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幼犬時代
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僕はこの家の2番目の子供と一緒の年に産まれた。産まれて直ぐにこの家に来たから、両親のことは全く覚えていない。でも自分の体を見ればこれだけは分かる。僕は由緒正しき雑種だ。
僕の家はとっても大きな赤い屋根の素敵なお家。入口なんか僕が2匹いっぺんに入ってもまだまだ余裕がある広さだ。床に敷かれた毛布もふかふか。僕のお気に入りの寝床だ。
でも僕はやっぱり家の外にいるのが好き。僕より3つ上のお兄さんは、外に出るといつも僕の頭を撫でてくれた。小さな手が僕の頭を一生懸命撫でてくれる。お日様みたいにぽかぽか暖かくてその間はじっとしているんだ。尻尾だけはぴょこぴょこ動いてしまうけど。
僕と同い年の女の子はまだまだ自分で動けないみたい。僕は産まれて直ぐに走り回れたのにね! お兄さんみたいに僕の頭を撫でてくれる日が来るのが待ち遠しい。
お父さんも大きな手で僕を良く撫でてくれた。お父さんの手は大きいから、頭だけじゃなく、背中まで一緒に撫でられて、僕はその時ばかりは地面にうつ伏せになってしまう。僕の尻尾がお父さんの手を撫でる度にお父さんは楽しそうな顔をしていた。
そんなお父さんは学校の先生なんだって。毎日スクーターに乗って学校に向かう姿を、かっこいいなぁと思いながら見送ってるんだ。冬は雪が積もって道が無くなるから、お父さんがえっちらおっちら歩いていく。僕はそれを横目に柔らかい雪の上を駆け回る。ああ、この鎖がもっと長ければいいのに!
お母さんは元々病院勤めの管理栄養士さんだったんだって。女の子が生まれるのをきっかけに辞めたみたい。今は近所のおばさん達と集まって楽しそうに何かしている。
お母さんは料理がとっても上手! 僕のご飯は毎日お母さんの手料理なんだ。でも、日によって量はまちまち。この前は硬いドックフードが多めだった。どっちも美味しいからいいんだけどね。
僕の家もお父さん達が住む家も、どっちも新しい一軒家。ちょうど売りに出された土地を買って建てたんだってお父さんが自慢げに話していたっけ。
道から奥まった先にある僕の家のお隣さんは、なんと両方ともお父さんと同じ学校の先生。お父さんと一緒に買ったって言ってたから、とっても仲良しなのかな? 片方のおじさんなんかお父さんと同じ学校だって言ってたもん。
お父さんは散歩が好きで、いっつも僕を散歩に連れてってくれる。毎日別の場所を歩くのが好きみたいで、僕はナワバリを主張するのに必死。
この町には犬が多いみたいで、しばらくぶりに前来た場所を通りかかると、いつも別の臭いが漂ってた。もちろん僕の臭いで上書きしてあげるけどね。
最近やっと女の子が僕の頭を撫でてくれるようになった。でも気になることがあってそれどころじゃないんだ。最近の食事が似たものばかり。なんか味も随分濃くて、文句が言いたいんだけど、肝心のお母さんを見かけない。いつも食事を持ってきてくれるのに、持ってきてくれるのはお父さん。お母さん具合でも悪いのかな? そういえば最後に見た時、お腹を重そうによたよた歩いていたっけ。あんなにお腹が腫れて、多分病気になったんだ! 大変大変! 早く良くなってくれるといいな。
しばらく待っていたら、お母さんが帰ってきた。大きく腫れていたお腹も今はすっかり元通り。良かった元気になったんだね。と思ったら、なんだろうあれ。大きなまるまるとした男の子をお母さんが重そうに抱えていた。
もしかして! やったぁ! 僕お兄さんになったんだね!
僕の家はとっても大きな赤い屋根の素敵なお家。入口なんか僕が2匹いっぺんに入ってもまだまだ余裕がある広さだ。床に敷かれた毛布もふかふか。僕のお気に入りの寝床だ。
でも僕はやっぱり家の外にいるのが好き。僕より3つ上のお兄さんは、外に出るといつも僕の頭を撫でてくれた。小さな手が僕の頭を一生懸命撫でてくれる。お日様みたいにぽかぽか暖かくてその間はじっとしているんだ。尻尾だけはぴょこぴょこ動いてしまうけど。
僕と同い年の女の子はまだまだ自分で動けないみたい。僕は産まれて直ぐに走り回れたのにね! お兄さんみたいに僕の頭を撫でてくれる日が来るのが待ち遠しい。
お父さんも大きな手で僕を良く撫でてくれた。お父さんの手は大きいから、頭だけじゃなく、背中まで一緒に撫でられて、僕はその時ばかりは地面にうつ伏せになってしまう。僕の尻尾がお父さんの手を撫でる度にお父さんは楽しそうな顔をしていた。
そんなお父さんは学校の先生なんだって。毎日スクーターに乗って学校に向かう姿を、かっこいいなぁと思いながら見送ってるんだ。冬は雪が積もって道が無くなるから、お父さんがえっちらおっちら歩いていく。僕はそれを横目に柔らかい雪の上を駆け回る。ああ、この鎖がもっと長ければいいのに!
お母さんは元々病院勤めの管理栄養士さんだったんだって。女の子が生まれるのをきっかけに辞めたみたい。今は近所のおばさん達と集まって楽しそうに何かしている。
お母さんは料理がとっても上手! 僕のご飯は毎日お母さんの手料理なんだ。でも、日によって量はまちまち。この前は硬いドックフードが多めだった。どっちも美味しいからいいんだけどね。
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道から奥まった先にある僕の家のお隣さんは、なんと両方ともお父さんと同じ学校の先生。お父さんと一緒に買ったって言ってたから、とっても仲良しなのかな? 片方のおじさんなんかお父さんと同じ学校だって言ってたもん。
お父さんは散歩が好きで、いっつも僕を散歩に連れてってくれる。毎日別の場所を歩くのが好きみたいで、僕はナワバリを主張するのに必死。
この町には犬が多いみたいで、しばらくぶりに前来た場所を通りかかると、いつも別の臭いが漂ってた。もちろん僕の臭いで上書きしてあげるけどね。
最近やっと女の子が僕の頭を撫でてくれるようになった。でも気になることがあってそれどころじゃないんだ。最近の食事が似たものばかり。なんか味も随分濃くて、文句が言いたいんだけど、肝心のお母さんを見かけない。いつも食事を持ってきてくれるのに、持ってきてくれるのはお父さん。お母さん具合でも悪いのかな? そういえば最後に見た時、お腹を重そうによたよた歩いていたっけ。あんなにお腹が腫れて、多分病気になったんだ! 大変大変! 早く良くなってくれるといいな。
しばらく待っていたら、お母さんが帰ってきた。大きく腫れていたお腹も今はすっかり元通り。良かった元気になったんだね。と思ったら、なんだろうあれ。大きなまるまるとした男の子をお母さんが重そうに抱えていた。
もしかして! やったぁ! 僕お兄さんになったんだね!
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