『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase Ⅷ

Colony Ⅰ usefulness

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 全員が無事に第1コロニーから脱出し、プローバー軍団からの奇襲を避けることが出来た。

 ウェルバーは第1の外壁、扉の左右に設置してある消えた篝火からいくつかの炭を取り、松明を作っている。
 残りの三人はウェルバーが茂みに寝かせてきたForesterフォレスターの子の状態を確認しにいくと、そこで少年は立ち上がりこっちを眺めていた。

「あっ!!」「え?!」「大丈夫?!」

 少年はこっちを見た途端に逃げようとするが、怪我をしている足が縺れて倒れ込む。
 パメラ、セーラが駆け足で少年の元へ行き、容体をチェックする。
 ライトはウェルバーに知らせに行くか、女性たちを見守るか、迷いながらも少年の元へ向かった。


「・・・また、気を失いました」

「熱がまだ高いし、傷の処置もままなっていません。意識が戻ってもまだ歩けませんよ・・・・・・」

「・・・どうした?」
 ウェルバーがライトの元へとやってきた。

「ああ、兄さん。さっき、一瞬意識が戻ったんだよ、この子。でも直ぐにまた寝ちゃった」

「そうか。じゃあ命には別条はないってことだ。後は回復を祈るだけだな」

 そう言って作った松明をライトへ渡し、引き続き少年を抱き上げる。少年は自身が持ち上がった浮遊感でまた少し気が付くが、薄い意識の微睡み中、逞しい背中の温もりを感じ安らかな安心の面持ちでまた夢の中へと誘われていった。

「とりあえず、またあの洞窟を目指そう」

 暗闇と漆黒の森は、また三人の恐怖を煽ってくるように深く待ち構えている。目前の不安か、背後に迫る死かは、選ぶ余地すら与えなかった。



 洞口の入口側でライトは火を焚いた。
 外で焚火をすると一本で立ち上る烽火のろしの如く、敵への合図となる。かといって、洞窟の奥だと吹き抜けていなければ全員が酸欠か一酸化中毒で全滅も有り得てしまう。
 ウェルバーが小さな松明を一つ持ち、奥の地面へと火をやると途端に火が消えた。これは洞口の深部は高濃度の二酸化炭素が地面に沿って滞っていて危険である証拠で、完全に奥へと潜むことも出来なかった。これは洞窟深部へと身を隠せないデメリットではあるが、逆に熊のような野生の大型動物が奥には居ないことも明らかに指している。洞窟深部への警戒と不安はしなくて済んだ。

 みんなで同じように、洞口の入口付近で座り込む。

 ライトがずっと火に照らされ神妙な面持ちで、何かを話しかけても浮ついた返答しか返ってこないパメラのことを心配していた。

「・・・第2に、家族が残っていたりするの?」

 ライトは相変わらずに的を得ながら思ったことをすぐ口にする。パメラが少し驚いた顔を示す。しかし、気づかれない訳もないと思い、素直に答え出した。

「・・・はい。父が・・・私をチーターから救い、なんとか第3へ送り届けてくれた父が、一人・・・・・・」

「そう・・・か。それは心配だね」

「あ、でも、第2は屈強な男性ばかりですし、大丈夫です。きっと・・・・・・」

「前に、第1と第2の友好関係は問題が無い、って言ってたと思うんだけど、それはいつ頃の話だったの?」

「何年も前の話です。私がまだあっちに居た頃ですから」

「なるほど。じゃあ第8が『鎖国させられている』って言うのもその頃の話だね。あの時はバタバタしてて聞けなかったけど、これってどうゆうことだったの?」

 ライトはパメラが考え込まない様にと、話をさせて頭の整理が出来るようも誘導しようと思った。それに、第8の状況も過去の話からでも推測が可能だとも踏んでのことだった。

「第1コロニーの特徴としては、当時、主には『工場地帯』。配給品を加工していく用途が盛んでした。特に発酵させたものからお酒、アルコールを『嗜好品』として普及してきたと聞いています。ただ、お酒に溺れた者たちの粗暴も多くなり、それらの対処が問題となり禁酒法を定めるまでに至ります。ただ、製造はそれまで通り作らせるけど、第1での飲酒は禁止。そんな安易な決まりを強制するけど、そんなルールを守る人は第1コロニー上層部ぐらいだけで第1内の犯罪率が減ることもなかったらしいのです」

「・・・その、第1の環境が第8に影響するってこと?」

「はい。その後、アルコール製造そのものを禁止する流れが生まれたのですが、裏で密造酒が作られて流通するようになり、上層部と裏社会がハッキリと別れただけだったのです。そうして犯罪の質がどんどんと過剰に加速していき、どうしようも無くなった上層部は第8コロニーを『監獄エリア』として設定しコロニー自体を「閉鎖」「鎖国」させたのです」

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