訳ありで生活環境が変わったんですが、それと同時に俺の親友もおかしくなってしまいました!?

翠雨。

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第八章 休日 その1

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「んー……」

 昼頃に目が覚めた。
 蒼はまだ寝ている。

(今気が付いたけど寝顔も可愛いな)

 起こさないようにそっとベッドから降りる。

 取りあえず城の中を散策してみたけれど、リズルさんはいなかった。

「……もしかして庭にいるのかな?」

 窓から庭の様子を窺うけれど、リズルさんらしい姿はなかった。
 このまま居ても何もないと思い、食堂へ行く。

「……?」

 机の上にあった紙を読む。

「『私は今から地上に行って植物採取に行ってくるから台所にあるものを適当に食べておいてくれ』……? 地上の何の植物を取りに行っているんだろう?」

 首を傾げたが答えは出ない。
 紙に書いてある通りに台所へ行く。

「これかな?」

 鍋の蓋を開ける。
が、直ぐに閉じた。

「いや待ってリズルさん絶対これ食べ物じゃないでしょ。どっからどう見たって毒だよ、これ」

 スープは紫色をしており、中には得体の知れない黒い物体が入っていた。

「んーどしたー?」

 起きてから間もないのだろう、眠そうに瞼を擦りながら蒼が口を開いた。

「うぉっ蒼か。ビックリしたじゃんか」

「ごめんって。……ところでこれは何? 最後の晩餐??」

「んなこと言うなよ。縁起が悪い。……リズルさんが書いた手紙によると朝ごはんにこれを食べろ、ということらしい」

「はぁ、リズルさんいつもは料理上手いのに今回だけクソ下手だね」

「お前殺されるぞ」

 はぁ、と溜め息をつく。
 一体危険物これはどうするべきなのか。

「うーん、まぁまず僕が毒見してあげるよ」

「してくれるなら頼もうかな……」

 お椀を棚から出し、スープを少量よそう。

「じゃあよろしく」

 蒼に差し出す。
 蒼はスープを飲むと、こくりと頷いた。

「これ大丈夫。食べれるやつ」

「はー良かった。てか何でこういうやつを作ったんだ」

「いや知らんし」

 各自スープをよそって席に着く。

「いただきまーす」

「いただきまーす。……白露って今日やることとかある?」

「ないけど?」

「そっか……」

 黙々とスープを食べていく。

(さっきの質問何だったんだ?)

 蒼はにこにこと笑っていた。
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