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第5章
第99話
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「ちょっと、あんた達どういうつもり?!」
問いかけも虚しく第二陣の矢が雨のようにソフィを襲う。
短く詠唱したソフィの目の前に突風が吹き抜け、矢を空中へと撒き散らした。
「念の為、もう一度だけ言うわよ? あんた達正気?」
虚ろな目をしたエルフ達は既に次の矢を継ぎ、三度目となる攻撃を繰り出した。
先程と同じように一陣の風が吹き矢を吹き飛ばし、その後を追うように巨大な風の刃がエルフ達の立つ木々を根元から切り裂く。
折り重なるように倒れゆく木々。
生い茂る枝や幹に押し潰されぬよう、安全な土地へと移るため、エルフ達は空中へと身を投げた。
そこへ襲いかかる迅雷。
その身に受けた雷は身体の自由を奪い、不格好な姿のまま地面へと落ちていく。
地面に打ち付けられる瞬間ふわりと優しい風がエルフ達を包み込む。
見えない腕に抱き抱えられるかのようにエルフ達は優しく地面へと着地した。
「ちょっとやりすぎちゃったかもしれないけど、まだ意識はあるわよね?」
未だに身動きの取れないエルフ達に近付き、ソフィはエルフの真意を知るため、三度目の問いかけをした。
まだ雷の影響でまともな動きは出来ないものの、意識ははっきりしているはずのエルフ達からは返事は無かった。
仕方なく地面にうずくまっているエルフ達をひとまとめにして再び襲ってこれないよう、手足をそこら辺から手に入れた蔓で結ぶ。
その間に何度かエルフ達の顔を間近で見たが、やはり目の焦点が合っていないようで、正気では無いようだった。
「ふぅ。ひとまずこんなところかしら。襲われたってことはここから近くにエルフの集落があるってことよね?」
ソフィはひとまずこの場でこの訳の分からないエルフ達から情報を得るよりも、集落で集めた方が早いと判断した。
問題は拘束したエルフ達をどうやって運ぶかだった。
「一応、気を使ってたけど、向こうから攻撃してきたんだから、もういいわよね」
そういうとソフィは呪文を唱え、先程と同じ様に目の前の木々をなぎ倒していく。
数回唱えた後には、それなりの幅に障害物が覗かれた道が形成されていた。
倒れた巨木からそれなりの厚みのある板を風の魔法で切り出し、その上へエルフ達のを乗せていく。
最後の呪文を唱えると、絶え間なく吹きあがる風のおかげで、板が僅かに浮かび上がる。
先端に括りつけられた蔓を引くと、複数のエルフ達が乗っているのにも関わず、ほとんど無抵抗に板が動き出した。
「うん。これで運べる。風の精霊って便利ね」
ソフィが運んでいる間も、板の上のエルフ達は虚ろな目をしたまま無言で中空を眺めていた。
後ろ手に縛られた腕を力任せに動かそうとするため、手先は鬱血し赤く変色していた。
やがて一周歩くのに半日かかる程度の大きさの集落が見えてきた。
森と上手く共生し、木々の間に住居を建築しているような不思議な作りの集落だった。
ある家は地面に建ち、またある家は太い枝の上に建てられていた。
大きさも様々で、家があったところに木が生えたのか、木があるところに家を建てたのか分からないが、屋根から幹が突き出た家も複数あった。
どうやらこの中にいるエルフ達も友好的ではないようだ。
集落の中の木々や家から、複数のエルフ達が再び弓を持ちソフィを狙っていた。
近くにいるエルフの顔を見るとどうやらこちらも焦点があっていないように見える。
「しょうがないわねぇ……あっちがその気ならこっちだって……」
ソフィはおもむろに呪文を唱え始めた。
先行のエルフ達だけが敵意を向けただけなら話し合いの目処がつくかと期待したが、この有り様を見ればそれも無可能だろう。
殺すことはしないが武力で黙らせる。結果として死んだとしてもそれは止むを得ない。
それしか無いと、冒険の日々を過ごしたソフィの頭の中で何かが囁く。
一瞬コルマールに居るであろう、自分の師匠の顔が浮かんだ。
自分よりも小さな、そしてとても大きなエルフの師匠。
自分の倍どころかどれだけの年齢なのか誰も知らないが、ころころと変える表情はまるで少女のようだ。
もし目的を達成した後クランに戻って、この話を師匠のララに笑ってできるだろうか。
「えーい! 全部師匠が悪いのよー!!」
そういうとソフィは集落全体を覆い尽くす広範囲電撃を放った。
爆音が鳴り響き、外に出ているものはその電撃に晒されみな地にひれ伏した。
「なんじゃ? 今度は何事じゃ?!」
一番近くの小さめの家の扉が勢いよく開き、エルフの女性が一人外を窺う。
そのエルフと目が会い、二人とも固まってしまった。
エルフの女性は髪は艶のある銀髪を長く伸ばし、端正な顔の中にある大きめのくりっとした目が特徴的だった。
乗り出した上半身から窺い知れるだけでもスラリとした長身で、エルフの戒律にそって素肌をなるべく見せないゆったりとしたローブを着ているが、胸元には女性のソフィでも恥ずかしくなるほどの豊満な膨らみが強調されている。
「あなた! 話が通じるのね? ここのエルフ達はどうなっているのよ?! 話は通じない、問答無用で攻撃を仕掛けてくる。しまいにはみんな目が虚ろだわ。何か知っているなら教えてちょうだい!」
問いかけも虚しく第二陣の矢が雨のようにソフィを襲う。
短く詠唱したソフィの目の前に突風が吹き抜け、矢を空中へと撒き散らした。
「念の為、もう一度だけ言うわよ? あんた達正気?」
虚ろな目をしたエルフ達は既に次の矢を継ぎ、三度目となる攻撃を繰り出した。
先程と同じように一陣の風が吹き矢を吹き飛ばし、その後を追うように巨大な風の刃がエルフ達の立つ木々を根元から切り裂く。
折り重なるように倒れゆく木々。
生い茂る枝や幹に押し潰されぬよう、安全な土地へと移るため、エルフ達は空中へと身を投げた。
そこへ襲いかかる迅雷。
その身に受けた雷は身体の自由を奪い、不格好な姿のまま地面へと落ちていく。
地面に打ち付けられる瞬間ふわりと優しい風がエルフ達を包み込む。
見えない腕に抱き抱えられるかのようにエルフ達は優しく地面へと着地した。
「ちょっとやりすぎちゃったかもしれないけど、まだ意識はあるわよね?」
未だに身動きの取れないエルフ達に近付き、ソフィはエルフの真意を知るため、三度目の問いかけをした。
まだ雷の影響でまともな動きは出来ないものの、意識ははっきりしているはずのエルフ達からは返事は無かった。
仕方なく地面にうずくまっているエルフ達をひとまとめにして再び襲ってこれないよう、手足をそこら辺から手に入れた蔓で結ぶ。
その間に何度かエルフ達の顔を間近で見たが、やはり目の焦点が合っていないようで、正気では無いようだった。
「ふぅ。ひとまずこんなところかしら。襲われたってことはここから近くにエルフの集落があるってことよね?」
ソフィはひとまずこの場でこの訳の分からないエルフ達から情報を得るよりも、集落で集めた方が早いと判断した。
問題は拘束したエルフ達をどうやって運ぶかだった。
「一応、気を使ってたけど、向こうから攻撃してきたんだから、もういいわよね」
そういうとソフィは呪文を唱え、先程と同じ様に目の前の木々をなぎ倒していく。
数回唱えた後には、それなりの幅に障害物が覗かれた道が形成されていた。
倒れた巨木からそれなりの厚みのある板を風の魔法で切り出し、その上へエルフ達のを乗せていく。
最後の呪文を唱えると、絶え間なく吹きあがる風のおかげで、板が僅かに浮かび上がる。
先端に括りつけられた蔓を引くと、複数のエルフ達が乗っているのにも関わず、ほとんど無抵抗に板が動き出した。
「うん。これで運べる。風の精霊って便利ね」
ソフィが運んでいる間も、板の上のエルフ達は虚ろな目をしたまま無言で中空を眺めていた。
後ろ手に縛られた腕を力任せに動かそうとするため、手先は鬱血し赤く変色していた。
やがて一周歩くのに半日かかる程度の大きさの集落が見えてきた。
森と上手く共生し、木々の間に住居を建築しているような不思議な作りの集落だった。
ある家は地面に建ち、またある家は太い枝の上に建てられていた。
大きさも様々で、家があったところに木が生えたのか、木があるところに家を建てたのか分からないが、屋根から幹が突き出た家も複数あった。
どうやらこの中にいるエルフ達も友好的ではないようだ。
集落の中の木々や家から、複数のエルフ達が再び弓を持ちソフィを狙っていた。
近くにいるエルフの顔を見るとどうやらこちらも焦点があっていないように見える。
「しょうがないわねぇ……あっちがその気ならこっちだって……」
ソフィはおもむろに呪文を唱え始めた。
先行のエルフ達だけが敵意を向けただけなら話し合いの目処がつくかと期待したが、この有り様を見ればそれも無可能だろう。
殺すことはしないが武力で黙らせる。結果として死んだとしてもそれは止むを得ない。
それしか無いと、冒険の日々を過ごしたソフィの頭の中で何かが囁く。
一瞬コルマールに居るであろう、自分の師匠の顔が浮かんだ。
自分よりも小さな、そしてとても大きなエルフの師匠。
自分の倍どころかどれだけの年齢なのか誰も知らないが、ころころと変える表情はまるで少女のようだ。
もし目的を達成した後クランに戻って、この話を師匠のララに笑ってできるだろうか。
「えーい! 全部師匠が悪いのよー!!」
そういうとソフィは集落全体を覆い尽くす広範囲電撃を放った。
爆音が鳴り響き、外に出ているものはその電撃に晒されみな地にひれ伏した。
「なんじゃ? 今度は何事じゃ?!」
一番近くの小さめの家の扉が勢いよく開き、エルフの女性が一人外を窺う。
そのエルフと目が会い、二人とも固まってしまった。
エルフの女性は髪は艶のある銀髪を長く伸ばし、端正な顔の中にある大きめのくりっとした目が特徴的だった。
乗り出した上半身から窺い知れるだけでもスラリとした長身で、エルフの戒律にそって素肌をなるべく見せないゆったりとしたローブを着ているが、胸元には女性のソフィでも恥ずかしくなるほどの豊満な膨らみが強調されている。
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