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Phase Ⅺ
a stakeout
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慰霊室とはまた別の広間へと辿り着いたライトは、そこで食事を摂った。
その広間は食堂のようで、ここもフリースペースになっている。
大きな鉄のような入れ物に大量の様々な食糧が料理済みの状態で並んでいて、いつでも自由に選び自由に食べれらる仕組みだった。
そこでライトはまた、違和感に怯える。
他の上層階の民はこの食堂に数人いるが、みんな何一つ会話をしていない。黙々と食べ、小柄な体格の部外者であるライトには目もくれず、まるでみんな幽霊のように一連の動作を繰り返すだけだった。
その不穏な空気にライトは食欲を失い、目の前にあるまた見た事も無い食事は小食で終わった。
自分だけが小柄な風格で場違いなライトだったが、ここにも子供の姿らしき者は居てこの体格差は異常、とまでには至らなかったようである。どこかの誰かの子のような認識でいて、上層民からすれば不自然という訳でもなかった。
一部の子供の装束は白ではなく黒や碧といった色付きの生地の子がたまに居て、何らかの区分けがされている。その点にライトは、ただ子供は色付きなんだとだけ認識した。
そしてまた方々を歩き周り、途方に暮れる。
こんな辛気臭く陰気な人々、そして閉鎖的な部屋の数々と迷路のような空間の中で、どうやってチェバラを見つけ出せばいのだろうか。
仕方なく、ライトは食堂の広間に戻りそこの一角で人々を見張ることにした。
明朝に下層世界への荷出しが行われていたとして、体感的にだがそろそろ昼時だと思われる。このような世界では朝昼晩という習慣があるのかどうかも分からないが、いつかは誰もが食事に出向くであろうと思い、食堂前の様々な食器類が置かれている部屋で目ぼしい者をチェックしていった。
巨漢な人々の中で、子供のように小さくはないぐらいに背丈があり、比較的に小柄な人を見つける。これほど簡単な張り込みがあるだろうか。しかし、屋上で従事していた者のように、恐らくここでも何らかの肉体労働を行っている者は少なからずにいた。そういった者を見かければしっかりと見張り尾行して、食事風景を確認し人相を見る。
しかし、また稀に食堂で食事をせずにそのまま見繕った食事を持って、恐らく自室に戻る者もいてその場合はどうしたものかと思案していると、通路の向こうから手錠を付けられ装束を纏っていない人物が連行されてこっちへとやって来た。
見張りのような白装束の上層民らしき者が前後に貼り付き、その真ん中の連行者は、なんとライトをここへと道案内をしてくれたサルヒコの姿であった。
その広間は食堂のようで、ここもフリースペースになっている。
大きな鉄のような入れ物に大量の様々な食糧が料理済みの状態で並んでいて、いつでも自由に選び自由に食べれらる仕組みだった。
そこでライトはまた、違和感に怯える。
他の上層階の民はこの食堂に数人いるが、みんな何一つ会話をしていない。黙々と食べ、小柄な体格の部外者であるライトには目もくれず、まるでみんな幽霊のように一連の動作を繰り返すだけだった。
その不穏な空気にライトは食欲を失い、目の前にあるまた見た事も無い食事は小食で終わった。
自分だけが小柄な風格で場違いなライトだったが、ここにも子供の姿らしき者は居てこの体格差は異常、とまでには至らなかったようである。どこかの誰かの子のような認識でいて、上層民からすれば不自然という訳でもなかった。
一部の子供の装束は白ではなく黒や碧といった色付きの生地の子がたまに居て、何らかの区分けがされている。その点にライトは、ただ子供は色付きなんだとだけ認識した。
そしてまた方々を歩き周り、途方に暮れる。
こんな辛気臭く陰気な人々、そして閉鎖的な部屋の数々と迷路のような空間の中で、どうやってチェバラを見つけ出せばいのだろうか。
仕方なく、ライトは食堂の広間に戻りそこの一角で人々を見張ることにした。
明朝に下層世界への荷出しが行われていたとして、体感的にだがそろそろ昼時だと思われる。このような世界では朝昼晩という習慣があるのかどうかも分からないが、いつかは誰もが食事に出向くであろうと思い、食堂前の様々な食器類が置かれている部屋で目ぼしい者をチェックしていった。
巨漢な人々の中で、子供のように小さくはないぐらいに背丈があり、比較的に小柄な人を見つける。これほど簡単な張り込みがあるだろうか。しかし、屋上で従事していた者のように、恐らくここでも何らかの肉体労働を行っている者は少なからずにいた。そういった者を見かければしっかりと見張り尾行して、食事風景を確認し人相を見る。
しかし、また稀に食堂で食事をせずにそのまま見繕った食事を持って、恐らく自室に戻る者もいてその場合はどうしたものかと思案していると、通路の向こうから手錠を付けられ装束を纏っていない人物が連行されてこっちへとやって来た。
見張りのような白装束の上層民らしき者が前後に貼り付き、その真ん中の連行者は、なんとライトをここへと道案内をしてくれたサルヒコの姿であった。
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