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Phase Ⅹ
Colony Ⅱ Reconciliation
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陽が落ち始め、そろそろ夕方だと思われる頃・・・・・・
「・・・失礼する」
今度はマイオス将軍の声がしてきたと思いきや、戸は開かれ威風堂々とライトが居る部屋に入って来た。
「少しは休めたかね?」
「あ、はい、お陰様で・・・・・・」
実際には会議に参加する、という大事となってきたことに少し緊張して気が休まることはなかった。
「それは良かった。しかしすまないね、色々と身内を撒くのに手間取ってな。やっと一人になれたんだ。会議前に君と腹を割って話しておきたいとも思ってな」
監獄で会った第一印象とは少し違って、なんだか話しやすそうな印象へと変わった。武器や甲冑を脱ぎ、ラフなスタイルで現れたからかもしれないと、ライトは思う。
「ああ、それはありがとうございます。僕も、聞きたいことは山ほどあります」
「だろうな。・・・さて、君が言った場所に我が娘は居なかった。何かがあって移動したか・・・攫われたか、だ」
「ええ、とにかくそれが僕も心配です。兄のウェルバーが付いていますので、滅多なことにはならないと思いますが・・・・・・」
「あの洞窟は悪魔の森との境界線のすぐ近くだ。更に森の奥へと行くとは思えぬが・・・ただ、残された下足痕は奥へと続いておった」
「なんですって?!兄やみんなも流石に・・・では、攫われたってことですか?!」
「かもしれん。もしくは、何者かに追われて逃げた先が、という事かもしれぬ」
「追われて・・・まさか、第1のプローバーが・・・・・・」
「壁やCSタワー内部の通路は我々が監視しておる。しかし、外は別の話だ。我らが送った足軽も戻って来ん・・・我々は‟やられた”として上層部に報復か上告を検討している」
「!?・・・そんな、野蛮で悠長なことを・・・・・・」
「まぁ待て、言いたいことは分かる。組織を動かすには筋道が必要なんだよ。・・・お主、パメラとの関係からも察するに、第3との繋がりもあるということか?」
「ええ、まぁ僕は少しですが・・・兄が第3の元女帝と婚約中ですので遠くは無いです」
「ほぉ、あのアマゾニスの女帝とか。やるではないか」
「兄も弱い男ではありません。なので、そこまで心配はしていませんが・・・・・・」
「・・・お主、第3での、ここ第2の話はどういった事を聞いておる?」
「え?・・・ええっと、第3とは逆で厳格な男社会で、それに反抗するかのようにチーターが生まれてパメラさんは狙われて第3に逃げることに。好色男爵って人が女性を好き勝手にするような裏社会をつくる程にまでなり、それを兄が討伐・・・あ、いや、その・・・・・・」
「!!ほほう!お主の兄が、あの‟バロン”を殺ってくれたのか?!ガハハハハハ!そりゃあいい!ガハハハハ!!」
ライトは思わず余計な事を言ったかと思ったが、マイオスの反応は意外にも好感触だった様子である。
「・・・あ、もしかしてあのバロンって人、ここの反逆側の??」
「ああ、そうだ。あいつはセンター教の偉いさんの親族でな。わしらも手を焼いておったのじゃ。ここの女はみんな従順でな。それをいいことにあの下衆はどこからかこの第2までわざわざやってきて、放蕩の限りを尽くしておった。わしらは散々、上へ奴の悪行を申告するも親族の圧力しか掛からんかった。やれ反省文だの罰金だの、軽い刑だけで全く何にもならん。みんな‟森流しの刑”にするべきだと言ってたんじゃが、センター教上部のバックアップがありながらと、そして反逆者どもとは意思意向、その思考が意気投合し共通している分、裏で繋がっていて奴の言う事であれば反乱軍も聴き耳を立てるという、誠に厄介な奴だったんじゃ。上も一部の人間も、奴が仲介者としての役割を持たせおって変に権力を持つことで誰も手が出せずにいたんだ。それを・・・お主の兄には、感謝しなきゃだのう」
「そうだったんですか。兄もみなさんにとっては本当に良い事をしたんですね」
「そうだ。・・・そうじゃの、ではパメラのチーターの正体を教えてやろう」
「え?は、はい、お願いします」
「そのバロンってクソ野郎の息子じゃ」
「?!そうだったんですか!・・・あ、だから、マイオスさんは個人的にもバロン一家に恨みが・・・そして、将軍という肩書がありながらも手が出せず、パメラさんを第3へと送ることになったんですね?!」
「その通り。これも表向きはこのクソガキも『恋愛』だ『求婚』だの、綺麗事をぬかしておってな。周囲からも政略結婚や地位も安泰するだの言われたが、バロンの裏の顔を知っている者であればそんな綺麗事も政略だのと言ってはおられん。しかし、その表向きを使われては無下に拒否すればわしらもここでの暮らしが危うい。なので第3での花嫁修行、人生勉強だとして送り込んだ。まだその時は幼かったというのに・・・・・・」
「・・・え、おいくつの時ですか?」
「確か・・・十才前後じゃったかの。そんなまだ幼子を下衆親子は狙いを付けおった。その意味が、分かるだろ?」
「なるほど・・・あ、因みにそのバロンの息子を暗殺したのも、兄のウェルバーです」
「!!なんと!?」
「兄は第3の元女帝、レイアさんと前から親密な関係でしたから、その側近の者たちとも仲が良くパメラさんからチーターの悩みを聞いて、速攻で暗殺してくれたとパメラさんから聞きました」
「・・・ガッ、ハッハッハッハッハッハー!なんじゃ、ではお主の兄はわしらの救世主じゃな!!ハハハハハハ!!」
豪快に笑うマイオスにライトは少し引いていたが、しかしただ単純に目の前でこんなに身内ことで喜んでもらえるのは気持ちが良かった。思わずライトも顔に笑顔が溢れてくる。
「あ、だからあの好色下衆野郎は、第3への遠征にやけに拘っていたのじゃな?一応に下衆には下衆の、家族愛っつぅのはあったのか。・・・気に入った!こんな所ではなんだ、わしの部屋に来い!お主はわしらの救世主の弟。同じようなもんじゃ!!ガハハハハー!!」
「・・・失礼する」
今度はマイオス将軍の声がしてきたと思いきや、戸は開かれ威風堂々とライトが居る部屋に入って来た。
「少しは休めたかね?」
「あ、はい、お陰様で・・・・・・」
実際には会議に参加する、という大事となってきたことに少し緊張して気が休まることはなかった。
「それは良かった。しかしすまないね、色々と身内を撒くのに手間取ってな。やっと一人になれたんだ。会議前に君と腹を割って話しておきたいとも思ってな」
監獄で会った第一印象とは少し違って、なんだか話しやすそうな印象へと変わった。武器や甲冑を脱ぎ、ラフなスタイルで現れたからかもしれないと、ライトは思う。
「ああ、それはありがとうございます。僕も、聞きたいことは山ほどあります」
「だろうな。・・・さて、君が言った場所に我が娘は居なかった。何かがあって移動したか・・・攫われたか、だ」
「ええ、とにかくそれが僕も心配です。兄のウェルバーが付いていますので、滅多なことにはならないと思いますが・・・・・・」
「あの洞窟は悪魔の森との境界線のすぐ近くだ。更に森の奥へと行くとは思えぬが・・・ただ、残された下足痕は奥へと続いておった」
「なんですって?!兄やみんなも流石に・・・では、攫われたってことですか?!」
「かもしれん。もしくは、何者かに追われて逃げた先が、という事かもしれぬ」
「追われて・・・まさか、第1のプローバーが・・・・・・」
「壁やCSタワー内部の通路は我々が監視しておる。しかし、外は別の話だ。我らが送った足軽も戻って来ん・・・我々は‟やられた”として上層部に報復か上告を検討している」
「!?・・・そんな、野蛮で悠長なことを・・・・・・」
「まぁ待て、言いたいことは分かる。組織を動かすには筋道が必要なんだよ。・・・お主、パメラとの関係からも察するに、第3との繋がりもあるということか?」
「ええ、まぁ僕は少しですが・・・兄が第3の元女帝と婚約中ですので遠くは無いです」
「ほぉ、あのアマゾニスの女帝とか。やるではないか」
「兄も弱い男ではありません。なので、そこまで心配はしていませんが・・・・・・」
「・・・お主、第3での、ここ第2の話はどういった事を聞いておる?」
「え?・・・ええっと、第3とは逆で厳格な男社会で、それに反抗するかのようにチーターが生まれてパメラさんは狙われて第3に逃げることに。好色男爵って人が女性を好き勝手にするような裏社会をつくる程にまでなり、それを兄が討伐・・・あ、いや、その・・・・・・」
「!!ほほう!お主の兄が、あの‟バロン”を殺ってくれたのか?!ガハハハハハ!そりゃあいい!ガハハハハ!!」
ライトは思わず余計な事を言ったかと思ったが、マイオスの反応は意外にも好感触だった様子である。
「・・・あ、もしかしてあのバロンって人、ここの反逆側の??」
「ああ、そうだ。あいつはセンター教の偉いさんの親族でな。わしらも手を焼いておったのじゃ。ここの女はみんな従順でな。それをいいことにあの下衆はどこからかこの第2までわざわざやってきて、放蕩の限りを尽くしておった。わしらは散々、上へ奴の悪行を申告するも親族の圧力しか掛からんかった。やれ反省文だの罰金だの、軽い刑だけで全く何にもならん。みんな‟森流しの刑”にするべきだと言ってたんじゃが、センター教上部のバックアップがありながらと、そして反逆者どもとは意思意向、その思考が意気投合し共通している分、裏で繋がっていて奴の言う事であれば反乱軍も聴き耳を立てるという、誠に厄介な奴だったんじゃ。上も一部の人間も、奴が仲介者としての役割を持たせおって変に権力を持つことで誰も手が出せずにいたんだ。それを・・・お主の兄には、感謝しなきゃだのう」
「そうだったんですか。兄もみなさんにとっては本当に良い事をしたんですね」
「そうだ。・・・そうじゃの、ではパメラのチーターの正体を教えてやろう」
「え?は、はい、お願いします」
「そのバロンってクソ野郎の息子じゃ」
「?!そうだったんですか!・・・あ、だから、マイオスさんは個人的にもバロン一家に恨みが・・・そして、将軍という肩書がありながらも手が出せず、パメラさんを第3へと送ることになったんですね?!」
「その通り。これも表向きはこのクソガキも『恋愛』だ『求婚』だの、綺麗事をぬかしておってな。周囲からも政略結婚や地位も安泰するだの言われたが、バロンの裏の顔を知っている者であればそんな綺麗事も政略だのと言ってはおられん。しかし、その表向きを使われては無下に拒否すればわしらもここでの暮らしが危うい。なので第3での花嫁修行、人生勉強だとして送り込んだ。まだその時は幼かったというのに・・・・・・」
「・・・え、おいくつの時ですか?」
「確か・・・十才前後じゃったかの。そんなまだ幼子を下衆親子は狙いを付けおった。その意味が、分かるだろ?」
「なるほど・・・あ、因みにそのバロンの息子を暗殺したのも、兄のウェルバーです」
「!!なんと!?」
「兄は第3の元女帝、レイアさんと前から親密な関係でしたから、その側近の者たちとも仲が良くパメラさんからチーターの悩みを聞いて、速攻で暗殺してくれたとパメラさんから聞きました」
「・・・ガッ、ハッハッハッハッハッハー!なんじゃ、ではお主の兄はわしらの救世主じゃな!!ハハハハハハ!!」
豪快に笑うマイオスにライトは少し引いていたが、しかしただ単純に目の前でこんなに身内ことで喜んでもらえるのは気持ちが良かった。思わずライトも顔に笑顔が溢れてくる。
「あ、だからあの好色下衆野郎は、第3への遠征にやけに拘っていたのじゃな?一応に下衆には下衆の、家族愛っつぅのはあったのか。・・・気に入った!こんな所ではなんだ、わしの部屋に来い!お主はわしらの救世主の弟。同じようなもんじゃ!!ガハハハハー!!」
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