらの方を向くと、得体のしれないものがあった。
「何それー」
と蒼。
「はぁ? 見てわからないか?」
「だって地下じゃ見ないものだもん」
「あぁ確かにそうだな……」
面倒臭そうに髪をぐしゃぐしゃと掻くと、その得体のしれないものに寄りかかった。
「まぁお前ら人から見たら馬車と言われることが多いが、これはただの馬車ではない。普通の馬車は、長距離を移動する時によく使われるものだが、これは天使の住処である蒼穹城に行くための馬車だ」
「天使なのに空は飛べないんだね」
「まぁそりゃそうだ。天使は人間から派生した種族と言われているからな」
初耳なものばかりだ。頭からすぐに抜けてもおかしくない。
「説明は向かっている途中で説明する。だから乗れ」
天使は馬車のドアを開けると手招きをした。
俺は蒼の後に続いて乗る。天使が乗って席に座るとガタガタと動き出した。
「わー、すごーい! 地面が離れてく~」
「あんま乗り出しすぎると落ちるぞ。……ふぅ。まずお前らを急遽、蒼穹城に迎えることになったわけを話そう」
真剣な空気になると、さすがの蒼も静かになった。
(やっぱり真面目だな、蒼は)
「お前らのママが私達天使だったんだ。で、ある日人の男に恋をして。まぁあの頃は人数も多くてその子孫に、人に近い血が流れててもいいやって話になって結婚を許した。それぞれ二人は地上で暮らすことを選択し、それからいくつかの月日が流れた。ある日お前ら――――まぁ赤子の時だな、を連れてきた。でも人間に近かったから蒼穹城で暮らすことを拒否した。だがそれから数年後。皆年のせいか私と姉を残して逝ってしまった。姉と話し合った結果、人間に近くてもいいから子孫を探そうって話になった。その子孫というのがお前らだ」
「なるほど、よく分かんなかった。話長いから要約してよ、要約」
前言撤回、蒼は全然真面目じゃなかった。
「はぁ、仕方ない。教育からまず始めないとだな……」
「教養なくても生きていけるから別に勉強しなくてもいいじゃん」
「そういう問題じゃ――――……お、蒼穹城が見えてきたぞ」
「え、ホント?」
俺は少し身を乗り出して周りを見る。
「あれ、か。思ってたより壮大な建物だ」
なんだか神話に出てきそうな城だ。
城にツルが絡まっており、より一層古さを際立てている。
「よし、ここから揺れが少し大きくなるからしっかり掴まれよ」
»†«
「はぁ……はぁ……。死ぬ、かと思っ、た……」
その場に座り込む。
あの揺れは『少し』ではない領域だ。というよりか掴まっていなかったと振り回されて物の角に頭をぶつけて、あるいは窓から勢いよく放り投げ出されて死んでいたと思う。
「天使さんは天使というより悪魔だね……」
「そういや名前言ってなかったな。私はリズルと言う。その空っぽの脳みそに叩き込んどけ」
「じゃああだ名で悪魔って呼ばせてもらう……」
「話聞いてたか?」
「聞いてました。すいません」
ある程度息が整ったため、立って壮大な城を眺める。
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