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第6章
第124話
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笑っているソフィにララがにこやかな顔つきで近付いてくる。
それに気づいたソフィは引きつった顔をしながら、身体はすでに逃げ出そうと後ろに引き気味だ。
「広場が空いたから次は私たちの番ね。ソフィ。最近怠けてたから身体をきちんと動かさないと。風の精霊と契約した後に初めて手合わせするか楽しみね! ほらほら、早く始めるわよ!」
「え……師匠、わ、私はとりえあずいいかなーなんて……」
どうにかこの場を切り抜けようとするソフィとは対照的に、ララはすでに広場の中央に移動をはじめどんな魔法を使おうかとぶつぶつ独り言を言っている。
「師匠。ここで魔法なんて放ったら大変ですよ。特に師匠の得意な火の魔法なんて、大火事になったら大変ですから」
「大丈夫ー。カンちゃん。周りの強化とついでに火については無効化もお願いねー」
ララはカインに空気の壁とマチの精霊魔法による炎の無効化を頼む。
カインは苦笑いをしながら、ララに言われた通りの補助魔法を唱え始めた。
「うわー! カインさん。だめですよ。師匠の言うことなんて聞いたらー!」
「ごめんな。ソフィちゃん。危なくなったらちゃんと援護するから」
「全然フォローになってないですー。カインさんも知ってるでしょう。師匠の無茶苦茶ぶり!」
「こらー! ソフィ。くっちゃべってないで早くこーい! もうそこから始めちゃうぞ!」
「わわ! ちょっと、師匠。待って!」
魔法を打ちたくてたまらないのか、身体をうずうずさせながらララは詠唱を始めた。
詠唱を使う時点で既に一定上の魔法だと分かるが、その詠唱の長さ、集中の度合いからかなり高位の魔法だと予想される。
「炎よ、汝は赤だと人は言う。否。黄を過ぎて白を経て青に至る。汝は青なり。その真の色をここに示せ」
「あー。ありゃ死んだな」
「ちょっとルークちゃん見てないで止めなさいよ。リーダーなんだから。ララ、いつもながら見境なくしてるわよ」
既にソフィは泣き笑いだ。必死に生に縋りつこうと詠唱を始めた。
しかしララの方が初めが早かった分、先に詠唱を終えたようだ。
ララは満面の笑みを浮かべソフィに向けて杖を向ける。
先端から拳大の球体が現れる。球体の中心には青色に光る小さな球体があり、外側の球体の壁面から不規則に青白い光がそこへ向かってほとばしっている。
「ふふふ。ソフィ。知ってた? 炎って赤いやつより青いやつのが熱いんだよ?」
「うわー! 師匠無理ですー!!」
ソフィは詠唱を諦め叫んだ。そのソフィめがけてララの放った魔法は容赦なく進んでいく。
そこへゼロが飛び降り、ソフィを足で掴むと空へと急上昇していった。
どうやらソフィは逃げることを選んだらしい。
相手がいなくなった魔法はそのままカインが作った壁に当たり、跡形もなく消えた。
魔法が通った下にあった地面は、一度熔けて冷え固まったような表面に変わっていた。
「こらー! ソフィ! 空に逃げるなんてずるいぞー! 降りてこーい!!」
「嫌ですよ! 師匠、手加減ってものを知らないんですから!! あれ? ちょっと待ってください。カインさん! なんか村の方でみんな集まってますよ?」
「なんだって?」
ソフィの言葉を聞いてカインが視界を村の方まで広げる。
確かに村人たちが集まっているようだ。
その場所には村人たち以外にも多くの羊たちが集まっている。
しかし、その羊たちはみな地面に横たわり呼吸に合わせた身体の動きも浅い。
「村で何かあったようだ。すまんがちょっと見に行ってくるよ」
カインが駆け出すと、みなそれに習ったように村へと駆け出した。
程なくして件の場所にたどり着くと、村人たちは慌てた様子で倒れた羊たちに水を飲ませようとしたり、身体を温めるための毛布をかけたりと忙しそうにしていた。
「何があった?」
「あ、カインさん。何が何だか分からなくて。突然羊たちが倒れたと思ったら、ご覧の有様だ」
ロロがカインの問に答えた。額の汗の量からして、相当あれこれやってみたに違いない。
しかし、傍から見ても羊たち今にも死にそうなほど弱まっており、ロロたちの介護が功をなしてないことは明白だ。
カインも羊たちをしっかりと見つめる。
すると、羊たちの体の周りに魔力の揺らぎのようなものを感じた。
「カンちゃん。この子達、身体から漏れちゃってるよ。このままじゃ死んじゃう」
ララが羊たちを見ながらそう呟く。
他の者にはララの言っている意味が分からなかったが、カインには想像がついた。
しかし原因が分からない。生き物から生命力を、奪っていくなど可能なのだろうか。
少なくともカインの頭にはそのような知識は入っていなかった。
「ララ。原因は分かるか?」
「ううん。分からない。行き先を辿ろうにもこんなに弱いんじゃあ無理だよ」
「くそっ。このままじゃ、羊たちが持たない。カインさん! 何かいい方法ない!?」
「ちょっと待ってろ。ロロ。ただし一時しのぎだぞ」
そう言うとカインは珍しく詠唱を始めた。
かなり長い詠唱の後、カインが放った付与魔法は、村全体を覆うように半球形の空気の壁を作り出した。
それに気づいたソフィは引きつった顔をしながら、身体はすでに逃げ出そうと後ろに引き気味だ。
「広場が空いたから次は私たちの番ね。ソフィ。最近怠けてたから身体をきちんと動かさないと。風の精霊と契約した後に初めて手合わせするか楽しみね! ほらほら、早く始めるわよ!」
「え……師匠、わ、私はとりえあずいいかなーなんて……」
どうにかこの場を切り抜けようとするソフィとは対照的に、ララはすでに広場の中央に移動をはじめどんな魔法を使おうかとぶつぶつ独り言を言っている。
「師匠。ここで魔法なんて放ったら大変ですよ。特に師匠の得意な火の魔法なんて、大火事になったら大変ですから」
「大丈夫ー。カンちゃん。周りの強化とついでに火については無効化もお願いねー」
ララはカインに空気の壁とマチの精霊魔法による炎の無効化を頼む。
カインは苦笑いをしながら、ララに言われた通りの補助魔法を唱え始めた。
「うわー! カインさん。だめですよ。師匠の言うことなんて聞いたらー!」
「ごめんな。ソフィちゃん。危なくなったらちゃんと援護するから」
「全然フォローになってないですー。カインさんも知ってるでしょう。師匠の無茶苦茶ぶり!」
「こらー! ソフィ。くっちゃべってないで早くこーい! もうそこから始めちゃうぞ!」
「わわ! ちょっと、師匠。待って!」
魔法を打ちたくてたまらないのか、身体をうずうずさせながらララは詠唱を始めた。
詠唱を使う時点で既に一定上の魔法だと分かるが、その詠唱の長さ、集中の度合いからかなり高位の魔法だと予想される。
「炎よ、汝は赤だと人は言う。否。黄を過ぎて白を経て青に至る。汝は青なり。その真の色をここに示せ」
「あー。ありゃ死んだな」
「ちょっとルークちゃん見てないで止めなさいよ。リーダーなんだから。ララ、いつもながら見境なくしてるわよ」
既にソフィは泣き笑いだ。必死に生に縋りつこうと詠唱を始めた。
しかしララの方が初めが早かった分、先に詠唱を終えたようだ。
ララは満面の笑みを浮かべソフィに向けて杖を向ける。
先端から拳大の球体が現れる。球体の中心には青色に光る小さな球体があり、外側の球体の壁面から不規則に青白い光がそこへ向かってほとばしっている。
「ふふふ。ソフィ。知ってた? 炎って赤いやつより青いやつのが熱いんだよ?」
「うわー! 師匠無理ですー!!」
ソフィは詠唱を諦め叫んだ。そのソフィめがけてララの放った魔法は容赦なく進んでいく。
そこへゼロが飛び降り、ソフィを足で掴むと空へと急上昇していった。
どうやらソフィは逃げることを選んだらしい。
相手がいなくなった魔法はそのままカインが作った壁に当たり、跡形もなく消えた。
魔法が通った下にあった地面は、一度熔けて冷え固まったような表面に変わっていた。
「こらー! ソフィ! 空に逃げるなんてずるいぞー! 降りてこーい!!」
「嫌ですよ! 師匠、手加減ってものを知らないんですから!! あれ? ちょっと待ってください。カインさん! なんか村の方でみんな集まってますよ?」
「なんだって?」
ソフィの言葉を聞いてカインが視界を村の方まで広げる。
確かに村人たちが集まっているようだ。
その場所には村人たち以外にも多くの羊たちが集まっている。
しかし、その羊たちはみな地面に横たわり呼吸に合わせた身体の動きも浅い。
「村で何かあったようだ。すまんがちょっと見に行ってくるよ」
カインが駆け出すと、みなそれに習ったように村へと駆け出した。
程なくして件の場所にたどり着くと、村人たちは慌てた様子で倒れた羊たちに水を飲ませようとしたり、身体を温めるための毛布をかけたりと忙しそうにしていた。
「何があった?」
「あ、カインさん。何が何だか分からなくて。突然羊たちが倒れたと思ったら、ご覧の有様だ」
ロロがカインの問に答えた。額の汗の量からして、相当あれこれやってみたに違いない。
しかし、傍から見ても羊たち今にも死にそうなほど弱まっており、ロロたちの介護が功をなしてないことは明白だ。
カインも羊たちをしっかりと見つめる。
すると、羊たちの体の周りに魔力の揺らぎのようなものを感じた。
「カンちゃん。この子達、身体から漏れちゃってるよ。このままじゃ死んじゃう」
ララが羊たちを見ながらそう呟く。
他の者にはララの言っている意味が分からなかったが、カインには想像がついた。
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少なくともカインの頭にはそのような知識は入っていなかった。
「ララ。原因は分かるか?」
「ううん。分からない。行き先を辿ろうにもこんなに弱いんじゃあ無理だよ」
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