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1章【人間国】
もう一組のパーティ
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【ドレスコード】のメンバー達への挨拶を済ませた俺は、もう一組のパーティが居るという隣のドアの前へ。
二回ノックする。
しかし反応はない。ただのしかばねのようだ。
ということはなくただ単に留守なんだろうか?
この屋敷は広いので、もしかしたらもう見回りを始めているのかもしれない。
しかしノックの音が聞こえてなかっただけかもしれないのでもう一度だけノックする。
先程より強く、さらに呼びかけてみた。
「すみませーん。同じ護衛の依頼を受けた者ですが挨拶に来ましたー。」
すると中から男の話し声がぼそぼそとする。
「あれ…男の声だったぞ。となりのかわい子ちゃんじゃないのか…」
「緊張して損したぞ!どうしてくれるドイル!」
「だってよ~さっき起きたら外から女の子達の話し声が聞こえてきて、さらにドアまでノックされたら誰だってそう思うだろ??」
「お前ら声がでかいぞ。多分外の男性に聞かれてるよこれじゃあ。」
何やらとても失礼な話をしているようだが、放置されている俺はたまったもんじゃない。
しかもこの声に俺は聞き覚えがある。
「【フォースウィンド】のククールですが、誰かいませんかー?」
恐らくパーティ名と名前を名乗れば彼らはきっと反応してくれるはずだ。
その予想は的中し、部屋の中からドタドタと急いでドアを開けようと向かってきている。
そしてドアが開いた。
「ククール君、久しぶりって程でもないか。昨日ぶりだね。」
出てきたのは共に盗賊達と戦った【ウルティオ】のメンバーのジェフさんだった。
それに続くように奥からロビンさんとドイルさんもやってくる。
「坊やじゃねぇか!貴族様の依頼をその年で受けられるなんて流石だな!ガッハッハッ!」
「おいうるせぇぞロビン。隣にはかわい子ちゃん達がいるんだから気を使え。」
「ごめんね、ククール君。こんな曲者ばっかりでが反応に困るよね。」
ロビンさんがうるさいのはいつもの事なので少し慣れてきたが、ドイルさんがこんなに女の子が関わると変わる人だとは思わなかった。
まだジェフさんがまともな人間でよかった。
「ククール君がここにいるってことは、一緒に僕達とヴァレンタイン家を三日間護衛をする仲間って認識でいいかな?」
「はい、そうです。皆さんもですか?」
「ああ、そうだぜ。あの商人の再出発の準備が整うまで何もしないわけにもいかないし、個人的な恨みも相手の貴族にはあるからな…」
「僕たちは冒険者の情報網で貴族の抗争がもうすぐ起こるって事を知って、自らこの護衛を志願したんだ。」
「坊やにもこの三日間のどこかでその理由も話すかもしれねぇが、今はまだ昼にもなってねぇ時間だぜ?そんなしみったれた話してられねえよ!ガッハッハッ!」
彼らはどうやら全員この街の領主に何らかの恨みがあるようで、特にドイルさんが領主の話をしている時の顔はかなり怖いものだった。
ただここでさらに踏み込んで地雷をぶち抜くような真似はしたくないのでここは流す。
「なるほど。今回はこの間以上に一緒にいる時間が長いと思うのでよろしくお願いしますね。」
「ああ、もちろんだよ。ククール君の強さは僕達が充分知ってるから大丈夫だとは思うけど、一応警戒も忘れないようにね。」
「ありがとうございます。じゃあまた昼の集合の時に。」
「じゃあな坊や!ガッハッハッ!」
「うるせえってロビン。」
どうやらいつもの雰囲気も取り戻してくれたようでよかった。
俺は彼らの部屋の扉を締め、自分の部屋に向かう。
二回ノックする。
しかし反応はない。ただのしかばねのようだ。
ということはなくただ単に留守なんだろうか?
この屋敷は広いので、もしかしたらもう見回りを始めているのかもしれない。
しかしノックの音が聞こえてなかっただけかもしれないのでもう一度だけノックする。
先程より強く、さらに呼びかけてみた。
「すみませーん。同じ護衛の依頼を受けた者ですが挨拶に来ましたー。」
すると中から男の話し声がぼそぼそとする。
「あれ…男の声だったぞ。となりのかわい子ちゃんじゃないのか…」
「緊張して損したぞ!どうしてくれるドイル!」
「だってよ~さっき起きたら外から女の子達の話し声が聞こえてきて、さらにドアまでノックされたら誰だってそう思うだろ??」
「お前ら声がでかいぞ。多分外の男性に聞かれてるよこれじゃあ。」
何やらとても失礼な話をしているようだが、放置されている俺はたまったもんじゃない。
しかもこの声に俺は聞き覚えがある。
「【フォースウィンド】のククールですが、誰かいませんかー?」
恐らくパーティ名と名前を名乗れば彼らはきっと反応してくれるはずだ。
その予想は的中し、部屋の中からドタドタと急いでドアを開けようと向かってきている。
そしてドアが開いた。
「ククール君、久しぶりって程でもないか。昨日ぶりだね。」
出てきたのは共に盗賊達と戦った【ウルティオ】のメンバーのジェフさんだった。
それに続くように奥からロビンさんとドイルさんもやってくる。
「坊やじゃねぇか!貴族様の依頼をその年で受けられるなんて流石だな!ガッハッハッ!」
「おいうるせぇぞロビン。隣にはかわい子ちゃん達がいるんだから気を使え。」
「ごめんね、ククール君。こんな曲者ばっかりでが反応に困るよね。」
ロビンさんがうるさいのはいつもの事なので少し慣れてきたが、ドイルさんがこんなに女の子が関わると変わる人だとは思わなかった。
まだジェフさんがまともな人間でよかった。
「ククール君がここにいるってことは、一緒に僕達とヴァレンタイン家を三日間護衛をする仲間って認識でいいかな?」
「はい、そうです。皆さんもですか?」
「ああ、そうだぜ。あの商人の再出発の準備が整うまで何もしないわけにもいかないし、個人的な恨みも相手の貴族にはあるからな…」
「僕たちは冒険者の情報網で貴族の抗争がもうすぐ起こるって事を知って、自らこの護衛を志願したんだ。」
「坊やにもこの三日間のどこかでその理由も話すかもしれねぇが、今はまだ昼にもなってねぇ時間だぜ?そんなしみったれた話してられねえよ!ガッハッハッ!」
彼らはどうやら全員この街の領主に何らかの恨みがあるようで、特にドイルさんが領主の話をしている時の顔はかなり怖いものだった。
ただここでさらに踏み込んで地雷をぶち抜くような真似はしたくないのでここは流す。
「なるほど。今回はこの間以上に一緒にいる時間が長いと思うのでよろしくお願いしますね。」
「ああ、もちろんだよ。ククール君の強さは僕達が充分知ってるから大丈夫だとは思うけど、一応警戒も忘れないようにね。」
「ありがとうございます。じゃあまた昼の集合の時に。」
「じゃあな坊や!ガッハッハッ!」
「うるせえってロビン。」
どうやらいつもの雰囲気も取り戻してくれたようでよかった。
俺は彼らの部屋の扉を締め、自分の部屋に向かう。
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