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人生で初めて
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美術コンクールから数日後。
僕は相変わらず普通の生活を送っていた。
今は屋上で昼休み中だ。
結果から言うと、作戦は成功した。
藍原さんをいじめていたクラスメイトは、皆で謝罪をした。
藍原さんはそれを笑って許した。
そして、「友達になってほしい」と言ったのだ。
今では彼女の周りには友達がたくさんいる。
ただ、一気に友達が増えたのでちょっと戸惑っているようだ。
僕にも友達がちょっと増えた。
藍原さんほどではないが。
たまに「絵を描いてほしい」と頼まれることもある。
お陰で美術用具を買う回数が増えた。
嬉しいことは嬉しいのだが、正直僕も戸惑っている。
まさか僕まで友達が出来るとは思っていなかったからだ。
予想外の作戦成功だ。
「鈴木くん。」
ドアが開いて藍原さんがやって来た。
「藍原さん。どうかした?」
「まだお礼言ってなかったから。」
「お礼?」
「私のお願いを叶えてくれてありがとう。」
そう言って彼女は頭を下げた。
「いや、僕は君にお礼を言われるような立場じゃないよ。僕は君のを見て見ぬふりをしていたんだから。」
「そんなことないよ。鈴木くんのお陰で皆と仲良くできたんだもん。だから、ありがとう。」
僕は胸が熱くなった。
彼女に感謝されるなんて思ってなかったから。
ずっと懺悔の気持ちでいっぱいだった。
この「ありがとう」でほんの少し気持ちが軽くなった。
「ひとつお願いがあるの」
「お願い?」
「鈴木くんに私の絵を描いてほしいな。」
「藍原さんの絵を?別に良いけど。」
「ありがとう!あっ、そろそろ昼休み終わっちゃうから戻ろう?」
彼女は歩き出した。
そして振り返り言った。
「私、鈴木くんの描いた絵大好きだよ。」
彼女は笑顔でそう言って、走り去った。
ドキッとした。
今まで気にも留めなかったが、彼女はあんなに可愛かったのか。
「…これが恋ってやつか。」
そう、僕は彼女に恋に落ちた。
人生で初めての恋だ。
今は気持ちを伝える勇気はないが、いつか気持ちを伝えたいと思う。
僕はそう心に決めた。
その想いに答えるかのように、昼休み終了のチャイムが校内に鳴り響いた。
僕は相変わらず普通の生活を送っていた。
今は屋上で昼休み中だ。
結果から言うと、作戦は成功した。
藍原さんをいじめていたクラスメイトは、皆で謝罪をした。
藍原さんはそれを笑って許した。
そして、「友達になってほしい」と言ったのだ。
今では彼女の周りには友達がたくさんいる。
ただ、一気に友達が増えたのでちょっと戸惑っているようだ。
僕にも友達がちょっと増えた。
藍原さんほどではないが。
たまに「絵を描いてほしい」と頼まれることもある。
お陰で美術用具を買う回数が増えた。
嬉しいことは嬉しいのだが、正直僕も戸惑っている。
まさか僕まで友達が出来るとは思っていなかったからだ。
予想外の作戦成功だ。
「鈴木くん。」
ドアが開いて藍原さんがやって来た。
「藍原さん。どうかした?」
「まだお礼言ってなかったから。」
「お礼?」
「私のお願いを叶えてくれてありがとう。」
そう言って彼女は頭を下げた。
「いや、僕は君にお礼を言われるような立場じゃないよ。僕は君のを見て見ぬふりをしていたんだから。」
「そんなことないよ。鈴木くんのお陰で皆と仲良くできたんだもん。だから、ありがとう。」
僕は胸が熱くなった。
彼女に感謝されるなんて思ってなかったから。
ずっと懺悔の気持ちでいっぱいだった。
この「ありがとう」でほんの少し気持ちが軽くなった。
「ひとつお願いがあるの」
「お願い?」
「鈴木くんに私の絵を描いてほしいな。」
「藍原さんの絵を?別に良いけど。」
「ありがとう!あっ、そろそろ昼休み終わっちゃうから戻ろう?」
彼女は歩き出した。
そして振り返り言った。
「私、鈴木くんの描いた絵大好きだよ。」
彼女は笑顔でそう言って、走り去った。
ドキッとした。
今まで気にも留めなかったが、彼女はあんなに可愛かったのか。
「…これが恋ってやつか。」
そう、僕は彼女に恋に落ちた。
人生で初めての恋だ。
今は気持ちを伝える勇気はないが、いつか気持ちを伝えたいと思う。
僕はそう心に決めた。
その想いに答えるかのように、昼休み終了のチャイムが校内に鳴り響いた。
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