『Dystopia 25』 ~楽園~

シルヴァ・レイシオン

文字の大きさ
99 / 149
Phase Ⅻ

Tactics

しおりを挟む
 ウェルバーが戻ってきたと思うと、マオリ、ナバホ、そしてこの村の長老を共に引き連れて帰ってきた。

 四人で話し合った上で、改めてここへやってきたようでパメラ達にもその内容を伝えにわざわざやってきた。長老からの話はこの場で揃ってマオリが通訳をしてくれながら話してくれる。

 その内容はフォレスターに伝わる歴史とを加味した、現状の可能性とそしてその対策である。


 Coloniaコロニア内部の伝承とは、『その時代』で変動し新たに作られる。
 数十年、もしくは数百年に一度、この世界はと再生される。
 その兆しが第1コロニー、もしくは第8のProberプローバーのような気狂い者が必ず現れる。
 そして「内部抗争」や「フロア戦争」よりももっと大きな大戦争が繰り広げられ、抗う者が全て敗れた時、逃げる者、追う者、狂う者、様々な者がこのDevil's Forest悪魔の森にまでやって来る。
 そしてどのような結果であれ森の悪魔が大量に召喚され、全ての人類が滅ぼされる終焉が訪れる。
 Foresterフォレスターの伝説的英雄たちはそれらの悲劇から戦い、逃げ延びた者の伝説が伝えられている。

「各コロニー、センター教、フォレスター、Nomadsノーマッド達ですら、バラバラに暮らし争いやけん制しあっている場合では無い」

 ウェルバー達はそれらの伝令役として、そして全てを統一し団結できるようにしなければならない。でないと、この世界は確実に終焉を迎える。

 長老たちはフォレスター全員に伝承された準備と儀式をしなければならない。

 話が出来るマオリ、そしてフォレスター最強の戦士であるナバホを連れて、内部の重要人物たちにコネクトし可能な限りにの人員を持って、プローバー群の殲滅を期待する。

 長老の話はこのような趣旨と意図であった。


「・・・と、いう訳だ」

 ウェルバーがみんなを見渡す。パメラとセーラは困惑した様子で不安げな表情をしている。

「そこで俺からの提案だが、パメラとセーラはこのマオリ、ナバホと共に第3コロニーへと侵入し、当時の有識者の誰か顔見知りにでも発言力のある誰でもいいのでこの話を伝えることは出来ないだろうか・・・第2はライトがなんとかしてくれることを祈り、その後、四人は第4コロニーへ。俺はレイアが目覚め、何とか動ければNomadsノーマッド達を追うように第7から第6へと行こうと思う。ノーマッドの周回は少し前に第3に居たので、第1第8を飛ばして今頃は第7で一時定住しているはずなんだ。ノーマッド達の機動力があれば、その後はもっと早く伝令も可能になると思われる」

「・・・それで、いいんじゃない?」

 パメラ達が返答を駒根いてるその瞬間に、その場の全員がここの誰でもない声に驚きを隠せなかった。

「私とウェルバーはまだ第3へは、当然行けないからね。それに、リサを時期代表候補として残してきた。当時の私の陣営はバラバラにならずに存在したままのはずだよ」

「「「レイア!!」様ぁ~!!!」」

 ウェルバーとパメラ、セーラが勢いよくレイアの傍へ飛び移る。

「良かった、気が付いて」
「レイア様ぁ・・・・・・」
「大丈夫ですか?どこか痛む所や、何か必要な物とか・・・・・・」

「ありがとう、みんな・・・そうだね、水をくれないか」

 セーラは飛びあがる様に水を取り手配する。それをレイアは勢いよく一気に飲み干して満足げなレイアの顔を見ては、またみんなが少し微笑む。

「第6ではそろそろ選挙が終わり、上手く行ってればウェルバーの旧友が代表として君臨している可能性がある。そうなれば話も早い」

「そうだな」

 ウェルバーはレイアの脇に腕を回し、レイアの身体を支えるように補助をした。

「セーラの出身は第4コロニー。そしてウェルバーが生業としていた木こり仲間が多く居る。それらの中で一番、懸念されるのは第3への侵入だがそれもウェルバーが作った例の洞窟を使えば侵入が可能だ。第3表層エリアである一番外側、壁側である治安が悪い地域は安易に抜けることが可能だろう」

 レイアをよく知る三人は流石、元女帝という感想を得た顔をしながら聴いていた。

「第7の現状がどうなっているのか。そこも今の私たちでは全くの未知数だが、第2とお同じく優先して対応してくれないと被害と悲劇は広がるだけとなるだろう。そして万が一、第7もと仮定するならば、人数は少数精鋭、少しでも目立たない方がいい」

「確かに・・・・・・」

「でも、レイア様、お身体の方は・・・・・・」

「傷の方は・・・多分もう大丈夫だ。この薬草、大分といいやつを使ってくれている。暴れ戦うことはまだ出来ないだろうが、歩くことぐらいは出来そうだ。後は・・・血を流し過ぎだ。肉を、何か食事をくれないか?」

 少し朦朧とした目でレイアが誰とも付かない視線を送る。
 マオリがずっと長老とナバホに通訳をしてくれていたので、ナバホが直ぐに動いてくれた。

しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...