『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

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Phase Ⅻ

Devil's Forest Letter

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 パメラは第1コロニーへの偵察へと、マオリとナバホの三人で行った道中に遭遇した第2の兵士と出会ったことを思い出しながら、自分の手に巻いておいた兵士が髪留めに使っていた「帯」を改めて眺めていた。
 これはパメラの腕の中で息を引き取った男へのせめてもの手向けとして、持ち帰ってきていたのだった。
 第2の男たちは立派な戦士、武士の証として髪を伸ばし、それを様々な物で束ねる習慣がありそれを象徴として誇りにしている。
 何か自分にとって大事な物、例えば妻や大切な人の髪と編んだ紐や、肉親から貰った衣服がダメになった生地を使った布などを使用していたりする。

 そして今回、そのパメラの腕の中で死んだ第2の兵士はそういった布に手紙のような文章を書いて残していた。


 ‟親愛なるジェーンへ
 最後まで君を幸せにしてあげられなくて、すまない。
 例の秘密の櫓に、二人での思い出の数々を保管してある。他にそこには様々な嗜好品や貴重品も一緒に置いてある。今後の何か事態の時にでも有効的に使ってくれ。

 君とのことがいつも心の支えになったからこそ、どんな辛い任務でも修行でも、耐えることが出来た。常に忘れることは無かったよ。
 沢山、一緒に語り合ったこれからの人生や夢、そして生活が送れなくなったけど、俺はどこに行こうが君の幸せを願っている。後悔や、悲観に暮れないでくれ。それだと、俺も安心して天の先で安らかに眠れないだろ?

 君は強い人だから、必ずいずれ、元気な笑顔でいつものようにみんなを元気づけることだろう。その姿を、天に居る俺にも見せてくれ。そして、またいつか、俺が先に行くことになった遥か彼方の天空世界で、再会し一緒になろう。
 その時はまた、沢山の話を聞かせてくれ。それを楽しみに待っているから。
 今まで、本当に、ありがとう・・・・・・”


 パメラはまた、男の最後の顔と最後のセリフ、自分のことではなくパメラたちをあの土壇場で気遣ってくれたことを思い出し、目に涙を浮かべる。

 きっと本当にイイ人だったのだろう。そしてこの恋人だと思われる人も、きっと幸せだったのだろうとこの文章から想定され、そしてその人の悲しみをも想像してしまっていた。

 パメラが第2を去ってからのこの数年間で、第3コロニーのレイアたちがそうだったようにきっと第2も少しは習慣や考え方の変化があったのかもしれない。そんなことを感じていた。


 いつかは必ず、この帯に込められた手紙をこの女性に届けようと、心に誓う。

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