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第1章
第26話【ダンジョン攻略-4-1】
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荘厳な西洋の神殿のような作りのダンジョンをひた歩く。
壁はクリスタルのように透き通っていて、光の当たる角度で虹色に輝く。
「わぁ。すごいねぇ。前に一度だけ来たことがあるけど、その時は最初に出会ったモンスターで即死だったなぁ」
「大丈夫だ。今回は俺がいるからな。『受け流し』が切れないようにだけ気をつけてくれよ。あと、あれは頼んだぞ」
「大丈夫。もう始めてるよ。音声も一応入れてあるから、変なこと言わないでね?」
「ああ。せいぜい気を付けるよ」
そんなことを言っていると、向こうからモンスターが現れた。
なんと、俺と同じ犬の獣人だった。
「わぁ! 見て見て! ショーニンと一緒だよ。あっちのが凛々しい顔してるけど」
「そんな違い分かるのかよ」
そう言っていると色んな得物をもった獣人たちがぞろぞろと現れた。
持っている武器によって名前も違う。
俺は「金に物を言わせる」を使って上手くモンスターを誘導させると、貫通が付与された「銭投げ」で一掃する。
獣人を含めた亜人種族のダメージ上昇スキルも三段階まで取っているからダメージも上々だ。
「へぇ! 言葉では聞いていたけど、実際目で見るとすごいねぇ。ヘイト管理に防御無視の固定ダメージ、さらに武器の効果で『貫通』付与」
「緊急メンテナンスが実施された時はどうしようかと困ったがな。まぁ結果オーライだ」
現れるモンスターをなるべく全て蹴散らしながら、俺はダンジョンの最奥を目指す。
あいつらはもう着いてるだろうか?
「そういえばさ。ちゃんと聞いてなかったけど、ボスの所に着いたらどうするの?」
「もちろんマナーは守るつもりだ。きちんと待つさ」
「分かったよ。俺は見守るだけだからさ。何が起きても最後まで見届けるよ」
「ああ。頼む」
このダンジョンは以前の「ブロムスの迷宮」のように罠も豊富なようだ。
残念ながら俺には見つけることも解除することもできないから、気にせずそのまま進む。
巻き添えを食らわないようにロキには少し距離を保ったまま、後ろからついてきてもらっている。
俺が食らった後はしばらく安全だからな。
と思っていたら、このダンジョンの設計者はそんなに甘くなかったらしい。
俺が通ったすぐ後にロキが同じ場所を通った瞬間、当たりが爆発した。
俺のHPの4分の1が減った。
ロキに確認すると、ロキはダメージを受けてないらしい。
「『受け流し』は罠のダメージにも効果があるのか。それならひとまずは安心だな。それにしても前に食らった爆発罠はここまで痛くなかったぞ。さすが最難関ダンジョンだな」
「え? 罠の爆発は割合ダメージだよ。知らなかったの?」
ああ。なるほどな。
前の装備だとHPはレベル上昇分を除くと初期のままだったからな。
あの時と防御が違うにしても食らいすぎだと思ったがそういうわけだったか。
こうやってパーティを組むと色んなことを聞けて楽しいな。
ロキの話では他に「猛毒」の状態異常になる毒ガスや毒針、「麻痺」と割合ダメージを食らう雷撃など、割と罠は恐ろしいらしい。
前回も今回も発動させてはいるが、状態異常は100%防げるし、割合でダメージを食らっても「金を食う」ですぐに元通りだ。
「そうだ。これ、面白いだろ」
「え? わ! なんだこれ!」
俺は「金を食う」をロキに使う。
さっき俺が食ったコインが現れ、ロキの意思に反して無理やり口にねじ込まれていく。
特にダメージを受けてないロキの頭の上に表示される回復量は0だが、なかなか見た目がシュールで面白い。
ロキはびっくりした顔でこっちを見てる。
「何今の。表示の色からすると回復スキルみたいだけどさ」
「回復スキルだよ。自分だけじゃなく、他のやつにも使えるんだ。優秀だろ?」
「ほんとに……誰だよ、『商人』がネタ職なんて言い出したの。万能職じゃないか」
「まぁ、スキルの名前とおり金を食うけどな。最初の金稼ぎができるかどうかがキモだな。その点俺は運が良かった」
今となってはロックビートルでの金稼ぎもそこまでうまくない。
俺のせいで後続の「商人」を選ぶプレイヤーの攻略方法を一つ潰してしまった。
「装備やスキルの設定変更なんていくらでもあることだからさ。またアプデでバランス変更があるかもしれないし」
「まぁ、そうなったらそうなったで、できることから攻略法を探すだけだけどな」
「いいね! やっぱりあんたはいいよ。最初に声をかけて正解だったな」
「ああ。今となってはあれがなかったら、とっくに止めてたかもしれないからな。ロキのおかげだよ」
嬉しそうに、そして恥ずかしそうにロキは自分の頬を指でかいた。
「お! とうとう最後の部屋のようだよ? こんな扉が普通の部屋に続くと、ちょっと思えないもんね」
「ここまで来るまでに出会わなかったからな。中にいて、間に合ってくれてればいいんだが」
目の前には壁と同じくクリスタルでできた馬鹿でかい扉。
壁や他の扉と違うのは、その全面に複雑な幾何学模様が浮かび上がっていることだ。
「綺麗だね。さぁ、ショーニンのタイミングで開けてくれよ」
「ああ。じゃあ、行くぞ!」
俺は勢いよくその扉を押し開けた。
中では期待通りの光景が広がっていた。
「今だ! サンドラ! 馬鹿、遅い! それじゃあクリーンヒットが狙えないだろ! 文彦! シールドを張れ! バフ! 切れてるぞ!! ちゃんと管理しとけ!!」
「分かってるわよ! あー、くそっ! なんでこいつこんなに素早いのよ! 狙い定まらないじゃない!」
「ジェシーさん。シールド一人切れるけど、回復優先するよ!!」
このダンジョンのボス「魔人カルラ」とジェシーたちのパーティが戦闘を繰り広げている。
俺が見える情報によると、ボスのHPはまだまだ余裕があり、ジェシーたちは頑張ってはいるものの、ジリ貧だろう。
「わぁ! ショーニンにはこんなことまで見えてるんだね! すごいなぁ。相手の情報丸分かりじゃない!」
「知識のおかげだな。色々と便利だぞ」
どうやらパーティを組むと、互いの情報が共有される仕様らしい。
俺の知識のおかげで見れる情報が、ロキにも見えるようだ。
パーティを組むメリットが一つ増えたな。
ロキは見えたこと自体には驚いていないから、まぁ、みんな知ってることなんだろうが。
「ちょっと! 入口付近に雑魚が湧いてるわよ! 先に倒して!」
サンドラが扉を開けて入ってきた俺をモンスターと間違えて攻撃してきた。
かなり強い魔法を使ったらしく、それなりのダメージを食らった。
「きゃあ!」
あ、そうだった。
反射があったんだ。
魔法はロキにも届いていたらしく、俺は二回分のダメージを食らっていた。
それを反射されたサンドラは三回分のダメージを返されたわけだ。
満たんだったHPがゼロになり、サンドラは地面に倒れた。
「サンドラ! 待って、今『リザレクション」をかけるから!」
「ああ。すまんな。邪魔をした。これで許してくれ」
俺は持っていた「蘇生薬」をサンドラに使う。
サンドラは起き上がり不思議そうな顔をしていた。
しかし、「蘇生薬」は復活はできてもHPの回復量は微々たるものだ。
しょうがないので10万ジルで「金を食う」を続けて使う。
「分かったと思うが、俺を攻撃すると自動的に反撃するようになってる。余計だとは思うが、無視した方がいいぞ。そっちが終わるまで待ってるから続けてくれ……ここら辺なら邪魔にならないだろ?」
「馬鹿! そんなやつほっといて、今はボスに専念しろ! ちょっとでも油断するとすぐに全滅だぞ!」
ありがたいことにリーダーのジェシーは俺の言ったことに賛同してくれたらしい。
まぁ、今にやり取りですでに瓦解しそうになってしまっているからな。
これが原因で全滅したのだと後味が悪いから、そこは援護してやろう。
とりあえず全員のHPを満たんにしておくか。
俺はサンドラ以外にも全員に順に「金を食う」を使ってやった。
そして邪魔にならない位置で、ロキと一緒に「魔人カルラ」とこのパーティの戦闘の行方を眺めた。
壁はクリスタルのように透き通っていて、光の当たる角度で虹色に輝く。
「わぁ。すごいねぇ。前に一度だけ来たことがあるけど、その時は最初に出会ったモンスターで即死だったなぁ」
「大丈夫だ。今回は俺がいるからな。『受け流し』が切れないようにだけ気をつけてくれよ。あと、あれは頼んだぞ」
「大丈夫。もう始めてるよ。音声も一応入れてあるから、変なこと言わないでね?」
「ああ。せいぜい気を付けるよ」
そんなことを言っていると、向こうからモンスターが現れた。
なんと、俺と同じ犬の獣人だった。
「わぁ! 見て見て! ショーニンと一緒だよ。あっちのが凛々しい顔してるけど」
「そんな違い分かるのかよ」
そう言っていると色んな得物をもった獣人たちがぞろぞろと現れた。
持っている武器によって名前も違う。
俺は「金に物を言わせる」を使って上手くモンスターを誘導させると、貫通が付与された「銭投げ」で一掃する。
獣人を含めた亜人種族のダメージ上昇スキルも三段階まで取っているからダメージも上々だ。
「へぇ! 言葉では聞いていたけど、実際目で見るとすごいねぇ。ヘイト管理に防御無視の固定ダメージ、さらに武器の効果で『貫通』付与」
「緊急メンテナンスが実施された時はどうしようかと困ったがな。まぁ結果オーライだ」
現れるモンスターをなるべく全て蹴散らしながら、俺はダンジョンの最奥を目指す。
あいつらはもう着いてるだろうか?
「そういえばさ。ちゃんと聞いてなかったけど、ボスの所に着いたらどうするの?」
「もちろんマナーは守るつもりだ。きちんと待つさ」
「分かったよ。俺は見守るだけだからさ。何が起きても最後まで見届けるよ」
「ああ。頼む」
このダンジョンは以前の「ブロムスの迷宮」のように罠も豊富なようだ。
残念ながら俺には見つけることも解除することもできないから、気にせずそのまま進む。
巻き添えを食らわないようにロキには少し距離を保ったまま、後ろからついてきてもらっている。
俺が食らった後はしばらく安全だからな。
と思っていたら、このダンジョンの設計者はそんなに甘くなかったらしい。
俺が通ったすぐ後にロキが同じ場所を通った瞬間、当たりが爆発した。
俺のHPの4分の1が減った。
ロキに確認すると、ロキはダメージを受けてないらしい。
「『受け流し』は罠のダメージにも効果があるのか。それならひとまずは安心だな。それにしても前に食らった爆発罠はここまで痛くなかったぞ。さすが最難関ダンジョンだな」
「え? 罠の爆発は割合ダメージだよ。知らなかったの?」
ああ。なるほどな。
前の装備だとHPはレベル上昇分を除くと初期のままだったからな。
あの時と防御が違うにしても食らいすぎだと思ったがそういうわけだったか。
こうやってパーティを組むと色んなことを聞けて楽しいな。
ロキの話では他に「猛毒」の状態異常になる毒ガスや毒針、「麻痺」と割合ダメージを食らう雷撃など、割と罠は恐ろしいらしい。
前回も今回も発動させてはいるが、状態異常は100%防げるし、割合でダメージを食らっても「金を食う」ですぐに元通りだ。
「そうだ。これ、面白いだろ」
「え? わ! なんだこれ!」
俺は「金を食う」をロキに使う。
さっき俺が食ったコインが現れ、ロキの意思に反して無理やり口にねじ込まれていく。
特にダメージを受けてないロキの頭の上に表示される回復量は0だが、なかなか見た目がシュールで面白い。
ロキはびっくりした顔でこっちを見てる。
「何今の。表示の色からすると回復スキルみたいだけどさ」
「回復スキルだよ。自分だけじゃなく、他のやつにも使えるんだ。優秀だろ?」
「ほんとに……誰だよ、『商人』がネタ職なんて言い出したの。万能職じゃないか」
「まぁ、スキルの名前とおり金を食うけどな。最初の金稼ぎができるかどうかがキモだな。その点俺は運が良かった」
今となってはロックビートルでの金稼ぎもそこまでうまくない。
俺のせいで後続の「商人」を選ぶプレイヤーの攻略方法を一つ潰してしまった。
「装備やスキルの設定変更なんていくらでもあることだからさ。またアプデでバランス変更があるかもしれないし」
「まぁ、そうなったらそうなったで、できることから攻略法を探すだけだけどな」
「いいね! やっぱりあんたはいいよ。最初に声をかけて正解だったな」
「ああ。今となってはあれがなかったら、とっくに止めてたかもしれないからな。ロキのおかげだよ」
嬉しそうに、そして恥ずかしそうにロキは自分の頬を指でかいた。
「お! とうとう最後の部屋のようだよ? こんな扉が普通の部屋に続くと、ちょっと思えないもんね」
「ここまで来るまでに出会わなかったからな。中にいて、間に合ってくれてればいいんだが」
目の前には壁と同じくクリスタルでできた馬鹿でかい扉。
壁や他の扉と違うのは、その全面に複雑な幾何学模様が浮かび上がっていることだ。
「綺麗だね。さぁ、ショーニンのタイミングで開けてくれよ」
「ああ。じゃあ、行くぞ!」
俺は勢いよくその扉を押し開けた。
中では期待通りの光景が広がっていた。
「今だ! サンドラ! 馬鹿、遅い! それじゃあクリーンヒットが狙えないだろ! 文彦! シールドを張れ! バフ! 切れてるぞ!! ちゃんと管理しとけ!!」
「分かってるわよ! あー、くそっ! なんでこいつこんなに素早いのよ! 狙い定まらないじゃない!」
「ジェシーさん。シールド一人切れるけど、回復優先するよ!!」
このダンジョンのボス「魔人カルラ」とジェシーたちのパーティが戦闘を繰り広げている。
俺が見える情報によると、ボスのHPはまだまだ余裕があり、ジェシーたちは頑張ってはいるものの、ジリ貧だろう。
「わぁ! ショーニンにはこんなことまで見えてるんだね! すごいなぁ。相手の情報丸分かりじゃない!」
「知識のおかげだな。色々と便利だぞ」
どうやらパーティを組むと、互いの情報が共有される仕様らしい。
俺の知識のおかげで見れる情報が、ロキにも見えるようだ。
パーティを組むメリットが一つ増えたな。
ロキは見えたこと自体には驚いていないから、まぁ、みんな知ってることなんだろうが。
「ちょっと! 入口付近に雑魚が湧いてるわよ! 先に倒して!」
サンドラが扉を開けて入ってきた俺をモンスターと間違えて攻撃してきた。
かなり強い魔法を使ったらしく、それなりのダメージを食らった。
「きゃあ!」
あ、そうだった。
反射があったんだ。
魔法はロキにも届いていたらしく、俺は二回分のダメージを食らっていた。
それを反射されたサンドラは三回分のダメージを返されたわけだ。
満たんだったHPがゼロになり、サンドラは地面に倒れた。
「サンドラ! 待って、今『リザレクション」をかけるから!」
「ああ。すまんな。邪魔をした。これで許してくれ」
俺は持っていた「蘇生薬」をサンドラに使う。
サンドラは起き上がり不思議そうな顔をしていた。
しかし、「蘇生薬」は復活はできてもHPの回復量は微々たるものだ。
しょうがないので10万ジルで「金を食う」を続けて使う。
「分かったと思うが、俺を攻撃すると自動的に反撃するようになってる。余計だとは思うが、無視した方がいいぞ。そっちが終わるまで待ってるから続けてくれ……ここら辺なら邪魔にならないだろ?」
「馬鹿! そんなやつほっといて、今はボスに専念しろ! ちょっとでも油断するとすぐに全滅だぞ!」
ありがたいことにリーダーのジェシーは俺の言ったことに賛同してくれたらしい。
まぁ、今にやり取りですでに瓦解しそうになってしまっているからな。
これが原因で全滅したのだと後味が悪いから、そこは援護してやろう。
とりあえず全員のHPを満たんにしておくか。
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