『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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『Colonia Biographies』 Phase Ⅰ

HERO

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 ライトとウェルバー兄弟の両親は約17年前の『フロア抗争』に巻き込まれて死んだ。
 炎が勢いよく迸る部屋の入口で幼いライトを抱えて立ちすくむウェルバーをチェバラは見つけ、それ以来、孤児みなしごとなった二人の面倒を見てくれていた。

 ライトにとってはチェバラが親みたいなものだった。

 1才になるかどうかという幼かったこともあり、実の両親の記憶は殆ど無くチェバラとウェルバーの二人から聞く話でしか認識ができないでいた為に、特にライトにとってチェバラが親だという存在でしかなかった。

 そんな親変わりだったチェバラも、数年前に行方不明となる。

 医療エリアと称される第6コロニーでドクターの筆頭だったチェバラの消失の影響は甚大で、チェバラの下で医療を学んでいた医療従事者達はバラバラとなり、各医師と共に罹っていた人々と共にコロニー移動をしたためにここの人は多少の人数が減った。

 チェバラは元々、上階層の出身で下層へと‟落ちる”人は珍しかった。

 下のフロアの住人は自分たちの居住地としている場所のことを「表層階」と呼称しているが、上層階である二階の住人は「下層地」「下層階」「下の者」などと呼んでいて、当然かのようにそこにヒエラルキーが存在している。
 故に17年前の『フロア抗争』は、上層階の住人が食料分配の配分を贔屓ひいきしだしたことにある。

 下のフロアはCSタワーを中心に円形状に第1コロニーから第8コロニーまで区切られてはいるが、それぞれの往来は基本的に例外を除き自由であり、CSタワー内と外部の扉から繋がっている。そこにしがらみは全く無いはずで、どこのコロニーも差すらも無いみんな平等であるはずなのに各コロニー代表という「ボス」が出現しだす。
 民間、個人もお気に入りの場所コロニーを設定し長く定位置でテリトリーを主張するようになり『フロア抗争』とは、誰が仕組んだ訳でもなく自然的に各ボスが上層階と密約を交わし、なんらかの取引をし始めたのが切っ掛けだった。


 人の欲望とは、底なしたる由縁が証明される。


 事態の収束は当時の第8コロニーと第1コロニーのボスが『戦犯』とし公開処刑され、幕を閉じることとなった。


 それ以来、第8と‟第コロニー”が『独立宣言』という名の『鎖国』を開始しCSタワーからの人の出入りのみと限定し、第8外部通路は完全に閉鎖した。
 第3コロニーの外門は随時見張りを立てることとなる。
 そして各フロアは食料や物資の配布はCSタワーから上層階の管理を経て配られ、大型のタワーモニターで毎回その光景は中継されるようになった。

 その抗争の立役者となったのが上層階から‟下界”してまで第6コロニー代表となったチェバラ氏であり、その責任の一環を感じてライト達を見つけた時に自責に駆られたのか育てることとなる。
 その後も、医師としての知識と技術を休むことなく奉仕していくことになった。
 コロニアでは住民同士の争いや事故による外傷が多く、医者の中でも外科医は重宝される。森の奥へと入っていく一部の‟勇者気取り”が野生のキノコや動物を狩って食べ、食中毒や破傷風に罹ることはあるが他の殆どの疾患は主に成人病、贅沢病で脂肪肝や糖尿病に苦しむ人が多い。


 各コロニーは最近になり更に特徴が顕著になり、第6はチェバラ氏を筆頭に医療エリアとなりつつあった。そのように他コロニーも特徴が出てくるようになる。

 ウェルバーがずっと入り浸っている第3コロニーはのエリアへと変わっていった。


 ウェルバーは、チェバラが『悪魔が住まう森』へと入り、帰ってこれなくなったのではないかとも考え、ウェルバーを筆頭に仲間を連れて何度も探しに行くことになる。

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